8.8.3 修正版HADBオプションに入れ替える手順
「8.8.1 修正版HADBサーバとの入れ替え前に実施すること」で説明していることを実施したあとに,ここで説明している手順に従って修正版HADBオプションに入れ替えてください。
- 重要
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修正版HADBオプションとの入れ替え作業をする前に,修正版HADBオプションのバージョンに対応する修正版HADBサーバの入れ替え作業を完了しておく必要があります。修正版HADBオプションのインストール時に,修正版HADBオプションと修正版HADBサーバのバージョンが対応しているかどうかのチェックが実行されます。バージョンが対応していない場合は,KFAA91581-Eメッセージが出力されて修正版HADBオプションのインストールがエラーになります。
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修正版HADBオプションとの入れ替え作業は,HADBサーバを終了したあとに実施してください。
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修正版HADBオプションとの入れ替え作業中にrootのパスワードの入力が必要になるため,rootのパスワードを事前に設定しておいてください。
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インストールデータに関する注意事項があります。修正版HADBオプションとの入れ替え作業をする前に,「8.2 インストール」の注意事項を参照してください。
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- 〈この項の構成〉
(1) 修正版HADBオプションに入れ替える前に実施する作業
/usr/local/lib64ディレクトリがあるかどうかを確認してください。
- ■/usr/local/lib64ディレクトリがない場合
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rootで/usr/local/lib64ディレクトリを作成してください。
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HADB管理者に対して,/usr/local/lib64ディレクトリに対する読み取り権限と実行権限を付与してください。
ただし,HADB管理者がrootのときは作業不要です。
rootで次のコマンドを実行してください。
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HADB管理者がその他のOSユーザの場合(HADB管理者がrootではない場合またはrootグループに所属していない場合)
chmod o+rx /usr/local/lib64
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HADB管理者がrootグループに所属しているOSユーザの場合
chmod g+rx /usr/local/lib64
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- ■/usr/local/lib64ディレクトリがある場合
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ファイルのバックアップを取得してください。
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AWS環境の場合
次のファイルのバックアップを取得してください。ただし,次のファイルがないときは作業不要です。
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libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
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libaws-cpp-sdk-core.so
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Azure環境の場合
次のファイルのバックアップを取得してください。ただし,次のファイルがないときは作業不要です。
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libazure-storage-blobs.so
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libazure-storage-common.so
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libazure-identity.so
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libazure-core.so
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rootに対して,/usr/local/lib64ディレクトリへの読み取り権限,書き込み権限,および実行権限を付与してください。
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HADB管理者に対して,読み取り権限と実行権限を付与してください。
ただし,HADB管理者がrootのときは作業不要です。
rootで次のコマンドを実行してください。
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HADB管理者がその他のOSユーザの場合(HADB管理者がrootではない場合またはrootグループに所属していない場合)
chmod o+rx /usr/local/lib64
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HADB管理者がrootグループに所属しているOSユーザの場合
chmod g+rx /usr/local/lib64
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(2) 修正版HADBオプションに入れ替える手順(AWS環境の場合)
AWS環境で修正版HADBオプションに入れ替える手順について説明します。
手順
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HADB管理者のOSアカウントでOSにログインする
今まで使用していたHADB管理者のOSアカウントで,サーバマシンのOSにログインしてください。
- 重要
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HADB管理者のOSアカウントを変更しないでください。HADB管理者のOSアカウントを変更した場合,修正版HADBオプションとの入れ替えが正しくできないおそれがあります。
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インストールデータを格納するディレクトリを作成する
修正版HADBオプションのインストールデータを格納するディレクトリを作成します。
mkdir /home/adbmanager/install
上記の例では,インストールデータを格納するディレクトリとして/home/adbmanager/installを作成しています。
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インストールデータを格納するディレクトリに書き込み権限を付与する
インストールデータを格納するディレクトリ(この例では/home/adbmanager/install)に対して,HADB管理者が書き込みできるように書き込み権限を付与してください。
