JP1/Automatic Job Management System 2 解説

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4.2.2 ジョブネットの世代番号

ジョブネットの世代は,実行IDと呼ばれる番号で管理されます。実行IDは,実行予定がスケジュール確定した時点で世代ごとに割り振られる,ユニークな通し番号です。また,世代の実行順に世代番号と呼ばれる番号が割り振られます(ただし,プランニンググループ配下のルートジョブネットの場合はルートジョブネットの名称順)。世代番号は,次回の実行予定世代を世代0として,過去にさかのぼるに従って世代1,世代2,世代3のように数字が加算され,未来に向かうに従って世代-1,世代-2,世代-3のように減算されていきます。世代番号の割り振られ方の例を次に示します。

図4-8 世代番号の割り振られ方の例

[図データ]

現在日時を8/10の10:00とした場合,次回実行予定である8/10の12:00の世代が世代0となります。なお,世代番号はジョブネットの実行状況に応じて変化します。例えば,8/10の世代が実行開始したら,世代番号は世代0から世代1になり,8/9以前の世代番号も1ずつ増えます。また,8/11の世代番号は世代-1から世代0になり,8/12以降の世代番号も1ずつ増えます。また,ジョブネットの属性の定義で「前回異常時だけ保留」または「前回異常警告時だけ保留」という保留属性が設定されている場合でも,世代番号の考え方は同じです。例えば,ジョブネットに「前回異常時だけ保留」と設定されていて,上記の例の8/9の世代が異常終了した場合,8/10の世代番号は世代0となり,一度保留状態になってから実行されます。

一方,各世代の実行IDは,実行世代の生成時(スケジュール確定時)に割り振られたあとは,固定のまま変化することはありません。つまり,8/10の世代が実行されることによって8/10の世代番号が世代0から世代1に変化しても,実行ID(@A103)は固定のまま変化しません。

ただし,計画を一時変更したり,実行予定を追加したりなど,世代の実行順序が変更されるような操作を行った場合は,変更された時点で世代番号が振り直されます。実行予定を追加した場合の世代番号の変更例を次に示します。

図4-9 実行予定を追加した場合の世代番号の変更例

[図データ]

8/9の10:00を現在日時としています。この場合に8/10に世代を追加したりすると,8/9の世代番号が世代0なので,追加した8/10の世代番号は世代-1となります。したがって,追加前には世代-1だった8/11の世代番号は世代-2,8/13の世代番号は世代-3となります。ただし,実行IDは固定のままなので変更はありません。また,実行IDは実行予定の生成順(スケジュールの確定順)に割り振られるため,追加した8/10の実行IDには,新たな実行ID(例の場合は@A104)が割り振られます。

なお,計画一時変更や実行予定の追加などで複数の世代の開始予定時刻が重複した場合は,あとから変更したことによって同じ開始予定時刻となった世代が後続の世代になります。プランニンググループ配下のルートジョブネットも同様です。

同一の開始予定時刻に計画一時変更した場合の世代番号について次に示します。

図4-10 同一の開始予定時刻に計画一時変更した場合の世代番号

[図データ]

この例では,8/11の12:00という実行予定を8/10に移動したために同じ開始予定時刻の世代が重複してしまったため,あとから変更した世代(8/11の予定を変更した分)が後続の世代となります(実際に実行されるのは1回だけになります)。

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