JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド

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4.2.2 論理ホストのインストール・セットアップ

JP1/IM - RLの論理ホストのインストールおよびセットアップについて説明します。なお,同じ論理ホストにJP1/Baseをセットアップする必要がありますので,あわせて説明します。

作業を始める前に,クラスタシステムについて次の情報を確認してください。

表4-6 論理ホストのインストール・セットアップ前の確認

確認項目 説明
論理ホスト名 JP1を実行する論理ホストのホスト名
論理ホスト名は,32バイト以内にしてください。また,先頭に-(ハイフン)は使用できません。
論理IPアドレス 論理ホスト名に対応するIPアドレス
共有フォルダ 論理ホストのJP1の実行環境ファイル一式を格納する共有ディスク上のフォルダ

また,これらが「4.1.2 クラスタ運用の前提条件」を満たしていることを確認してください。

確認ができたら,インストール・セットアップを始めます。

<この項の構成>
(1) インストール
(2) 物理ホスト環境のセットアップ
(3) 論理ホスト環境(実行系)のセットアップ
(4) 共通定義情報のコピー
(5) 論理ホスト(待機系)のセットアップ

(1) インストール

実行系サーバ,待機系サーバそれぞれのローカルディスク上にJP1/IM - RLおよびJP1/Baseをインストールしてください。

  1. JP1/Baseをインストールする。
  2. JP1/IM - RLをインストールする。

実行系サーバ・待機系サーバとも,同じ名称のドライブおよびフォルダにインストールしてください。

また,共有ディスク上には,インストールしないでください。

(2) 物理ホスト環境のセットアップ

各サーバで,JP1/BaseおよびJP1/IM - RLの物理ホスト環境のセットアップをしてください。物理ホストのJP1/IM - RLを使わない場合は,セットアップの必要はありません。

  1. JP1/Baseの物理ホスト環境のセットアップをする。
  2. JP1/IM - RLの物理ホスト環境のセットアップをする。

JP1/Baseのセットアップ手順は,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

JP1/IM - RLのセットアップ手順は,クラスタ運用ではない場合と同じ手順です。「3. インストールとセットアップ」を参照してください。

(3) 論理ホスト環境(実行系)のセットアップ

(a) セットアップの前準備

  1. JP1が停止していることを確認する。
    物理ホストおよび論理ホストのすべてのJP1のサービスが停止していることを確認してください。
    JP1のサービスを停止しないまま,論理ホスト環境の設定を行った場合,論理ホストのサービスが正常に動作しなくなります。このような場合は,サーバを再起動して,回復してください。
  2. 共有ディスクが使用可能なことを確認する。

(b) JP1/Baseのセットアップ

  1. JP1/Baseの論理ホスト(実行系)をセットアップする。
    JP1/Baseの論理ホストを設定したあと,ユーザー管理機能の設定で,使用する認証サーバを指定します。
    論理ホストを認証サーバにする場合は,JP1ユーザーを登録します。JP1ユーザーの登録は,論理ホストのJP1/Baseのサービスを起動してから行ってください。
    なお,待機系サーバでは,実行系サーバの共通定義情報をコピーすることで論理ホストの設定が反映されるため,認証サーバの指定およびJP1ユーザーの登録操作は不要です。
    手順の詳細は,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(c) JP1/IM - RLのセットアップ

  1. JP1/IM - RLの論理ホストの設定画面を起動する。
    IM - RLパス\bin\jp1rmhasetup.exeを実行します。
    次の画面が表示されます。

    図4-5 論理ホストの設定画面(実行系)

    [図データ]

  2. [実行系論理ホストの設定]をクリックする。
    次の画面が表示されます。

    図4-6 論理ホストの設定画面(実行系)

    [図データ]

    論理ホスト名と,ファイルフォルダを指定します。
    • 論理ホスト名
      JP1/Baseで作成した論理ホスト名が表示されますので,選択します。
    • ファイルフォルダ
      共有ディスク上のフォルダを指定してください。「指定したフォルダ名\JP1RULE\」フォルダ下に,論理ホストのJP1/IM - RLのファイル一式が作成されます。
    設定したら[次へ]をクリックします。
  3. 設定内容を確認する。
    次の画面が表示されます。

    図4-7 論理ホストの設定画面(実行系)

    [図データ]

    設定内容を確認してください。設定内容が正しければ,[完了]をクリックしてください。

(d) OS環境のセットアップ

エラー発生時に,ワトソン博士のメッセージボックスやMicrosoftへのエラー報告のダイアログが表示されると,JP1/IM - RLが正常にフェールオーバーできないおそれがあるため,これらの表示を抑止する必要があります。