chmod 755 /home/adbmanager/install
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CD-ROMファイルシステムをマウントする
修正版HADBオプションのインストールデータが格納されているCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。
CD-ROMファイルシステムが自動マウントされていない場合,次のコマンドを実行してCD-ROMファイルシステムをマウントしてください。
mount /dev/cdrom /media
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
- 重要
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CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用の環境によっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。
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インストールデータをコピーする
マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されている次のファイルを,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリにコピーしてください。
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tar.gz形式のファイル
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル
cp /media/hitachi_advanced_data_binder_s3option-$VER.tar.gz /home/adbmanager/install ...a cp /media/adboptinstall /home/adbmanager/install ...b
[説明]
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tar.gz形式のファイル(AWS用の修正版HADBオプションのプログラムの圧縮ファイル)をコピーします。
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル(修正版HADBオプションのインストールコマンド)をコピーします。
上記の例では,すべてのファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしています。
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
$VERは,修正版HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
(例)05-09-/Aの場合 → $VERは「0509a-0」
- 重要
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上記の2つのファイルは,必ず同じディレクトリにコピーしてください。異なるディレクトリにコピーすると,修正版HADBオプションとの入れ替えが実行できません。
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コピーしたファイルが破損していないことを確認する
手順5.でコピーしたファイルが破損していないことを確認します。次のコマンドを実行してください。
cd /home/adbmanager/install sha256sum -c /media/adbhashfile_s3option_sha256.txt
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
ファイルが破損しているおそれがある(ファイルのハッシュ値が異なる)場合は,エラーを示すメッセージが出力されます。この場合,手順5.から作業をし直してください。
出力されるメッセージの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
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権限を付与する
HADB管理者がadboptinstallコマンド(修正版HADBオプションのインストールコマンド)を実行できるように,adboptinstallコマンドに対する読み取り権限と実行権限を付与してください。
また,tar.gz形式のファイルに対する読み取り権限も付与してください。
chmod 500 /home/adbmanager/install/adboptinstall chmod 400 /home/adbmanager/install/hitachi_advanced_data_binder_s3option-$VER.tar.gz
$VERは,修正版HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
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修正版HADBオプションをインストールする
adboptinstallコマンドを実行して,AWS用の修正版HADBオプションをインストールしてください。
/home/adbmanager/install/adboptinstall s3option
下線部分には,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリを指定します。
- 重要
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adboptinstallコマンドを実行すると,OSのsuコマンドを使用してAWS SDK for C++ライブラリもインストールされます。このとき,rootのパスワードの入力を要求するOSのメッセージが出力されます。メッセージに従いパスワードを入力してください。なお,OSのsuコマンドの実行に失敗するとadboptinstallコマンドのリターンコードは8となります。
なお,rootのパスワードが設定できない環境の場合,suコマンドが実行された際にrootのパスワードを入力できないため,adboptinstallコマンドによるAWS SDK for C++ライブラリのインストールができません。そのため,KFAA91585-Qメッセージ(AWS SDK for C++ライブラリのインストールを実行するかどうかを応答するメッセージ)が出力されたときは,nまたはN(インストールを実行しない)を応答してください。この場合,「8.2.4 HADBオプションのインストール手順」の「(4) AWS SDK for C++ライブラリのインストール手順」に示す手順に従って,AWS SDK for C++ライブラリを必ずインストールしてください。
- メモ
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KFAA91581-Eメッセージが出力されて,adboptinstallコマンドがエラーになった場合は,「8.2.4 HADBオプションのインストール手順」の「(6) インストールの操作中にKFAA91581-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。
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adboptinstallコマンドを実行した際にKFAA91558-Wメッセージ(警告メッセージ)が出力された場合は,「8.2.4 HADBオプションのインストール手順」の「(7) インストールの操作中にKFAA91558-Wメッセージが出力された場合」を参照してください。
