JP1/Integrated Management - Service Support システム構築・運用ガイド
クラスタシステムは,高可用性(HA:High Availability)の実現を目的としたシステムです。処理を実行する実行系サーバと,障害が発生したときに処理を引き継げるように待機している待機系サーバで構成します。障害発生時は,実行系から待機系に処理を引き継いで業務の停止を防ぎ,可用性を向上させることができます。この障害時に処理を引き継ぐことを「フェールオーバー」といいます。
クラスタシステム全体を制御するソフトウェアを「クラスタソフト」といいます。クラスタソフトは,システムが正常に動作しているかを監視し,異常を検知した場合にはフェールオーバーを行って業務が停止することを防ぎます。
備考:負荷分散などを目的としたクラスタシステムもありますが,ここでは説明していません。
図8-1 正常時,フェールオーバー後のアクセス
JP1/IM - Service Supportのようなアプリケーションは「論理ホスト」で運用します。論理ホストは,クラスタソフトに制御された,論理的なサーバのことです。フェールオーバーする際は,論理ホストの単位で実行されます。論理ホストは,ホスト名として「論理ホスト名」を使い,実行系から待機系に引き継げる「共有ディスク」と「論理IPアドレス」を持ちます。論理ホストで実行するアプリケーションは,共有ディスクにデータを格納し,論理IPアドレスで通信することによって,物理的なサーバに依存しないで,フェールオーバーして実行できます。
JP1/IM - Service Supportを,クラスタシステムの論理ホスト環境で運用することを「クラスタ運用」といいます。
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