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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


22.1.2 バックアップの取得方法とデータベースの回復方法(Azure環境の場合)

Azure環境でデータベースのバックアップを取得する手順,およびバックアップを使用したデータベースの回復手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) バックアップの取得方法(Azure環境の場合)

Azure環境でデータベースのバックアップを取得する手順を説明します。

メモ

バックアップを取得する前に,「10.3.1 バックアップの取得方法」の「(1) バックアップを取得するタイミング」を参照して,バックアップ取得時の留意事項を確認してください。

手順

  1. HADBサーバの稼働モードを静止モードに変更する

    adbchgsrvmode --quiescence
  2. バックアップを取得する

    次の表に示すファイルとDBエリアのデータを格納しているBLOBのバックアップを取得してください。

    表22‒2 バックアップを取得するファイルおよびBLOB

    格納先のストレージ種別

    バックアップを取得するファイルおよびBLOB

    マネージドディスク

    コマンド用ステータスファイル

    $DBDIR/ADBSYS/ADBUTLに格納されているファイル

    システムログファイル

    $DBDIR/ADBSYS/ADBSLGに格納されているファイル

    ステータスファイル

    $DBDIR/ADBSYS/ADBSTS/ADBSTS

    Azure Blob Storage

    マスタディレクトリ用DBエリア

    コンテナー内の全BLOB

    ディクショナリ用DBエリア

    システム表用DBエリア

    データ用DBエリア

    マネージドディスク内のファイルのバックアップを取得する場合

    次のどちらかの方法でバックアップを取得します。

    • バックアップ対象ファイルが格納されているすべてのマネージドディスクのスナップショットを取得する

      マネージドディスクのスナップショットを取得する方法については,Azureのドキュメントの仮想ハードディスクのスナップショットを作成するを参照してください。

    • バックアップ対象ファイルをコピーする

      ファイルをコピーする場合は,スパースファイルにしないでください。

    重要

    バックアップ対象ファイルがシンボリックリンクの場合,リンク先のファイルのバックアップを取得してください。

    Azure Blob Storage内のBLOBのバックアップを取得する場合

    BLOBのバックアップを取得する場合は,Azureが提供している機能のAzure Backupまたはオブジェクトのレプリケーションを使用してください。

    • Azure Backupを使用してバックアップを取得する場合

      Azure Blob Storage用のAzure Backupを使用して,コンテナー内の全BLOBのバックアップを取得してください。Azure Backupの使用方法については,AzureのドキュメントのAzure Backupを使用してAzure BLOBのバックアップを構成および管理するを参照してください。

    • オブジェクトのレプリケーションを使用してバックアップを取得する場合

      オブジェクトのレプリケーションを使用して,コンテナー内の全BLOBのコピーを取得してください。オブジェクトのレプリケーションの使用方法については,AzureのドキュメントのブロックBLOBのオブジェクトレプリケーションを参照してください。

  3. HADBサーバの稼働モードを元に戻す

    adbchgsrvmode --normal

    1.で変更した稼働モードを元に戻します。上記は,稼働モードを通常モードに戻す場合の例です。

(2) データベースの回復方法(Azure環境の場合)

Azure環境でバックアップを使用したデータベースの回復手順を説明します。

メモ

データベースの回復をする前に,「10.3.2 バックアップからの回復方法」の内容も確認してください。

手順

  1. HADBサーバを正常終了する

    adbstop
  2. バックアップを使用してデータベースを回復する

    マネージドディスク内のファイルと,コンテナー内のBLOBを回復してください。

    マネージドディスク内のファイルを回復する場合

    • スナップショットでバックアップを取得した場合

      スナップショットを使用してマネージドディスクを復元してください。復元方法については,AzureのドキュメントのAzureマネージドディスクを復元するを参照してください。

    • バックアップ対象ファイルをコピーした場合

      コピーしたファイルを元の位置に戻してください。

    Azure Blob Storage内のBLOBを回復する場合

    • Azure Backupでバックアップを取得した場合

      コンテナー内の全BLOBを削除して,コンテナーを空にしてください。

      次に,Azure Backupで取得したバックアップを使用して,BLOBを復元してください。復元方法については,AzureのドキュメントのAzureのBLOBを復元するを参照してください。

    • オブジェクトのレプリケーションを使用してバックアップを取得した場合

      オブジェクトのレプリケーションでコピーしたBLOBの格納先のストレージアカウント名とコンテナー名を,サーバ定義のadb_sys_cld_az_storage_accountオペランドとadb_sys_cld_az_containerオペランドに指定してください。

  3. HADBサーバを開始する

    adbstart
  4. HADBサーバの稼働モードを変更する

    HADBサーバの稼働モードを静止モードにした状態でバックアップを取得した場合,データベースを回復したあとにHADBサーバを開始すると,HADBサーバの稼働モードは静止モードになります。この場合,必要に応じてadbchgsrvmodeコマンドを実行し,HADBサーバの稼働モードをデータベースを回復する前の状態に戻してください。

    adbchgsrvmode --normal

    上記は,稼働モードを通常モードに戻す場合の例です。

メモ

データベースを回復した直後のHADBサーバの開始後の場合,キャッシュファイルの再利用はできません。