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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


19.2.4 ストレージ構成

コールドスタンバイ構成の場合,次のファイルシステムおよびディスクを準備してください。

なお,一部のファイルシステムおよびディスクでは,実行系と待機系でディスクを識別するためのデバイス名が必要になります。サーバとストレージ間がシングルパス構成の場合は,WWNの使用を推奨します。サーバとストレージのパスを冗長化する場合は,冗長化の方法によってデバイス名が異なります。「図19‒1 コールドスタンバイ構成でのシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」の場合の,デバイス名の例を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 系ローカルのファイルシステム

系ローカルのファイルシステムには,次のディレクトリを配置します。

図19‒1 コールドスタンバイ構成でのシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」の場合,LOC001およびLOC002が系ローカルのファイルシステムになります。

(2) 系切り替え対象のファイルシステム

次に示すファイルシステムを系切り替え対象にします。

系切り替え対象のファイルシステムは,実行系と待機系から参照できるディスク(共有ディスク)から構成されるVG内のLV上に作成してください。共有ディスクについては,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編共有ディスクの構成を参照してください。

メモ

DBディレクトリの作成については,「19.3.7 データベースの作成」を参照してください。

図19‒1 コールドスタンバイ構成でのシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」の場合,FS001FS004が系切り替え対象のファイルシステムになります。

重要

共有ディスクのSCSIリザーブを使用する場合,系切り替え対象のファイルシステムを作成したディスクは,SCSIリザーブの対象としてください。また,SCSIリザーブの対象としたディスクには,系切り替え対象のファイルシステム以外の領域を作成しないでください。

(3) 共有のファイルシステム

共有のファイルシステムには,次のファイルシステムを配置します。

共有のファイルシステムは,実行系と待機系から参照できるディスク(共有ディスク)上に構築し,実行系と待機系で同一パスのディレクトリにマウントしてください。共有ディスクについては,マニュアルHAモニタ Linux(R)(x86)編共有ディスクの構成を参照してください。

図19‒1 コールドスタンバイ構成でのシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」の場合,FS005が共有のファイルシステムになります。

共有のファイルシステムは,分散ファイルシステムの一つであるNFSなどを用いて構築できます。

(4) DBエリアファイル用のディスク

DBエリアファイルごとにディスクを用意します。

次のDBエリアファイルには,ブロックスペシャルファイルを割り当ててください。

また,次のDBエリアファイルに対応するディスクは,実行系と待機系から参照できる必要があります。

重要

共有ディスクのSCSIリザーブを使用する場合,上記のDBエリアファイル用のディスクは,SCSIリザーブの対象としてください。

図19‒1 コールドスタンバイ構成でのシステム構成例(オンプレミス環境の場合)」の場合,LU001LU005およびWRK001がDBエリアファイル用のディスクになります。