COBOL2002 操作ガイド

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17.2.7 ユーザ資産の移行

64bit版PC(x64) COBOL2002でのユーザ資産の移行について,説明します。

<この項の構成>
(1) プロジェクトマスタファイルの移行
(2) プロジェクトの移行
(3) ファイルの移行
(4) コンパイラオプションの移行

(1) プロジェクトマスタファイルの移行

プロジェクトマスタファイルとプロジェクトマスタファイルに登録されている情報の移行について説明します。

(2) プロジェクトの移行

64bit版PC(x64) COBOL2002で開いたプロジェクトマスタファイル中に,使用できない機能を含んだプロジェクト種別が含まれていた場合,プロジェクト種別部分は不確定(プロジェクト種別の設定がない状態)のプロジェクトになります。

また,COBOL85 Version 6,Version 7,32bit版PC(x86) COBOL2002でエクスポートしたプロジェクト情報ファイル(.hmp)に,使用できない機能を含むプロジェクト種別が含まれていた場合,プロジェクト種別部分は不確定のプロジェクトになります。

プロジェクトの移行を次に示します。

表17-14 プロジェクトの移行

プロジェクトで指定するオプション 移行時の扱い
-Dll指定
(DLLを作成する)
移行できる。ただし,64bit版PC(x64) COBOL2002用の生成物を作成するプロジェクトとして動作する。
Dllの属性をstdcallまたはcdeclにする-Dll指定 読み込み時に警告1を表示する。設定は解除される。
OLEアウトオブプロセスサーバプログラム
(コンパイル時サーバ登録を行う指定を含む)
読み込み時に警告1を表示する。設定は解除され,不確定のプロジェクトとなる。
OLEインプロセスサーバプログラム
(コンパイル時サーバ登録を行う指定を含む)
CGIメインプログラム
GUIプログラム 読み込み時に警告2を表示する。設定は解除され,不確定のプロジェクトとなる。

注※1
次のメッセージを表示します。
「このシステムでは使用できないオプションです。設定を無視します。」

注※2
次のメッセージを表示します。
「必要な連携機能または,プログラムプロダクトがインストールされていないか,未サポート等により認識できません。
以下のオプションは無効です。」

使用できない機能を含むプロジェクト種別としては,「17.2.5 作成できるプログラムの相違」に記載しているもののほかに,COBOL85 Version 6,Version 7で作成した,次のプロジェクト種別があります。

使用できない機能を含んだプロジェクトマスタの移行例を次に示します。

図17-1 使用できない機能を含むプロジェクトのプロジェクトマスタの移行例

[図データ]

使用できない機能を含むプロジェクトマスタは,64bit版PC(x64) COBOL2002で開かれた場合,不確定のプロジェクト(プロジェクト種別が選択されていない状態)になります。多くの場合,このプロジェクトマスタを使用することは難しいですが,次の対応によって利用できるものもあります。その際には,移行前のプロジェクトファイルを退避してから再利用してください。

DLLを作成するプロジェクトについては,呼び出し規約のサブオプションが無効になりますが,特に変更操作をすることなく移行できます。

(3) ファイルの移行

64bit版PC(x64) COBOL2002で使用できないファイルの移行について説明します。使用できないファイル種別については,「17.2.3 操作できるファイルの扱いの相違」を参照してください。

64bit版PC(x64) COBOL2002 開発マネージャへの移行時の扱いを次に示します。

表17-15 64bit版PC(x64) COBOL2002 開発マネージャへの移行時の扱い

ファイル種別 拡張子 移行時の扱い
HTMLファイル1 .html,
.htm
CGIプロジェクトに依存するため,読み込み時に警告※2を表示し,構成を変更して,一般ファイルとして扱う。
stdcall呼び出し指示ファイル .cbw 読み込み時にエラーメッセージ※3を表示し,プロジェクトから削除対象となる。
OLE定義ファイル .odf OLEのプロジェクトに依存するため,読み込み時に警告※2を表示し,構成を変更して,一般ファイルとして扱う。
GUI定義ファイル .gcb 読み込み時に警告※4を表示し,構成を変更して,一般ファイルとして扱う。
ブラウズ情報ファイル .brd 読み込み時にエラーメッセージ※3を表示し,プロジェクトから削除対象となる。

注※1
HTMLファイルから生成されるCOBOLソースは,「その他ファイル」に登録されます。

注※2
次のエラーメッセージを表示します。
「このシステムでは使用できないファイルです。一般ファイルとして登録します。」

注※3
次のエラーメッセージを表示します。
「このシステムでは使用できないファイルです。ファイルをプロジェクトから削除します。」

注※4
移行の際には,「その他ファイル」に登録され,次のメッセージを表示します。
「必要な連携機能または,プログラムプロダクトがインストールされていないか,未サポート等により認識できないファイル種別です。一般ファイルとして登録します。」

(4) コンパイラオプションの移行

64bit版PC(x64) COBOL2002で開いたプロジェクトマスタ中に,使用できないコンパイラオプションがある場合は次のように扱います。

コンパイラオプションの移行について次に示します。

表17-16 コンパイラオプションの移行

プロジェクト設定の分類 コンパイラオプション 移行時の扱い
製品連携 -IsamExtend
(Btrieve(Pervasive.SQL)による索引編成ファイルを使用する)
読み込み時にエラーメッセージを表示し,設定は解除する。
-IsamExtend,Zone
(Btrieve(Pervasive.SQL)による索引編成ファイルを使用する場合,レコードキーに外部10進項目が指定されたときに,外部10進属性として処理する)
-XMAP
(XMAP3を使用する)
-XMAP,LinePrint
(書式印刷機能を使用する)
リンク -StdCall
(stdcall呼び出し指示ファイルを有効にする)
-StdCallFile
(stdcall呼び出し規約の指示ファイルを指定する)
移行 -CompatiM7
(MIOS7 COBOL85との互換機能を有効にする)

注※
次のメッセージを表示します。
「このシステムでは使用できないオプションです。設定を無視します。」

ただし,関連製品がインストールされていないなどの場合,非表示となるオプションは次のメッセージを表示して無効とします。

なお,表示されるオプションに,開発マネージャ内部で使用しているオプション名称が表示されることがあります。表示された場合には,製品のインストール状況やオプションのサポート状況を確認してください。

使用できないオプションについては,「17.2.6 プロジェクト設定の相違」の「(3) 64bit版PC(x64) COBOL2002では使用できないコンパイラオプション」を参照してください。