この節では,バッチアプリケーションを実行するシステムを構築する場合の流れについて説明します。Management ServerのSmart Composer機能を使用して構築するシステムは,Smart Composer機能のコマンドや運用管理コマンド(mngsvrutil)を利用して運用します。Smart Composer機能のコマンドや運用管理コマンド(mngsvrutil)を利用して運用するシステムでは,Cosminexusのシステム全体のサーバの運用をManagement Serverで一括管理できます。システム構築の流れを次の図に示します。
図11-1 システム構築の流れ
![[図データ]](FIGURE/ZU119100.GIF)
図中の1.〜7.について説明します。
- Management Serverの設定をします。
- Management Serverを初めて使用するホストは,Management Serverをセットアップしてください。セットアップ時に,Management Serverのユーザアカウントも設定できます。
- Management Serverのプロパティファイル(mserver.properties)や運用管理エージェントのプロパティファイル(adminagent.properties)で,Management Serverが使用するポート番号や,Management Serverへのアクセスを許可するホストなどを指定してください。
- 必要に応じて,Management Serverが出力するログの設定や,JP1との連携時にManagement Serverの障害情報をJP1イベントとして発行するかどうかなど,Management Serverの動作環境を設定してください。
- 必要に応じて,運用管理エージェントが,論理サーバの動作を確認するレベル,間隔,リトライ回数などを設定してください。
Management Serverの設定については,「3.4 Management Serverの設定」を参照してください。
- システムの構成定義をします。
Smart Composer機能では,バッチアプリケーションを実行するシステム内に配置されたサーバマシンやサーバ(論理サーバ)の構成を,Webシステムという概念で管理します。サーバマシンの集合を物理ティア,サーバ(論理サーバ)の集合をサービスユニットといいます。
Management Serverが管理,運用する運用ドメイン内には,Webシステムを複数配置できます。Webシステムは,Smart Composer機能の簡易構築定義ファイルで定義します。Webシステムの構成定義の概要については,「11.3 システムの構成定義」を参照してください。
また,Smart Composer機能の簡易構築定義ファイルでは,必要に応じて,論理サーバごとに次の設定をします。
- 論理サーバを稼働させるために必要な設定
- 論理サーバの起動順序,自動再起動するときの回数など,論理サーバの起動と停止の設定
- 論理サーバの起動と停止で使用する環境変数の設定
- バッチサーバの動作設定をします。
バッチサーバの場合,必ず指定する項目があります。必ず指定する項目については,「12.2.1 バッチサーバの動作設定として必ず設定する項目」を参照してください。それ以外の項目はデフォルトの設定のままで利用する場合は,設定不要です。デフォルトで設定されているバッチサーバの動作を変更したい場合には,Smart Composer機能の簡易構築定義ファイルで論理サーバの設定値を設定もしくは変更したり,またはユーザ定義ファイルを編集したりする必要があります。
- トラブルシューティングの資料取得の設定をします。
デフォルトの設定のままで利用する場合は,設定不要です。ただし,OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合),JavaVMのガーベージコレクションのログは,事前に取得のための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。
これらの資料を取得する場合や,ほかの資料の取得設定を変更したい場合に,トラブルシューティングの資料取得の設定をしてください。
- システムの可用性を高める設定をします。
Managementイベントによる障害の事前検知を設定します。Managementイベントによる障害の事前検知の機能を使用しない場合は,設定不要です。
- リソースを設定します。
サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタのプロパティなどを定義します。バッチアプリケーションからデータベースに接続しない場合は,設定不要です。
- システムを起動して,システムの動作を確認します。
システムの起動および停止手順については,「3.2 システムの起動と停止の設定」を参照してください。
- 参考
- ほかのプログラムと連携する場合,システム全体をどのように運用するかによってシステムの構築のしかたが異なります。
- JP1と連携して運用する場合
- バッチアプリケーションの開始をJP1のジョブとして定義できます。
- また,Management Serverを利用しているシステムは,JP1と連携することで,JP1の集中監視,運用の自動化,稼働状況の分析などの機能を使用して,Cosminexus以外で構築されたシステムも含めた業務システム全体を一括管理できるようになります。JP1と連携するシステムの構築については,「16. JP1との連携の設定」を参照してください。
- クラスタソフトウェアと連携して運用する場合
- Management Serverを利用しているシステムは,クラスタソフトウェアと連携することで,プロセス監視,障害発生時の系切り替えなどの機能を使用して,Application Serverの稼働率を向上できます。連携できるクラスタソフトウェアは,Microsoft Cluster Service(Windowsの場合),およびHAモニタ(AIX,HP-UXまたはLinuxの場合)です。
- クラスタソフトウェアと連携するシステムの構築については,「17. クラスタソフトウェアと連携するための設定」を参照してください。
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