COBOL2002 操作ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

9.2.9 テストデバッグのための設定

テストデバッグをするための設定について説明します。

<この項の構成>
(1) テストデバッグ対象とする実行可能ファイルとDLLファイルの変更
(2) テストデバッガの初期化
(3) 入力する文字の扱い(等価規則)
(4) TDコマンド格納ファイルの読み込み
(5) テスト結果の出力

(1) テストデバッグ対象とする実行可能ファイルとDLLファイルの変更

[テストデバッガの制御]メニューから[テストデバッグ対象の設定]を選ぶと,テストデバッガを終了させないで,テストデバッグ対象とする実行可能ファイルとDLLファイルを変更できます。変更時には,プログラムの実行を終了させておく必要があります。

詳細については,「10.4 テストデバッグ対象とする実行可能ファイルとDLLファイルの変更」を参照してください。

注意事項
実行可能ファイルとDLLファイルを変更した結果,元と同じファイルとなった場合でも,初期化の対象とならない機能を除いて,テストデバッガの設定は初期化されます。

(2) テストデバッガの初期化

[テストデバッガの制御]メニューから[初期化]を選ぶと,テストデバッガで設定した次の機能を解除できます。プログラムが実行中の場合は,プログラムを終了させます。詳細については,「10.5 テストデバッグ機能の初期化」を参照してください。

表9-8 初期化できるテストデバッガの機能一覧

機能 初期化状態
中断点 解除
データ監視条件 解除
トレース表示 解除
フロー情報の蓄積 解除
すべてのシミュレーションの設定 解除
ユーザパラメタ 解除(オプションダイアログだけ)
ソーステキストウィンドウ 閉じる
ソーステキストウィンドウの,実行済みの文の「*」マーク 解除
常時データ表示ウィンドウのデータ 解除
オプションの「モニタウィンドウの表示内容をファイルに出力する」 解除
アニメーション抑止 解除
データ監視条件設定ダイアログボックスで設定したときに生成される監視識別子 解除

(3) 入力する文字の扱い等価規則

[ツール]メニューから[オプション]を選ぶか,または#OPTIONコマンドで,入力する文字の扱い(等価規則)を変更できます。詳細については,「10.18 テストデバッグのオプション設定」,または「12.4 TDコマンドの詳細」の「(36) #OPTION(オプションの変更)」を参照してください。

TDコマンドに使用される文字コードでは,英数字文字は1バイトの標準コードに,拡張文字は2バイトの拡張コードになります。標準コードの文字を英数字文字(例えば大文字Aと小文字a)と呼び,拡張コードの文字を拡張文字(例えば大文字Aと小文字a)と呼びます。

英大文字と英小文字,英数字文字と拡張文字を,同じに扱うか区別するかの規則が等価規則です。等価規則の指定がない場合は,同じ文字を表す英大文字と英小文字,英数字文字と拡張文字は同じものとして扱われます。例えば,次に示す,すべての形でコマンドが実行できます。このとき,データ名はすべて英数字文字の大文字ABCとして扱われます。

使用例1
#OPTION NOCASEを指定した場合は,次の指定はすべて同じ結果となります。
 
DISPLAY DATA(ABC)
display data(abc)
DISPLAY DATA(ABC)
 

使用例2
TDコマンドのオペランド#PROGRAMの#は必ず英数字文字で記述します。
データ名 #DATA@01は,拡張文字の#が使用できます。
 
DISPLAY DATA(#PROGRAM(P/P) #DATA@01)
 

等価規則は,次の入力に適用されます。また,アポストロフィ(')やダブルコーテーション(")で囲まれた文字列は,等価規則の対象となりません。

(4) TDコマンド格納ファイルの読み込み

[テストデバッガの制御]メニューから[TDコマンド格納ファイルの入力]を選ぶか,#INCLUDEコマンドで,ファイルに格納したTDコマンドを入力し,実行させることができます。シミュレーション手続きなど,テストデバッグのたびに使用する手続きをTDコマンドで記述しファイルに保存することによって,繰り返し実行できます。

詳細については,「10.6 TDコマンド格納ファイルの入力」,または「12.4 TDコマンドの詳細」の「(35) #INCLUDE(TDコマンド格納ファイルの取り込み)」を参照してください。

TDコマンド格納ファイルは,利用者がテキストエディタによって作成できます。また,-TestCmd,Full,-TestCmd,Break,-TestCmd,Simコンパイラオプションを指定してコンパイルすることによって自動生成し,必要に応じてTDコマンドの修正や追加をすることで作成できます。

コンパイラが自動生成するTDコマンド格納ファイルについては,「16. TDコマンド生成機能」を参照してください。

(5) テスト結果の出力

(a) 結果出力先の指定

[ツール]メニューから[オプション]を選ぶか,SET PRINTコマンド,RESET PRINTコマンド,SET LOGコマンド,またはRESET LOGコマンドで,結果出力の出力先を変更できます。GUIモードでは,モニタウィンドウへ表示する結果を,ファイルへ出力できます。バッチモードでは,結果出力ファイル以外のファイルへ出力先を変更できます。詳細については,「10.18 テストデバッグのオプション設定」または「12.4 TDコマンドの詳細」の「(22) SET PRINT/RESET PRINT(テスト結果蓄積先の設定と解除)」,「(21) SET LOG/RESET LOG(モニタウィンドウ表示内容のファイル出力の設定と解除)」を参照してください。

(b) 注釈の表示

DISPLAY COMMENTコマンドで,任意の文字列をテスト結果に表示できます。テスト結果に説明を追加することによって,わかりやすくできます。詳細については,「12.4 TDコマンドの詳細」の「(7) DISPLAY COMMENT(注釈の表示)」を参照してください。