Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


19.3.7 データベースの作成

コールドスタンバイ構成の場合のデータベースの作成手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) データベース作成の手順

データベースの作成手順の流れを次に示します。

  1. 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムを構築する

  2. 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムをマウントする

  3. 〔実行系での作業〕データベースを作成する

  4. 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムをアンマウントする

  5. 〔待機系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムをマウントする

  6. 〔待機系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムをアンマウントする

  7. 〔実行系での作業〕作業用一時ファイルを格納するファイルシステムを構築する

  8. 〔実行系・待機系での作業〕作業用一時ファイルを格納するファイルシステムをマウントおよびアンマウントする

  9. 〔実行系での作業〕同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムを構築する※1

  10. 〔実行系・待機系での作業〕同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムをマウントおよびアンマウントする※1

  11. 〔実行系での作業〕監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムを構築する※2

  12. 〔実行系・待機系での作業〕監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムをマウントおよびアンマウントする※2

  13. 〔実行系での作業〕共有するファイルシステムを構築する

  14. 〔実行系・待機系での作業〕ファイルシステムを共有化する

注※1

同義語検索をする場合に必要な作業です。

注※2

監査証跡機能を使用する場合に必要な作業です。

(2) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムの構築

この手順は,スーパユーザで実施してください。

OSのコマンドを実行系で実行し,DBディレクトリ用のファイルシステムを構築します。

DBディレクトリ用のLVとして作成した/dev/vg_hadb01/hadb_dbを,ext4のファイルシステムで構築する場合の実行例を次に示します。

■コマンドの実行例
mkfs -t ext4 /dev/vg_hadb01/hadb_db

(3) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのマウント

この手順は,スーパユーザで実施してください。

次に示す手順に従って,実行系でDBディレクトリ用のファイルシステムをマウントします。

手順

  1. DBディレクトリ用のマウントポイントを作成する

    OSのコマンドを実行し,DBディレクトリ用のマウントポイントを作成します。

    ■コマンドの実行例

    mkdir -p /HADB/db
  2. DBディレクトリ用のファイルシステムがあるVGを活性化する

    OSのコマンドを実行し,DBディレクトリ用のファイルシステムがあるVGを活性化します。

    ■コマンドの実行例

    vgchange -a y /dev/vg_hadb01
  3. DBディレクトリ用ファイルシステムをマウントする

    OSのコマンドを実行し,DBディレクトリ用ファイルシステムをマウントします。

    ■コマンドの実行例

    mount /dev/vg_hadb01/hadb_db /HADB/db -t ext4 -o defaults,noatime,_netdev
  4. DBディレクトリのオーナーを変更する

    OSのコマンドを実行し,DBディレクトリのオーナーを変更します。DBディレクトリを使用するHADB管理者(OSユーザ)とHADB管理グループを指定してください。

    HADB管理者(OSユーザ)のユーザ名がadbmanager,HADB管理グループがadbgroupの場合の実行例を次に示します。

    ■コマンドの実行例

    chown adbmanager.adbgroup /HADB/db

(4) 〔実行系での作業〕データベースの作成

この手順は,HADB管理者で実施してください。

次に示す手順に従って,実行系でデータベースを作成します。

手順

  1. DBディレクトリ用のマウントポイントに,DBディレクトリ用のファイルシステムがマウントされていることを確認する

  2. adbinitコマンドを実行し,データベースを作成する

    adbinitコマンドの初期設定オプションの指定例を次に示します。

    ■初期設定オプションの指定例(シングルパス構成の場合)

    set adb_init_dbarea_initialize = Y
    set adb_init_wrk_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e8010205850051104c50000000d
    set adb_init_mst_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e8010205850051104c50000000e
    set adb_init_dic_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e8010205850051104c50000000f
    set adb_init_stbl_blk_path = /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e8010205850051104c500000010
    adbinitdbarea -n ADBUTBL01 -i 2G \
                  -v /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e8010205850051104c500000011
    adbinitdbarea -n ADBUIDX01 -i 2G \
                  -v /dev/disk/by-id/wwn-0x60060e8010205850051104c500000013

    ■初期設定オプションの指定例(マルチパスソフトウェア(DMMP)による冗長化構成の場合)

    set adb_init_dbarea_initialize = Y
    set adb_init_wrk_blk_path = /dev/mapper/mpath16
    set adb_init_mst_blk_path = /dev/mapper/mpath12
    set adb_init_dic_blk_path = /dev/mapper/mpath11
    set adb_init_stbl_blk_path = /dev/mapper/mpath13
    adbinitdbarea -n ADBUTBL01 -i 2G \
                  -v /dev/mapper/mpath14
    adbinitdbarea -n ADBUIDX01 -i 2G \
                  -v /dev/mapper/mpath15

(5) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのアンマウント

この手順は,スーパユーザで実施してください。

次に示す手順に従って,実行系でDBディレクトリ用のファイルシステムをアンマウントします。

手順

  1. DBディレクトリ用ファイルシステムをアンマウントする

    OSのコマンドを実行し,DBディレクトリ用ファイルシステムをアンマウントします。

    ■コマンドの実行例

    umount /dev/vg_hadb01/hadb_db
  2. DBディレクトリ用のファイルシステムがあるVGを非活性化する

    OSのコマンドを実行系で実行し,DBディレクトリ用のファイルシステムがあるVGを非活性化します。

    ■コマンドの実行例

    vgchange -a n /dev/vg_hadb01

(6) 〔待機系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのマウント

この手順は,スーパユーザで実施してください。

実行系と同様に,待機系でDBディレクトリ用のファイルシステムをマウントします。実行系と同じパスになるようにマウントポイントを作成してください。

ファイルシステムをマウントする方法については,「(3) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのマウント」を参照してください。

