JP1/Automatic Job Management System 2 解説
登録済みのジョブネットに対して,ジョブの実行優先順位を一時的に変更できます。ただし,下位のジョブに実行優先順位が定義されているジョブネットは,実行優先順位の一時変更はできません。実行優先順位が指定されているジョブは,指定されている実行優先順位のままとなります。
なお,実行中のジョブの実行優先順位は変更できません。
一時的に変更した実行優先順位はジョブネットが終了すると無効になりますが,再実行した場合には引き継がれます。
実行優先順位は,1〜5で表され,最も低いのが1,最も高いのが5です。UNIXジョブで実行優先順位に4,または5を指定できるのは,ジョブを実行するOSユーザーがスーパーユーザー権限を持つ場合だけです。
なお,ジョブネット,ジョブのどちらにも実行優先順位の指定がない場合は,実行優先順位1として実行されます。
実行優先順位の指定値と値の意味は次の表のとおりです。
表10-4 実行優先順位の指定値と値の意味
指定値 Windowsでの実行優先順位 UNIXでの実行優先順位 1 対話処理と比較して低い JP1/AJS2サービスのnice値+20 2 JP1/AJS2サービスのnice値+10 3 対話処理と同等 JP1/AJS2サービスのnice値 4 対話処理と比較して高い JP1/AJS2サービスのnice値-10 5 JP1/AJS2サービスのnice値-20
- 注
- Windowsの場合,優先順位は3段階になります。次の三つの優先順位クラスを設定してジョブのプロセスを起動します。
- 優先順位の設定値が[1]または[2]の場合は,システムがアイドル状態のときに実行されます(Windowsで規定されるIDLE_PRIORITY_CLASSを設定します)。
- 優先順位の設定値が[3]と場合は,一般的なプロセスとして実行されます(Windowsで規定されるNORMAL_PRIORITY_CLASSを設定します)。
- 優先順位の設定値が[4]または[5]の場合は,上記の優先順位クラスを割り当てられたプロセスのスレッドより先に実行されます(Windowsで規定されるHIGH_PRIORITY_CLASSを設定します)。
- UNIXの場合,nice値のデフォルトとして,jajs_spmdを実行した際のJP1/AJS2サービスのnice値を基準とします。特に設定されていない場合のnice値は20が仮定されます。
- 指定値が[1]でnice値が20の場合,優先順位の値は次のようになります。
- 39 ≒ 20(初期値)+ 20(増分値)
- nice値の範囲(0〜39)を超える場合,最大値は39,最小値は0です。
- なお,実行先サービスを[JP1/AJS2 Queueless Agent]とした場合,nice値は固定の値を設定します。nice値には実行優先順位の低い順から39,30,20,10,または0のどれかを設定します。nice値を変更する場合は,これらのnice値に対応したジョブの実行優先順位を指定してください。
この操作は,GUIまたはajsplanコマンドで実行できます。GUIでの操作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド 9.8 ジョブネットの実行優先順位を一時的に変更する」を参照してください。また,コマンドで操作する場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド ajsplan」を参照してください。
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