JP1/Automatic Job Management System 2 解説
在庫業務の各処理をジョブネットとして定義します。ジョブネットは,ジョブグループ「在庫管理」の下に作成していきます。
- <この項の構成>
- (1) ジョブネット「受注処理」の作成
- (2) ジョブネット「報告書作成」の作成
- (3) ジョブネット「入庫処理」の作成
(1) ジョブネット「受注処理」の作成
ツリーエリアでジョブグループ「在庫管理」を選択し,[編集]−[新規作成]−[ジョブネット]を選択します。
図9-3 ジョブネット「受注処理」の定義例
ジョブネット「受注処理」の設定例を示します。
- ジョブネット「受注処理」の設定例
ユニット名:受注処理
多重起動:不可能
保存世代数:2
優先順位:なし
打ち切り時間:システム設定に従う(デフォルト)
スケジューリング方式:スケジュールスキップ(デフォルト)
ジョブネット監視:行わない
ジョブネット「受注処理」は,次の八つの処理に分けることができます。
図9-4 「受注管理」の各処理
(a) 各ジョブの作成
ジョブネット「受注処理」の各処理をジョブとして定義します。ジョブの作成は,ジョブネット「受注処理」をダブルクリックし,[ジョブネットエディタ]ウィンドウで行います。
- 「受注データ入力」ジョブの設定例
ユニット名:受注データ入力
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:datenyuryoku.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「在庫チェック」ジョブの設定例
ユニット名:在庫チェック
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:zaikocheck.exe
終了判定:しきい値による判定(警告しきい値:3,異常しきい値:4)
実行したジョブの戻り値が3以下ならばジョブの状態は正常終了,ジョブの戻り値が4ならばジョブの状態は警告検出終了,ジョブの戻り値が5以上はジョブの状態は異常終了となります。
- 「発注伝票作成A」ジョブの設定例(リカバリージョブ)
ユニット名:発注伝票作成A
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:hattyudenpyoa.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
「在庫チェック」ジョブが異常終了の場合に実行されます。
- 「安全在庫数判定」ジョブの設定例(判定ジョブ)
ユニット名:安全在庫数判定
判定条件:終了コード
条件:終了コードが判定値と等しい(判定値:4)
- 「発注伝票作成W」ジョブの設定例(従属ジョブ)
ユニット名:発注伝票作成W
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:hattyudenpyow.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
「安全在庫数判定」ジョブが警告終了の場合に実行されます。
- 「受注伝票作成」ジョブの設定例
ユニット名:受注伝票作成
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:juchudenpyo.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「売り上げデータ計算」ジョブの設定例
ユニット名:売り上げデータ計算
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:uriagekeisan.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「売り上げデータ印刷」ジョブの設定例
ユニット名:売り上げデータ印刷
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:uriageinsatu.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
(b) ジョブネット「受注処理」のスケジュール情報定義
ジョブネット「受注処理」を選択し,[編集]−[スケジュール]を選択します。
図9-5 ジョブネット「受注処理」のスケジュールルール設定例
ジョブネット「受注処理」のスケジュール情報の設定例を示します。
- ジョブネット「受注処理」のスケジュールルール設定例
種別:絶対日
開始年月:2006年8月
開始日:日付指定(1日)
開始時刻:絶対時刻9:00
処理サイクル:1日毎に実行する
(2) ジョブネット「報告書作成」の作成
日報作成,週報作成,月報作成の各業務は,それぞれ内容に関連性があり,順序づけることができます。ただし,各業務は運用スケジュールが異なるため,「報告書作成」というジョブネットを作成してこれらの業務を一本化し,それぞれをネストジョブネットとして定義します。
(a) ジョブネット「報告書作成」の設定例
ジョブネット「報告書作成」の設定例を示します。
- ジョブネット「報告書作成」の設定例
ユニット名:報告書作成
多重起動:不可能
保存世代数:2
優先順位:なし
打ち切り時間:システム設定に従う(デフォルト)
スケジューリング方式:スケジュールスキップ(デフォルト)
ジョブネット監視:行わない
ジョブネット「報告書作成」のスケジュール情報の設定例を示します。
- ジョブネット「報告書作成」のスケジュールルール設定例
種別:絶対日
開始年月:2006年8月
開始日:日付指定(1日)
開始時刻:絶対時刻17:00
処理サイクル:1日毎に実行する
休業日の振り替え:実行しない
ジョブネット「報告書作成」の各処理は,次のとおりです。
図9-6 「報告書作成」の各処理
(b) ネストジョブネット「日報作成」の設定例
ネストジョブネット「日報作成」の設定例を示します。
- ネストジョブネット「日報作成」の設定例
ユニット名:日報作成
ネストジョブネット「日報作成」のスケジュール情報の設定例を示します。
- ネストジョブネット「日報作成」のスケジュールルール設定例
スケジュールルール:上位のジョブネットに依存する
