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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


7.2.13 コマンドに関するオペランド(set形式)

[58] adb_cmd_dvbix_rthd_use = {FIXED|VARIABLE}

次のコマンドのB-treeインデクスの作成処理時に,B-treeインデクス作成用スレッド数の調整機能を有効にするかどうかを指定します。

  • adbimportコマンド

  • adbidxrebuildコマンド

  • adbmergechunkコマンド

B-treeインデクス作成用スレッド数の調整機能については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbimportコマンドのオプション機能B-treeインデクス作成用スレッド数の調整機能を参照してください。

  • FIXED

    B-treeインデクス作成用スレッド数の調整機能を有効にしません。

    この場合,使用可能な処理リアルスレッド数の上限でB-treeインデクスの作成処理を実行します。B-treeインデクスのデータ格納効率よりも,B-treeインデクスの作成処理時間の短縮を優先する場合に指定してください。

  • VARIABLE

    B-treeインデクス作成用スレッド数の調整機能を有効にします。

    データのサイズや件数などに応じて,B-treeインデクスの作成処理で使用する処理リアルスレッド数をHADBサーバが自動的に調整します。表に複数のB-treeインデクスが定義されている場合は,B-treeインデクスごとに使用する処理リアルスレッド数を調整します。B-treeインデクスの作成処理時間の短縮よりも,B-treeインデクスのデータ格納効率を優先する場合に指定してください。

このオペランドの指定値は,次のコマンドオプションのデフォルト値になります。

  • adbimportコマンドのadb_import_dvbix_rthd_useオプション

  • adbidxrebuildコマンドのadb_idxrebuild_dvbix_rthd_useオプション

  • adbmergechunkコマンドのadb_mergechunk_dvbix_rthd_useオプション

例えば,このオペランドにVARIABLEを指定した場合,adbimportコマンドのadb_import_dvbix_rthd_useオプションの指定を省略しても,adb_import_dvbix_rthd_useオプションにVARIABLEが指定されたとしてadbimportコマンドが実行されます。

[マルチノード機能]
  • ワーカーノードのHADBサーバには,このオペランドを指定する必要はありません。

  • HAモニタありのマルチノード構成の場合は,プライマリノードおよびセカンダリノードのHADBサーバでこのオペランドの指定値を同じにしてください。

[59] adb_cmd_ixrec_file_use = {REUSABLE|SINGLE-USE

次のコマンドの再実行機能で,インデクスレコードファイルを再利用するかどうかを指定します。

  • adbimportコマンドのB-treeインデクスとテキストインデクス作成処理からの再実行機能

  • adbidxrebuildコマンドの再実行機能

REUSABLE

再実行機能でインデクスレコードファイルを再利用します。

REUSABLEを指定した場合,インデクスレコードのソート処理が完了したあとにインデクスレコードファイルが削除されます。

SINGLE-USE

再実行機能でインデクスレコードファイルを再利用しません。

SINGLE-USEを指定した場合,インデクスレコードのソート処理中にインデクスレコードファイルが削除されます。

このオペランドの指定値によって,次の2つのことに影響があります。これらの影響を考慮してこのオペランドの指定値を決めてください。

  • 作業用一時ファイルの格納先ディレクトリに必要となる容量

    作業用一時ファイルの格納先ディレクトリに必要となる容量を減らしたい場合は,SINGLE-USEを指定してください。REUSABLEを指定した場合に比べて,作業用一時ファイルの格納先ディレクトリに必要となる容量が約3分の2に削減できます。

    作業用一時ファイルの容量見積もりについては,「6.21.1 adbimportコマンド実行時の作業用一時ファイルの容量見積もり」または「4.2.1 DBディレクトリの事前見積もり」を参照してください。

  • 再実行機能の適用範囲

    このオペランドの指定値によって再実行機能の適用範囲が次のように変わります。REUSABLEを指定した方が再実行機能の適用範囲が広がります。

    コマンドが異常終了した時点

    このオペランドの指定値

    REUSABLE

    SINGLE-USE(省略値)

    • adbimportコマンドの場合

      「1.表へのデータ格納処理,およびインデクスレコードファイルの作成処理」の処理中

    • adbidxrebuildコマンドの場合

      「1.表の検索処理,およびインデクスレコードファイルの作成処理」の処理中

    ×

    ×

    「2.インデクスレコードのソート処理」の処理中

    ×

    「3.B-treeインデクスおよびテキストインデクスの作成処理」の処理中

    (凡例)

    ○:コマンドを再実行した場合,再実行機能が適用されます。

    ×:コマンドを再実行した場合,再実行機能は適用されません。コマンドの処理を最初から実行します。

    メモ

    上記の表の1.~3.の流れで,adbimportコマンドのデータインポート,またはadbidxrebuildコマンドのインデクス再作成が実行されます。

    REUSABLEを指定した場合,1.で作成されたインデクスレコードファイルは,「2.インデクスレコードのソート処理」が完了するまで削除されません。そのため,「2.インデクスレコードのソート処理」の処理中にコマンドが中断した場合でも,1.で作成したインデクスレコードファイルを再利用できるため,再実行機能が適用されます。

    一方,SINGLE-USEを指定した場合,「2.インデクスレコードのソート処理」の処理中にコマンドが中断した場合,1.で作成したインデクスレコードファイルは削除されていて再利用できないため,再実行機能が適用されません。

[マルチノード機能]
  • HAモニタありのマルチノード構成の場合

    このオペランドの指定値は,プライマリノードおよび各セカンダリノードで同じにしてください。ワーカーノードには,このオペランドを指定する必要はありません。

  • HAモニタなしのマルチノード構成の場合

    プライマリノードにだけこのオペランドを指定してください。ワーカーノードには,このオペランドを指定する必要はありません。