●ワトソン博士の設定

  1. スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
  2. テキストボックスに「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
    「ワトソン博士」のダイアログが表示されます。
  3. [メッセージ ボックスによる通知]のチェックを外す。
  4. [OK]ボタンをクリックする。

●Microsoftへのエラー報告の抑止設定

  1. コントロールパネルの[システム]をダブルクリックする。
    [システムのプロパティ]ダイアログが表示されます。
  2. [詳細設定]ページの[エラー報告]をクリックする。
    [エラー報告]のダイアログが表示されます。
  3. [エラー報告を無効にする]を選択し,[重大なエラーが発生した場合は通知する]のチェックが外れていることを確認する。
  4. [OK]ボタンをクリックする。

以上で,実行系サーバでの論理ホストのセットアップは完了です。

共有ディスクに論理ホストのJP1/IM - RLのファイルが作成されていることを確認し,必要に応じて共有ディスクをオフラインにしてください。

(4) 共通定義情報のコピー

実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバにコピーします。

共通定義情報には,論理ホストのJP1/IM - RLおよびJP1/Baseを実行するための設定情報が記録されています。次の手順でコピーしてください。

  1. 実行系サーバで,共通定義情報を退避する。
    実行系でjbsgetcnfコマンドを実行し,共通定義情報を退避します。
    jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 共通定義情報の退避ファイル名
    論理ホスト名は,論理ホストを定義したときに指定した名称と大文字・小文字が同じになるようにしてください。指定を誤った場合は,論理ホストを削除してから再度設定してください。
  2. 退避ファイルを,実行系サーバから待機系サーバにコピーする。
    FTPなど任意の方法でコピーしてください。
  3. 待機系サーバで,共通定義情報を設定する。
    待機系サーバに,実行系サーバからコピーした退避ファイルを使って,共通定義情報を設定します。
    jbssetcnf 共通定義情報の退避ファイル名

(5) 論理ホスト(待機系)のセットアップ

(a) セットアップの前準備

  1. JP1が停止していることを確認する。
    物理ホストおよび論理ホストのすべてのJP1のサービスが停止していることを確認してください。
    JP1のサービスを停止しないまま,論理ホスト環境の設定を行った場合,論理ホストのサービスが正常に動作しなくなります。このような場合は,サーバを再起動して,回復してください。
    なお,待機系サーバでは,共有ディスクが使用可能である必要はありません。

(b) JP1/Baseのセットアップ

  1. JP1/Baseの論理ホスト(待機系)をセットアップする。
    手順の詳細は,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(c) JP1/IM - RLのセットアップ

  1. JP1/IM - RLの論理ホストの設定画面を起動する。
    IM - RLパス\bin\jp1rmhasetup.exeコマンドを実行します。
    次の画面が表示されます。

    図4-8 論理ホストの設定画面(待機系)

    [図データ]

  2. [待機系論理ホストの設定]をクリックする。
    次の画面が表示されます。

    図4-9 論理ホストの設定画面(待機系)

    [図データ]

    論理ホスト名を指定します。
    • 論理ホスト名
      実行系サーバでセットアップした論理ホストを選択します。
    設定したら[次へ]をクリックします。
  3. 設定内容を確認する。
    次の画面が表示されます。

    図4-10 論理ホストの設定画面(待機系)

    [図データ]

    設定内容を確認してください。設定内容が正しければ,[完了]をクリックしてください。

(d) OS環境のセットアップ

エラー発生時に,ワトソン博士のメッセージボックスやMicrosoftへのエラー報告のダイアログが表示されると,JP1/IM - RLが正常にフェールオーバーできないおそれがあるため,これらの表示を抑止する必要があります。

●ワトソン博士の設定

  1. スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
  2. テキストボックスに「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
    「ワトソン博士」のダイアログが表示されます。
  3. [メッセージ ボックスによる通知]のチェックを外す。
  4. [OK]ボタンをクリックする。

●Microsoftへのエラー報告の抑止設定

  1. コントロールパネルの[システム]をダブルクリックする。
    [システムのプロパティ]ダイアログが表示されます。
  2. [詳細設定]ページの[エラー報告]をクリックする。
    [エラー報告]のダイアログが表示されます。
  3. [エラー報告を無効にする]を選択し,[重大なエラーが発生した場合は通知する]のチェックが外れていることを確認する。
  4. [OK]ボタンをクリックする。

以上で,待機系のセットアップが完了しました。

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