Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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4.3.6 CTMを使用する構成

Smart Composer機能では,CTMを利用してリクエストをスケジューリングするバックシステムを構築,運用できます。CTMを使用すると,クライアントから送信されたリクエストをスケジューリングして,リクエストの送信先を分散したり,送信先へのリクエストの流量を一定時間内で制御したり,特定のアプリケーションに対するリクエストの受け付けを制御したりできます。リクエストのスケジューリングによって,安定して稼働するシステムを構築でき,システム全体の処理性能が向上させられます。また,障害発生時の復旧作業やメンテナンスも容易に実施できます。

Smart Composer機能の場合,CTMを使用したシステムは,統合ネーミングスケジューラサーバを使用した統合ネーミングスケジューラサーバモデルで構築することを前提としています。

このため,CTM関連のプロセスおよびJ2EEサーバを配置するアプリケーションサーバと,グローバルCORBAネーミングサービスを独立したマシンに配置する統合ネーミングスケジューラサーバが必要になります。この場合,アプリケーションサーバマシンと統合ネーミングスケジューラサーバマシンを用意して,それぞれにCTM用のサービスユニット,統合ネーミングスケジューラサーバ用のサービスユニットを配置します。

参考
CTM関連のプロセスには,リクエストを振り分けてスケジューリングするCTM,同じCTMドメイン内のCTMの情報を管理するCTMドメインマネジャ,異なるネットワークセグメントにあるCTMに情報を配布するスマートエージェントがあります。

また,CTMにリクエストを送信できるクライアントは,EJBクライアントおよびWebクライアントです。WebクライアントのリクエストをCTMに送信するWebフロントシステムには,Smart Composer機能以外で構築したユーザ独自のシステムも使用できます。

CTMを使用する場合のシステム構成例を次の図に示します。ここでは,EJBクライアントを例に使用して,説明しています。

図4-10 CTMを使用する場合のシステム構成例

[図データ]

この図のように,CTMを使用するシステムの場合,アプリケーションサーバには,一つのCTMに対して,J2EEアプリケーションや環境設定などの構成が同じJ2EEサーバを,複数配置できます。

なお,CTMの機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」のCTMを使用したリクエストのスケジューリングの概要に関する説明を参照してください。