Cosminexus システム構築ガイド

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1.3 バッチアプリケーションを実行するシステムの構築の流れ

この節では,バッチアプリケーションを実行するシステムの構築に必要な作業として,システム設計から,構築したシステムの運用までの流れについて説明します。また,システム構築に必要な作業が,どのマニュアルに記載されているかについても説明します。システム構築に必要な作業と,マニュアルとの対応を次の図に示します。

図1-2 システム構築に必要な作業と,マニュアルとの対応(バッチアプリケーション)

[図データ]

図中の1.〜5.について(1)〜(5)で説明します。各作業の詳細については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。なお,このマニュアルを参照している作業については,作業ごとに参照先を説明しています。

<この節の構成>
(1) システムの設計
(2) インストール
(3) システムの構築
(4) チューニング
(5) システムの運用

(1) システムの設計

動作させるアプリケーションの種類やシステム構成などについては,あらかじめマニュアル「Cosminexus 機能解説」,およびマニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」で決定しておきます。ここでは,次の作業を実施します。

(2) インストール

構築するシステムに合わせて,必要な製品をインストールします。なお,オプション製品の導入手順や,構成ソフトウェアのインストールについては,「2. インストールと初期設定」を参照してください。また,Application Serverの導入手順については,「2.1.2(1) Application Server」を参照してください。

(3) システムの構築

決定した構成に基づいて,システムを定義して構築します。また,構築するシステムで動作するリソースアダプタを設定します。システムを構築するために,次の作業を実施します。

なお,バッチアプリケーションを実行するシステムの構築については,「第3編 バッチアプリケーションを実行するシステムの構築」を参照してください。また,このマニュアルで説明しているシステム構築の流れについては,「11.1 システム構築の流れ」を参照してください。システム構築の一連の流れについては,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。

(a) Management Serverの設定

Smart Composer機能で構築するシステムは,Management Serverを使用します。Management Serverを初めて使用するホストでは,Management Serverをセットアップしてください。Management Serverの設定については,「3.4 Management Serverの設定」を参照してください。

(b) システムの構成定義

Smart Composer機能のファイルを使用して,決定したシステム構成を定義します。

(c) 使用する機能を有効にするための設定

バッチサーバの場合,必ず指定する項目があります。必ず指定する項目については,「12.2.1 バッチサーバの動作設定として必ず設定する項目」を参照してください。

また,それ以外の項目については,デフォルトの設定で無効となる機能があります。デフォルトの設定で無効となる機能を使用する場合は,Smart Composer機能のファイルなどを使用して,有効にする設定が必要になります。

バッチサーバで使用する機能に応じて設定する項目を次の表に示します。なお,これらの設定項目は,基本的にSmart Composer機能のファイルやコマンドを使用して設定します。ただし,Smart Composer機能のファイルやコマンドで設定できない場合は,そのほかのCosminexusのコマンドやファイルを使用して設定します。

表1-2 バッチサーバで使用する機能に応じて設定する項目

項目 説明 参照先
バッチサーバの動作設定 バッチサーバの動作環境の設定をします。デフォルトのバッチサーバの動作を変更しない場合は,設定不要です。 12章
トラブルシューティングの資料取得の設定 トラブルシューティングで使用する資料には,運用を開始する前に取得するための設定が必要なものがあります。デフォルトで取得する資料だけをトラブルシューティングで使用する場合は,設定不要です。 13章
システムの可用性を高める設定 Managementイベントによる障害の事前検知の設定など,システムの可用性を高める設定をします。 14章
リソースの設定 サーバ管理コマンドを使用して,リソースのプロパティを定義し,運用管理ドメイン内のバッチサーバにデプロイします。 15章
参考
Cosminexusを利用して構築したシステムでは,Smart Composer機能のコマンド以外に,運用管理コマンド(mngsvrutil)などを使用して運用できます。運用管理コマンドは,Management Serverを操作するためのコマンドで,日常の運用,保守作業を実行できます。システムの運用方法については,マニュアル「Cosminexus システム運用ガイド」を参照してください。
(d) システムの構築

Smart Composer機能のコマンドを使用して,システムを構築します。

(e) リソースアダプタの設定

リソースを利用する場合に,必要に応じて,リソースと接続するリソースアダプタを使用します。リソースアダプタは,コマンドを使用して,プロパティを設定したり,インポートしたりします。

リソースアダプタの種類や設定については,「15. リソースの設定(バッチアプリケーションを実行するシステム)」を参照してください。

(f) ほかのプログラムと連携するための設定

JP1やクラスタソフトウェアと連携するために必要な設定をします。JP1/AJS2を使用したバッチアプリケーションのコマンドのジョブ定義については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」のバッチアプリケーションの実行方法に関する説明を参照してください。JP1/IM - CMおよびJP1/AJS2 - SO以外のJP1製品との連携の設定については,「16. JP1との連携の設定」を参照してください。また,クラスタソフトウェアとの連携の設定については,「17. クラスタソフトウェアと連携するための設定」を参照してください。

(g) システムの開始

Smart Composer機能のコマンドを使用して,システムを開始します。

(4) チューニング

構築したシステムで,アプリケーションサーバのパフォーマンスをチューニングします。初期構築完了後,構築したシステム環境で,設定したパラメタが適切かどうかを検証し,検証結果に基づいて設定を変更することで,パフォーマンスを向上させます。パラメタの設定変更は,Smart Composer機能のファイルおよびコマンドを使用します。

(5) システムの運用

構築したシステムを運用します。システムの日常運用,システムのメンテナンス,システム構成の変更などを,必要に応じて実施します。