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修正版HADBオプションが正常にインストールされたことを確認する(その1)
次のファイルが格納されていることを確認してください。
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$ADBDIR/lib/libadbcldstge-aws.so
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/usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-s3-crt.so
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/usr/local/lib64/libaws-cpp-sdk-core.so
下線部分は,サーバディレクトリのパス名です。
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修正版HADBオプションが正常にインストールされたことを確認する(その2)
サーバディレクトリ直下にadboptinst_s3option.logファイルが格納されていることを確認してください。
adboptinst_s3option.logファイルを開き,内容を確認してください。修正版HADBオプションが正常にインストールされている場合は,次のどちらかの情報が記載されています。
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P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr (yyyymmddhhmmss)
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P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr-/s (yyyymmddhhmmss)
P-aaaa-bbbbは,HADBサーバのPP形名を示しています。
vv-rrまたはvv-rr-/sは,HADBサーバのバージョンです。
yyyymmddhhmmssは,修正版HADBオプションのインストールの実行日と時刻です。
- メモ
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adboptinst_s3option.logファイルがすでにある状態のときにadboptinstallコマンドを実行すると,adboptinst_s3option.logファイルの内容が更新されます。また,adboptinstallコマンドを複数回実行した場合,最後に実行した日付と時刻が記載されます。
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adboptinstallコマンドのリターンコード(KFAA91552-Iメッセージに出力されるリターンコード)が0または4以外の場合,adboptinst_s3option.logファイルの内容は更新されません。
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HADBサーバを正常開始する
adbstartコマンドを実行して,HADBサーバを正常開始してください。
adbstart
HADBサーバが正常開始すると,修正版HADBオプションの入れ替えが完了します。
(3) 修正版HADBオプションに入れ替える手順(Azure環境の場合)
Azure環境で修正版HADBオプションに入れ替える手順について説明します。
手順
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HADB管理者のOSアカウントでOSにログインする
今まで使用していたHADB管理者のOSアカウントで,サーバマシンのOSにログインしてください。
- 重要
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HADB管理者のOSアカウントを変更しないでください。HADB管理者のOSアカウントを変更した場合,修正版HADBオプションとの入れ替えが正しくできないおそれがあります。
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インストールデータを格納するディレクトリを作成する
修正版HADBオプションのインストールデータを格納するディレクトリを作成します。
mkdir /home/adbmanager/install
上記の例では,インストールデータを格納するディレクトリとして/home/adbmanager/installを作成しています。
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インストールデータを格納するディレクトリに書き込み権限を付与する
インストールデータを格納するディレクトリ(この例では/home/adbmanager/install)に対して,HADB管理者が書き込みできるように書き込み権限を付与してください。
chmod 755 /home/adbmanager/install
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CD-ROMファイルシステムをマウントする
修正版HADBオプションのインストールデータが格納されているCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。
CD-ROMファイルシステムが自動マウントされていない場合,次のコマンドを実行してCD-ROMファイルシステムをマウントしてください。
mount /dev/cdrom /media
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
- 重要
-
CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用の環境によっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。
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インストールデータをコピーする
マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されている次のファイルを,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリにコピーしてください。
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tar.gz形式のファイル
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル
cp /media/hitachi_advanced_data_binder_azoption-$VER.tar.gz /home/adbmanager/install ...a cp /media/adboptinstall /home/adbmanager/install ...b
[説明]
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tar.gz形式のファイル(Azure用の修正版HADBオプションのプログラムの圧縮ファイル)をコピーします。
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adboptinstallコマンドの実行形式ファイル(修正版HADBオプションのインストールコマンド)をコピーします。
上記の例では,すべてのファイルを/home/adbmanager/installディレクトリ下にコピーしています。
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
$VERは,修正版HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
