JP1/Base 運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


7.2.2 ログファイルトラップ機能を使用する前に

ログファイルトラップ機能を使用する前に知っておくべきことについて説明します。

<この項の構成>
(1) 動作環境
(2) 監視できるログファイル
(3) 監視できないログファイル
(4) 監視できるログファイル数
(5) 注意事項
(6) 統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合の注意事項
(7) JP1/AJS2のログファイル監視ジョブを使用する場合

(1) 動作環境

ログファイルトラップ機能を使用するための動作環境を次に示します。

(2) 監視できるログファイル

ログファイルトラップ機能では,サイズが2ギガバイトまでのログファイルを監視できます。また,さまざまな形式のログファイルを監視できます。監視対象のログファイルの形式を次の表で確認して,動作定義ファイルにログファイルの形式を指定してください。表中の( )内の値は,動作定義ファイルに指定する値です。

ファイル形式 説明
シーケンシャルファイル 一つのログファイルに追加書き込みし続けるファイル,または,ログファイルが一定の容量に達すると,別のファイル名で新たにログファイルを作成して書き込むファイル(SEQ)。
ファイル名を変更して保存,またはファイルをいったん削除したあと,同じ名称のファイルを作成して新たにログを書き込むファイル(SEQ2)。
※Windowsでは,ログファイルトラップでの監視中は削除できないことがあります。
ラップラウンドファイル ログファイルが一定の容量に達すると,ラップラウンドして,再び先頭からデータを上書きする形式のファイル(WRAP1)。
WRAP1の形式のログファイルを監視する場合,監視するファイルの容量と同じサイズの空きディスク容量が必要です。
ログファイルが一定の容量に達してラップラウンドする時,データを削除して再び先頭からデータを書き込む形式のファイル(WRAP2)。
マルチプロセス対応トレースファイル 複数のプロセスが一組のトレースファイルを共有するメモリマップドファイルを使用した固定サイズのファイル(HTRACE)。Cosminexusなどの日立のミドルウェア製品が出力するログファイルの形式の一つです。ログファイルの書き込み方法はWRAP1と同様で,ログファイルが一定の容量に達すると,ラップラウンドして,再び先頭からデータを上書きします。データの書き込み時にファイルの更新日時は更新されません。

注※ 監視対象のログファイルがマルチプロセス対応トレースファイルかどうかは,各製品のマニュアルを参照してください。

ログファイルトラップ機能では,シンボリックリンクが設定されたファイルも監視できます。ただし,リンク先の変更に対応できるログファイルの形式はSEQ2だけです。

(3) 監視できないログファイル

ログファイルトラップ機能で監視できないログファイルを次に示します。

(4) 監視できるログファイル数

Windows,およびUNIXで監視できるログファイル数の目安を次に示します。

Windowsの場合
Windowsの場合,ログファイルトラップ機能で監視可能なファイル数の最大値は,次の式に従います。
[図データ]

(凡例)
a:ログファイルトラップ機能で監視するログファイルの総数(同一ファイルでも加算する)
b:JP1/AJS2のログファイル監視ジョブで監視するログファイルの総数(同一ファイルでも加算する)
m:jevlogstartコマンドの実行数
n:JP1/AJS2のログファイル監視ジョブの実行数

UNIXの場合
一つのログファイルトラップで監視できる監視ファイルの最大数は100ですが,UNIXのシステム上で監視できる監視ファイルの最大数は,カーネルパラメーターの設定(ファイルオープン数の設定)次第となります。

(5) 注意事項

ログファイルトラップ機能を使用する際の注意事項を次に示します。

(6) 統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合の注意事項

ログファイルトラップ機能を使用して,統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合,転送の失敗が繰り返されることがあります。JP1イベントの転送に失敗した場合,統合トレースログやsyslogファイルに転送失敗のKAJP1037-Eのメッセージが出力されます。統合トレースログやsyslogファイルを監視するために,次のような設定があると,転送失敗のKAJP1037-EのメッセージもJP1イベントに変換されます。このとき,転送設定ファイルがデフォルトの設定のままだと,転送失敗のJP1イベントも転送されるためです。

設定例

統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合
 
ACTDEF=<Error>11 "KAJP....-E"
ACTDEF=<Error>11 "-E"
 

syslogファイルを監視する場合
 
ACTDEF=<Error>11 "error"
 

この転送の繰り返しを回避するため,KAJP1037-Eのメッセージをログファイルトラップ機能でトラップしないように動作定義ファイルの設定を変更してください。設定例を次に示します。

設定例1
 
MARKSTR="KAJP1037-E"
 

設定例2
 
ACTDEF=<Error>11 "KAJP....-E"
       !"KAJP1037-E"
 

(7) JP1/AJS2のログファイル監視ジョブを使用する場合

JP1/AJS2のログファイル監視ジョブを使用する場合は,JP1/Baseのログファイルトラップ管理サービス(UNIXの場合,ログファイルトラップ管理デーモン)とイベントサービスを事前に起動してください。JP1/AJS2のログファイル監視ジョブは,JP1/Baseのログファイルトラップ機能を使って実行されます。

ログファイル監視ジョブの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」を参照してください。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.