JP1/Automatic Job Management System 2 解説
業務の種類や担当部署によって,業務の運用日が異なる場合があります。このような場合に,業務ごとに異なるカレンダーを定義できます。
例として,東京本社,大阪支社,および名古屋支社で実行する業務があり,それぞれ運用日が異なる場合を考えてみます。それぞれの業務カレンダーは次のようになっています。
- 東京本社:毎日実行
- 大阪支社:月〜土曜日に実行
- 名古屋支社:月〜金曜日に実行
業務の構築の方法は二とおり考えられます。
- 同じ業務カレンダーのジョブネットをまとめてジョブグループを作る。
- 業務を一つのジョブグループに作り,別のジョブグループに設定したカレンダーを参照させる。
次にそれぞれの方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 同じ業務カレンダーのジョブネットをまとめてジョブグループを作る
- (2) 業務を一つのジョブグループに作り,別のジョブグループに設定したカレンダーを参照させる
(1) 同じ業務カレンダーのジョブネットをまとめてジョブグループを作る
次の条件に当てはまるような業務には,この運用方法が適しています。
- 複数の業務グループがあるが,業務グループ間の依存関係はない。
- 業務グループごとにシステム管理者がいる。
- 複数の業務グループを1台のマネージャーで管理する。
業務構成例を次の図に示します。
図10-11 同じ業務カレンダーのジョブネットをまとめてジョブグループを作る場合
スケジュールの設定方法の概要を次に示します。
- スケジューラーサービスの下に,東京・大阪・名古屋のジョブグループを作成する。
- 各ジョブグループの下にジョブネットを定義する。
- 各ジョブグループにカレンダーを定義する。
- ジョブネットを実行登録する。
なお,この方法では,監視画面でジョブグループごとにしか表示できません。このようなジョブネットを一つの画面で監視したい場合は,JP1/AJS2 Console機能を使用してください。JP1/AJS2 Console機能を使用すると,異なるジョブグループのジョブネットを一つの画面に表示して監視できます。
(2) 業務を一つのジョブグループに作り,別のジョブグループに設定したカレンダーを参照させる
次の条件に当てはまるような業務には,この運用方法が適しています。
- 複数の業務グループがあり,業務グループ間の依存関係がある。
- すべての業務を一人のシステム管理者が管理する。
業務構成例を次の図に示します。
図10-12 別のジョブグループに設定したカレンダーを参照させる場合
スケジュールの設定方法の概要を次に示します。
- スケジューラーサービスの下にジョブネット(ジョブネット1)を一つ作成する。
- ルートジョブネットの中に東京・大阪・名古屋で実行する業務をネストジョブネットとして定義する。
- スケジューラーサービスに東京本社のカレンダーを定義する。
- 大阪,名古屋のジョブグループを作る。
- 大阪,名古屋のジョブグループにカレンダーを定義する。
このジョブグループにはカレンダーだけを定義し,ジョブネットは作りません。
- 大阪,名古屋で実行するネストジョブネットに,それぞれのジョブグループに定義したカレンダーを参照させる。
[スケジュールの設定]ダイアログボックスで,[他のジョブグループのカレンダーを参照]を選択します。大阪業務1,大阪業務2は,大阪支社ジョブグループのカレンダーを参照させます。名古屋業務1,名古屋業務2は,名古屋支社ジョブグループのカレンダーを参照させます。
- ルートジョブネットを実行登録する。
この方法の場合は,監視画面ですべてのジョブネットを一度に監視できます。
Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi Software Engineering Co., Ltd.