(例)05-09-/Aの場合 → $VERは「0509a-0」
- 重要
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上記の2つのファイルは,必ず同じディレクトリにコピーしてください。異なるディレクトリにコピーすると,修正版HADBオプションとの入れ替えが実行できません。
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コピーしたファイルが破損していないことを確認する
手順5.でコピーしたファイルが破損していないことを確認します。次のコマンドを実行してください。
cd /home/adbmanager/install sha256sum -c /media/adbhashfile_azoption_sha256.txt
下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。
ファイルが破損しているおそれがある(ファイルのハッシュ値が異なる)場合は,エラーを示すメッセージが出力されます。この場合,手順5.から作業をし直してください。
出力されるメッセージの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
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権限を付与する
HADB管理者がadboptinstallコマンド(修正版HADBオプションのインストールコマンド)を実行できるように,adboptinstallコマンドに対する読み取り権限と実行権限を付与してください。
また,tar.gz形式のファイルに対する読み取り権限も付与してください。
chmod 500 /home/adbmanager/install/adboptinstall chmod 400 /home/adbmanager/install/hitachi_advanced_data_binder_azoption-$VER.tar.gz
$VERは,修正版HADBオプションのバージョンとリリース番号です。
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修正版HADBオプションをインストールする
adboptinstallコマンドを実行して,Azure用の修正版HADBオプションをインストールしてください。
/home/adbmanager/install/adboptinstall azoption
下線部分には,手順2.で作成したインストールデータを格納するディレクトリを指定します。
- 重要
-
adboptinstallコマンドを実行すると,OSのsuコマンドを使用してAzure SDK for C++ライブラリもインストールされます。このとき,rootのパスワードの入力を要求するOSのメッセージが出力されます。メッセージに従いパスワードを入力してください。なお,OSのsuコマンドの実行に失敗するとadboptinstallコマンドのリターンコードは8となります。
なお,rootのパスワードが設定できない環境の場合,suコマンドが実行された際にrootのパスワードを入力できないため,adboptinstallコマンドによるAzure SDK for C++ライブラリのインストールができません。そのため,KFAA91585-Qメッセージ(Azure SDK for C++ライブラリのインストールを実行するかどうかを応答するメッセージ)が出力されたときは,nまたはN(インストールを実行しない)を応答してください。この場合,「8.2.4 HADBオプションのインストール手順」の「(5) Azure SDK for C++ライブラリのインストール手順」に示す手順に従って,Azure SDK for C++ライブラリを必ずインストールしてください。
- メモ
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KFAA91581-Eメッセージが出力されて,adboptinstallコマンドがエラーになった場合は,「8.2.4 HADBオプションのインストール手順」の「(6) インストールの操作中にKFAA91581-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。
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adboptinstallコマンドを実行した際にKFAA91558-Wメッセージ(警告メッセージ)が出力された場合は,「8.2.4 HADBオプションのインストール手順」の「(7) インストールの操作中にKFAA91558-Wメッセージが出力された場合」を参照してください。
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修正版HADBオプションが正常にインストールされたことを確認する(その1)
次のファイルが格納されていることを確認してください。
-
$ADBDIR/lib/libadbcldstge-azure.so
-
/usr/local/lib64/libazure-storage-blobs.so
-
/usr/local/lib64/libazure-storage-common.so
-
/usr/local/lib64/libazure-identity.so
-
/usr/local/lib64/libazure-core.so
下線部分は,サーバディレクトリのパス名です。
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修正版HADBオプションが正常にインストールされたことを確認する(その2)
サーバディレクトリ直下にadboptinst_azoption.logファイルが格納されていることを確認してください。
adboptinst_azoption.logファイルを開き,内容を確認してください。修正版HADBオプションが正常にインストールされている場合は,次のどちらかの情報が記載されています。
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P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr (yyyymmddhhmmss)
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P-aaaa-bbbb Hitachi Advanced Data Binder vv-rr-/s (yyyymmddhhmmss)
P-aaaa-bbbbは,HADBサーバのPP形名を示しています。
vv-rrまたはvv-rr-/sは,HADBサーバのバージョンです。
yyyymmddhhmmssは,修正版HADBオプションのインストールの実行日と時刻です。
- メモ
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adboptinst_azoption.logファイルがすでにある状態のときにadboptinstallコマンドを実行すると,adboptinst_azoption.logファイルの内容が更新されます。また,adboptinstallコマンドを複数回実行した場合,最後に実行した日付と時刻が記載されます。
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adboptinstallコマンドのリターンコード(KFAA91552-Iメッセージに出力されるリターンコード)が0または4以外の場合,adboptinst_azoption.logファイルの内容は更新されません。
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HADBサーバを正常開始する
adbstartコマンドを実行して,HADBサーバを正常開始してください。
adbstart
HADBサーバが正常開始すると,修正版HADBオプションの入れ替えが完了します。