重要

待機系では,DBディレクトリ用のファイルシステムのマウントポイントを作成するだけで,adbinitコマンドは実行しません。

(7) 〔待機系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのアンマウント

この手順は,スーパユーザで実施してください。

実行系と同様に,待機系でDBディレクトリ用のファイルシステムをアンマウントします。

ファイルシステムをアンマウントする方法については,「(5) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのアンマウント」を参照してください。

(8) 〔実行系での作業〕作業用一時ファイルを格納するファイルシステムの構築

この手順は,スーパユーザで実施してください。

OSのコマンドを実行系で実行し,作業用一時ファイルを格納するファイルシステムを構築します。

作業用一時ファイルを格納するLVとして作成した/dev/vg_hadb02/hadb_workareaを,ext4のファイルシステムで構築する場合の実行例を次に示します。

■コマンドの実行例
mkfs -t ext4 /dev/vg_hadb02/hadb_workarea
メモ

作業用一時ファイルを格納するファイルシステムを系切り替え対象としない場合は,実行系と待機系のそれぞれのローカルのファイルシステム上に作業用一時ファイルの格納先を用意してください。

(9) 〔実行系・待機系での作業〕作業用一時ファイルを格納するファイルシステムのマウントおよびアンマウント

この手順は,スーパユーザで実施してください。

実行系で作業用一時ファイルを格納するファイルシステムをマウントしたあと,アンマウントします。

待機系でも同様に,作業用一時ファイルを格納するファイルシステムをマウントしたあと,アンマウントします。

実行系と待機系で同じパスになるように,マウントポイントを作成してください。

ファイルシステムをマウントする方法については,「(3) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのマウント」を参照してください。ファイルシステムをアンマウントする方法については,「(5) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのアンマウント」を参照してください。

メモ

作業用一時ファイルを格納するファイルシステムを系切り替え対象としない場合は,作業用一時ファイルを格納するファイルシステムのマウントおよびアンマウントを実施する必要はありません。

(10) 〔実行系での作業〕同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムの構築

同義語検索をする場合は,この手順を実施する必要があります。

この手順は,スーパユーザで実施してください。

OSのコマンドを実行系で実行し,同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムを構築します。

同義語辞書ファイルを格納するLVとして作成した/dev/vg_hadb03/hadb_syndictを,ext4のファイルシステムで構築する場合の実行例を次に示します。

■コマンドの実行例
mkfs -t ext4 /dev/vg_hadb03/hadb_syndict

(11) 〔実行系・待機系での作業〕同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムのマウントおよびアンマウント

同義語検索をする場合は,この手順を実施する必要があります。

この手順は,スーパユーザで実施してください。

実行系で同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムをマウントしたあと,アンマウントします。

待機系でも同様に,同義語辞書ファイルを格納するファイルシステムをマウントしたあと,アンマウントします。

実行系と待機系で同じパスになるように,マウントポイントを作成してください。

ファイルシステムをマウントする方法については,「(3) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのマウント」を参照してください。ファイルシステムをアンマウントする方法については,「(5) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのアンマウント」を参照してください。

(12) 〔実行系での作業〕監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムの構築

監査証跡機能を使用する場合は,この手順を実施する必要があります。

この手順は,スーパユーザで実施してください。

OSのコマンドを実行系で実行し,監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムを構築します。

監査証跡ファイルを出力するLVとして作成した/dev/vg_hadb04/hadb_auditを,ext4のファイルシステムで構築する場合の実行例を次に示します。

■コマンドの実行例
mkfs -t ext4 /dev/vg_hadb04/hadb_audit

(13) 〔実行系・待機系での作業〕監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムのマウントおよびアンマウント

監査証跡機能を使用する場合は,この手順を実施する必要があります。

この手順は,スーパユーザで実施してください。

実行系で,監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムをマウントしたあとに,アンマウントします。

待機系でも同様に,監査証跡の出力先ディレクトリを作成するファイルシステムをマウントしたあとに,アンマウントします。

実行系と待機系で同じパスになるように,マウントポイントを作成してください。

ファイルシステムをマウントする方法については,「(3) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのマウント」を参照してください。ファイルシステムをアンマウントする方法については,「(5) 〔実行系での作業〕DBディレクトリ用のファイルシステムのアンマウント」を参照してください。

(14) 〔実行系での作業〕共有するファイルシステムの構築

この手順は,スーパユーザで実施してください。

実行系と待機系で,次に示すファイルシステムを共有します。

これらのファイルシステムを構築します。

(15) 〔実行系・待機系での作業〕ファイルシステムの共有化

(14) 〔実行系での作業〕共有するファイルシステムの構築」で構築したファイルシステムを,実行系と待機系で共有します。

NFSを用いて共有する手順の例を示します。この手順は,スーパユーザで実施してください。

手順

  1. NFSサーバを用意し,実行系と待機系で共有したいディレクトリをエクスポートする

  2. 実行系と待機系で同じパスになるように,手順1.でエクスポートしたディレクトリをマウントする