JP1/Integrated Management - Service Support システム構築・運用ガイド

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2.13.3 案件の集計データのファイル出力

案件の状況を集計したCSVファイルは,次の図に示す[集計データのファイル出力]画面でダウンロードできます。

図2-26 [集計データのファイル出力]画面

[図データ]

ファイル出力したい集計データの条件を指定して,[データのダウンロード]ボタンをクリックします。

集計データの絞り込み条件を次に示します。

<この項の構成>
(1) 出力されるCSVファイルの内容
(2) マクロのダウンロード

(1) 出力されるCSVファイルの内容

[集計データのファイル出力]画面からは,案件データCSVファイル(OutputItemData.csv)およびコードデータCSVファイル(OutputItemCodeData.csv)の二つのCSVファイルを出力できます。

案件データCSVファイルの出力項目を次に示します。

表2-32 案件データCSVファイルの出力項目

項目 説明
製品名称 「JP1/IM - Service Support」。
バージョン情報 出力されるファイルのバージョン。
文字コード 「MS932」。
データ集計日 案件集計コマンドを実行した日付。
集計単位 出力した集計単位。
システムID 集計データを出力したシステムのシステムID。
システム名 集計データを出力したシステムのシステム名。
プロセス名 集計データを出力したプロセスのプロセス名。
出力種別 次の8種類の種別に対応した1〜8の数値。
  • 1:登録案件数。
    対象期間に登録された案件数を出力する。案件の発生傾向をプロセスごとに分析したレポートなどを作成するために使用する。
  • 2:クローズ以外の案件数。
    対象期間の終了時に,ステータスがクローズ以外の案件数を出力する。出力種別1の「登録案件数」と併用し,案件の処理率を分析したレポートを作成するために使用する。
  • 3:クローズした案件数。
    対象期間にクローズした案件数を出力する。クローズした案件の傾向をプロセスごとに分析したレポートなどを作成するために使用する。
  • 4:クローズした案件の平均所要時間。
    対象期間にクローズした案件の平均所要時間を出力する。案件の平均処理時間を分析したレポートなどを作成するために使用する。
  • 5:クローズした案件のうち,作業期限が設定されている案件数。
    対象期間にクローズした案件で,作業期限が設定されている案件数を出力する。案件の平均処理時間を分析したレポートなどを作成するために使用する。
  • 6:作業期限内にクローズした案件数。
    対象期間にクローズした案件で,作業期限内にクローズした案件数を出力する。作業期限内にクローズした案件の処理率を分析したレポートなどを作成するために使用する。
  • 7:クローズした案件で費用(実績)が設定されている案件数。
    対象期間にクローズした案件で,費用(実績)が設定されている案件数を出力する。出力種別8の「クローズした案件の使用費用(実績)の合計」と併用し,1案件当たりの平均費用を分析したレポートなどを作成するために使用する。
  • 8:クローズした案件の使用費用(実績)の合計。
    対象期間にクローズした案件で使用した費用(実績)の合計を出力する。出力種別7の「クローズした案件で費用(実績)が設定されている案件数」を併用し,1案件当たりの平均費用を分析したレポートなどを作成するために使用する。
集計期間 CSVファイルに出力した集計期間。
注※
ここで示している「クローズ」はステータスID「JIMSD_STAT_CLOSE」のステータスのことです。ステータスのカスタマイズによって,ステータス名称が「クローズ」ではない場合があります。ステータスのカスタマイズについては,「2.12 ステータスの管理」を参照してください。

コードデータCSVファイルの出力項目を次に示します。

表2-33 コードデータCSVファイルの出力項目

項目 説明
システムID 集計データを出力したシステムのシステムID。
システム名 集計データを出力したシステムのシステム名。
プロセス名 集計データを出力したプロセスのプロセス名。
フォームID 案件フォームID。
フォームVR フォームバージョン。
コード種別 コード種別,実コードおよびコード表示名の詳細については,「14. 定義ファイル」の「コードマッピングファイル(jp1imss_itemimport_codemap.conf)」を参照。コード種別のJIMSD_CODE_XXXXXXXX部分がセクション,実コードが値,コード表示名がキーに対応する。
実コード
コード表示名
集計期間 CSVファイルに出力した集計期間。

集計の対象となるのは,対象期間にクローズした案件だけです。

案件フォームをカスタマイズしてコードを追加した場合は,追加したコードも出力されます。

(2) マクロのダウンロード

出力したCSVファイルからレポートを作成するためのマクロをダウンロードできます。デフォルトでは,JP1/IM - Service Supportが提供しているサンプルのマクロがダウンロードできます。

サンプルのマクロを使用したレポートの作成例を次の図に示します。

図2-27 集計データを基にしたレポート作成例

[図データ]

サンプルのマクロでは,10種類のレポートを作成できます。作成できるレポートの種類を次の表に示します。

表2-34 サンプルのマクロで作成できるレポートの種類

項番 種類(単位) 説明 対象プロセス
1 案件総数(件) すべてのステータスに登録されている案件数が集計される。なお,登録日時が設定されていない案件は,集計の対象外となる。
プロセスごとの案件発生傾向を分析するために使用できる。
CSVに出力された全プロセス
2 案件処理平均所要時間(時間) 一定期間の案件処理所要時間(クローズした案件の更新日時と登録日時の差)の和を,クローズした案件数で割った値が集計される。なお,登録日時が設定されていない案件は,集計の対象外となる。
プロセス内の案件の処理時間を確認して,早期回答の目安に使用できる。
CSVに出力された全プロセス
3 作業期限内処理率(%) 作業期間内に案件がクローズした処理率が集計される。
期限内の回答の指標を出すために使用できる。
CSVに出力された全プロセス
4 一次サポート解決率(%)※1 クローズした案件で解決区分が設定されている案件のうち,解決区分が「ナレッジ」,「ドキュメント」に設定されている案件の割合が集計される。
プロセス内のサポート品質の状況を確認するために使用できる。
インシデント管理
5 問題分野の内訳(件および%)※1 クローズした案件で問題分野の項目が設定されている案件に対する,各問題分野の割合が集計される。
システムごとの傾向を分析するために使用できる。
インシデント管理,問題管理
6 結果の内訳(件および%)※1 クローズした案件で結果の項目が設定されている案件に対する,各結果の割合が集計される。
システムごとの傾向を分析するために使用できる。
CSVに出力された全プロセス
7 要因の内訳(件および%)※1 クローズした案件で要因の項目が設定されている案件数に対する,各要因の割合が集計される。
システムごとの傾向を分析するために使用できる。
CSVに出力された全プロセス
8 案件当たりの平均使用費用(なし)※2 クローズした案件で,費用(実績)が設定されている案件の平均値が集計される。
一案件当たりに使用する費用の確認や,全体的にコストが掛かっていないかを確認するために使用できる。
変更管理,リリース管理
9 案件の処理率(%) 一定期間内で,クローズした案件数を登録された案件数で割った値が集計される。
作業の効率を確認するために使用できる。
CSVに出力された全プロセス
10 類似案件率(%)※1 クローズした案件で,要因に「既知のソフトウェア不良」または「既知のハードウェア不良」が設定されている案件数が集計される。
同件の発生傾向を確認するために使用できる。
インシデント管理,問題管理
注※1
案件フォームのカスタマイズによって,案件項目の選択肢を変更した場合,マクロが正しく動作しません。案件フォームと同様に,マクロのカスタマイズも検討してください。
注※2
費用の単位はユーザーの運用によって異なるため,特に定めていません。