10.4.4 メッセージログファイルの縮退状態
メッセージログファイルを格納しているディスクの空き容量が少なくなったことをHADBサーバが検知した場合,ディスクの空き容量に応じて出力可能な範囲でメッセージログを出力します。この状態をメッセージログファイルの縮退状態といいます。
メッセージログファイルが縮退状態になった場合,メッセージの出力先が次のメッセージログファイルに切り替わります。このとき,切り替え先のメッセージログファイル中のメッセージが削除されます。メッセージログファイルの切り替えが完了したあとに,警告メッセージKFAA40025-Wが切り替え先のメッセージログファイルとsyslogに出力されます。ただし,Windows版のHADBクライアントのメッセージログファイルが縮退状態になった場合は,HADBクライアントのメッセージログファイルにだけKFAA40025-Wメッセージが出力されます。
なお,HADBクライアントでSQL文を実行した延長で,HADBサーバのサーバメッセージログファイルが縮退状態になった場合は,HADBクライアントのメッセージログファイルにもKFAA40025-Wメッセージが出力されます。
- メモ
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強制的にメッセージログファイルを切り替える処理は,縮退状態になったときに一度だけ行われます。KFAA40025-Wメッセージも,縮退状態になったときに1回だけ出力されます。メッセージログファイルが縮退状態の間は,切り替え先のメッセージログファイルにメッセージを出力できる場合は出力しますが,出力できない場合はメッセージを出力しません。切り替え先のメッセージログファイルの容量が環境変数ADBMSGLOGSIZEで指定したサイズになった場合,それ以上メッセージは出力されません。
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メッセージログファイルが縮退状態となりメッセージログファイルが切り替わっても,切り替え前のメッセージログファイルにKFAA80099-Iメッセージ(メッセージログファイルの出力先が変わったときに出力されるメッセージ)は出力されません。
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メッセージログファイルを格納しているディスクの空き容量が,環境変数ADBMSGLOGSIZEの指定値×2以上になったときにSQL文またはコマンドが実行されると,メッセージログファイルは自動的に正常状態に戻ります。その後,メッセージログファイルを格納しているディスクの空き容量が少なくなったことをHADBサーバが再度検知した場合は,メッセージログファイルは再度縮退状態になります。
- メモ
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環境変数ADBMSGLOGSIZEには,1つのメッセージログファイルの最大容量をメガバイト単位で指定します。ADBMSGLOGSIZEの指定を省略した場合は,1つのメッセージログファイルの最大容量は16メガバイトになります。
- HADBサーバのメッセージログファイルが縮退状態かどうかをコマンドで確認する方法
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adbls -d srvコマンドを実行すると,HADBサーバのメッセージログファイルが縮退状態かどうかを確認できます。実行結果のMSGLOG_STATUS欄を確認します。
(例)
adbls -d srv SVID STATUS START_TIME MSGLOG_STATUS 5360 ACTIVE 2017/02/02 09:31:04 FALLBACK
MSGLOG_STATUS欄にFALLBACKが表示されている場合は,HADBサーバのメッセージログファイルは縮退状態になっています。正常な状態の場合は,NORMALが表示されます。
メッセージログファイルの縮退状態を解除する方法については,「16.16.1 メッセージログファイルの縮退状態を解除する方法」を参照してください。