ネストジョブネット「日報作成」の各ジョブの設定例を示します。
- 「総受注計算」ジョブの設定例
ユニット名:総受注計算
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:juchu.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「総仕入れ計算」ジョブの設定例
ユニット名:総仕入れ計算
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:shiire.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「売り上げ日報作成」ジョブの設定例
ユニット名:売り上げ日報作成
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:nippou.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
(c) ネストジョブネット「週報作成」の設定例
ネストジョブネット「週報作成」の設定例を示します。
- ネストジョブネット「週報作成」の設定例
ユニット名:週報作成
ネストジョブネット「週報作成」のスケジュール情報の設定例を示します。
- ネストジョブネット「週報作成」のスケジュールルール設定例
種別:絶対日
開始年月:2006年8月
開始日:曜日指定(金曜)
開始時刻:絶対時刻18:00
処理サイクル:1週毎に実行する
休業日の振り替え:前の運用日に振り替え(猶予日数:4日)
ネストジョブネット「週報作成」の各ジョブの設定例を示します。
- 「売り上げ週報作成」ジョブの設定例
ユニット名:売り上げ週報作成
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:shuhou.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「安全在庫値更新」ジョブの設定例
ユニット名:安全在庫値更新
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:zaikokousin.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
(d) ネストジョブネット「月報作成」の設定例
ネストジョブネット「月報作成」の設定例を示します。
- ネストジョブネット「月報作成」の設定例
ユニット名:月報作成
ネストジョブネット「月報作成」のスケジュール情報の設定例を示します。
- ネストジョブネット「月作成」のスケジュールルール設定例
種別:絶対日
開始年月:2006年8月
開始日:月末指定(最終日から0日前)
開始時刻:絶対時刻19:00
処理サイクル:1月毎に実行する
休業日の振り替え:前の運用日に振り替え(猶予日数:4日)
ネストジョブネット「月報作成」のジョブの設定例を示します。
- 「売り上げ月報作成」ジョブの設定例
ユニット名:売り上げ月報作成
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:geppou.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
(3) ジョブネット「入庫処理」の作成
入庫処理は,商品が入庫されたときに実行される処理であるため,データベースの更新を監視する起動条件をジョブネットに設定します。
(a) ジョブネット「入庫処理」の設定例
ジョブネット「入庫処理」の設定例を示します。
- ジョブネット「入庫処理」の設定例
ユニット名:入庫処理
多重起動:不可能
保存世代数:4
優先順位:なし
打ち切り時間:システム設定に従う(デフォルト)
スケジューリング方式:多重スケジュール
ジョブネット監視:行わない
ジョブネット「入庫処理」のスケジュール情報の設定例を示します。
- ジョブネット「入庫処理」のスケジュールルール設定例
種別:絶対日
開始年月:2006年8月
開始日:日付指定(1日)
開始時刻:絶対時刻9:00
処理サイクル:1日毎に実行する
休業日の振り替え:実行しない
起動条件:設定されていれば使用する
起動条件の有効範囲:回数(無制限),時間(絶対時刻で17:00)
ジョブネット「入庫処理」は,次の三つの処理に分けることができます。
図9-7 「入庫管理」の各処理
(b) ジョブネット「入庫処理」の起動条件の設定例
起動条件は,ジョブネット「入庫処理」の[ジョブネットエディタ]ウィンドウを起動し,[編集]−[起動条件の設定]を選択して設定します。
ジョブネット「入庫処理」は,データベースの更新を契機に実行を開始させるため,起動条件として設定するイベントジョブには,ファイル監視ジョブを使用します。
ジョブネット「入庫処理」の起動条件の内容は,次のとおりです。
図9-8 「入庫処理」の起動条件
ジョブネット「入庫処理」の起動条件に設定するファイル監視ジョブの設定例を示します。
- ファイル監視ジョブの設定例
監視対象ファイル名:入庫帳票ファイル
監視条件:ファイルの更新
監視間隔:60秒
(c) 各ジョブの作成
ジョブネット「入庫処理」の各ジョブの設定例を示します。
- 「入庫データ入力」ジョブの設定例
ユニット名:入庫データ入力
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:nyukodata.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「在庫数更新」ジョブの設定例
ユニット名:在庫数更新
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:zaikokousin.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
- 「在庫数印刷」ジョブの設定例
ユニット名:在庫数印刷
実行ホスト:hostA
実行ファイル名:zaikoinsatu.exe
終了判定:しきい値による判定(異常しきい値:0)
実行したジョブの戻り値が0以外の場合,ジョブの状態は異常終了となります。
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