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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


21.4.3 移行前の準備作業

移行前の準備作業について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 全HADBユーザの情報の取得

移行後のシステムで全HADBユーザを再作成するため,全HADBユーザの認可識別子と持っている権限の情報を取得しておいてください。取得方法については,「17.2.2 全HADBユーザの情報の取得」を参照してください。

(2) 表およびインデクスの定義情報の取得

移行後のシステムで表およびインデクスを再定義するため,表およびインデクスの定義情報と,表に対するアクセス権限の情報などを取得しておいてください。取得方法については,「17.2.4 表およびインデクスの定義情報の取得」を参照してください。

データ用DBエリアの一覧が必要な場合は,DBA権限を持っているHADBユーザで次のSELECT文を実行し,ディクショナリ表を検索してください。

SELECT "DBAREA_NAME" FROM "MASTER"."SQL_DBAREAS"

(3) 表のデータのエクスポート

移行後のシステムで表およびインデクスを再定義したあとに,表のデータをインポートするため,すべての表のデータをエクスポートしておいてください。エクスポート方法については,「17.2.5 表のデータのエクスポート」を参照してください。

(4) 監査証跡機能に関する情報の取得

監査証跡機能を使用している場合,移行後のシステムで監査証跡機能の環境設定を行うため,監査証跡機能に関する情報を取得しておいてください。取得方法については,「17.2.6 監査証跡機能,同義語検索に関する情報の取得」を参照してください。

(5) バックアップの取得

移行作業の手順を間違えると,データベースの状態が移行前とは異なってしまうおそれがあります。そのため,データベースのフルバックアップを取得しておいてください。バックアップの取得方法については,「22.1.1 バックアップの取得方法とデータベースの回復方法(AWS環境の場合)」を参照してください。

移行作業の手順を間違えた場合,バックアップからデータベースを回復し,移行前の状態に戻してください。

取得したバックアップは,移行作業後のシステムの動作確認が完了したあとに削除してください。

(6) HADBサーバのバージョンアップ

移行後のシステムでバージョンアップしたHADBサーバを使用したい場合は,この時点でHADBサーバをバージョンアップしてください。バージョンアップの手順については,「8.6 HADBサーバのバージョンアップ」を参照してください。

(7) HADBサーバの正常終了

移行前にHADBサーバを正常終了してください。

HADBサーバがすでに終了している場合は,次に示す2点を確認して,HADBサーバが正常終了していることを確認してください。

  1. adbls -d srvコマンドの出力項目「STATUS」の表示がSTOPになっているかどうか

  2. メッセージログファイルまたはsyslogに出力されているKFAA91154-Iメッセージの終了モードが,normally(正常終了)になっているかどうか

HADBサーバが正常終了していない場合は,adbstartコマンドを実行してHADBサーバを開始したあとに,adbstopコマンドを実行して正常終了させてください。