JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド
クラスタシステムの論理ホストに構築されたJP1/IM - RLは,インストーラによるバージョンアップの対象外です。そのため,クラスタシステムを運用中にバージョンアップする場合,まずは物理ホストのJP1/IM - RLをバージョンアップインストールします。そのあと,予備系サーバ(最初に待機系として起動する系)および現用系サーバ(最初に実行系として起動する系)上に構築された論理ホストに,ユーザーが手動で共通定義情報を反映する必要があります。
クラスタシステムで運用中の予備系サーバおよび現用系サーバのバージョンアップ手順を次に示します。なお,ここで示す手順は,予備系サーバが待機系サーバで,現用系サーバが実行系サーバであることを前提とします。
- <この項の構成>
- (1) 予備系サーバのバージョンアップ
- (2) 現用系サーバのバージョンアップ
(1) 予備系サーバのバージョンアップ
- 予備系サーバの物理ホストをバージョンアップインストールする。
- jbsgetcnfコマンドを実行して,バージョンアップ前の論理ホストの共通定義情報を退避する。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル名- バージョンアップで追加した共通定義情報を含むファイル中の「JP1_DEFAULT」をすべて「論理ホスト名」に編集して,任意のファイル名で保存する。
- jbssetcnfコマンドを実行して,手順3で編集した共通定義情報を論理ホストに反映する。
論理ホストの共通定義情報に上位バージョンで追加された項目が追加されますが,既存の共通定義情報の項目は初期化されます。
jbssetcnf 手順3の編集ファイル名
- 手順2で退避した共通定義情報を使用して,追加された項目以外の設定値を元に戻す。
これで予備系サーバのバージョンアップは終了です。
jbssetcnf 手順2の退避ファイル名
- jbssetcnfコマンドを実行して,予備系サーバの論理ホストの共通定義情報を取得する。
現用系サーバの論理ホストと予備系サーバの論理ホストの共通定義情報は同じ値が設定されている必要があります。ここで取得した共通定義情報を現用系サーバの論理ホストにコピーすることで,同じ値を設定します。
jbssetcnf -h 論理ホスト名 > 移行ファイル名
- クラスタソフトを使用して実行系サーバを予備系サーバに切り替える。
jbsgetcnfコマンドおよびjbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
(2) 現用系サーバのバージョンアップ
- クラスタソフトで,実行系サーバが現用系サーバから予備系サーバに切り替わっていることを確認する。
- 現用系サーバの物理ホストをバージョンアップインストールする。
- 予備系サーバのバージョンアップ手順6でコピーした移行ファイルを現用系サーバの論理ホストの共通定義情報に反映する。
jbssetcnf 移行ファイル名- 現用系サーバのバージョンアップの終了後に,クラスタソフトを使用して実行系サーバを予備系サーバから現用系サーバに戻す。
共通定義情報は,クラスタソフトでのサービス切り替えによるサービスの起動時に反映されます。
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