4.2.1 DBディレクトリの事前見積もり
入力データを基に,DBディレクトリ下のディレクトリやファイルの容量を見積もる計算式を次の表に示します。項番1〜項番14で見積もった値を合計した値が,DBディレクトリ全体の容量になります。
ここで見積もった容量を基に,十分に空き容量のあるディスクを用意してください。
項番 |
ディレクトリ名およびファイル名 |
説明 |
計算式(単位:ギガバイト) |
---|---|---|---|
1 |
$DBDIR/ADBMST※13 |
マスタディレクトリ用DBエリアファイル |
0.01 |
2 |
$DBDIR/ADBDIC※13 |
ディクショナリ用DBエリアファイル |
0.5 |
3 |
$DBDIR/ADBSTBL※13 |
システム表用DBエリアファイル |
0.5 |
4 |
$DBDIR/ADBWRK |
作業表用DBエリアファイル※12 |
org_data※1×1※2 |
5 |
$DBDIR/DBAREA※3,※13 |
ローストア表を格納するデータ用DBエリアファイル |
org_data※1×2 |
6 |
カラムストア表を格納するデータ用DBエリアファイル |
org_data※1 |
|
7 |
B-treeインデクスを格納するデータ用DBエリアファイル |
org_data※1×1※4 |
|
8 |
テキストインデクスを格納するデータ用DBエリアファイル |
org_data※1×1.2※5 |
|
9 |
レンジインデクスを格納するデータ用DBエリアファイル |
org_data※1×0.00002+0.2※6 |
|
10 |
$DBDIR/ADBSYS/ADBSLG |
システムログファイル用ディレクトリ |
1※7,※8 |
11 |
$DBDIR/ADBSYS/ADBSTS |
ステータスファイル用ディレクトリ |
|
12 |
$DBDIR/ADBSYS/ADBUTL |
コマンドステータスファイル用ディレクトリ |
|
13 |
$DBDIR/ADBWORK※9 |
作業用ディレクトリ※12 |
db_idx×2※10,※14 |
14 |
$DBDIR/SPOOL※11 |
障害情報(コアファイル)の出力先ディレクトリ※12 |
2 |
- (凡例)
-
org_data:入力データファイルの容量(単位:ギガバイト)
db_idx:項番7B-treeインデクスを格納するデータ用DBエリアファイルで求めた値(単位:ギガバイト)
- 注※1
-
入力データファイルを圧縮している場合は,入力データファイル内のデータを伸長したデータ量を代入してください。
- 注※2
-
作業表を使用するSQLの結果に大きく依存するため,データ量によっては計算式で求めた値以上の容量が必要になります。
- 注※3
-
adbinitコマンドでHADB管理者が指定した名称になります。
- 注※4
-
B-treeインデクスを定義する列のデータ型およびデータ件数がわかっている場合,次に示す計算式で求めた方が,詳細に容量を見積もることができます。データ用DBエリアに格納するB-treeインデクス数だけ計算してください。計算結果は,「表4‒1 計算式(DBディレクトリの容量)」のB-treeインデクスを格納するデータ用DBエリアファイルで求めた値に加算してください。
計算式(単位:ギガバイト)
- 変数の説明
-
-
KEYSZ
B-treeインデクスを定義する列の長さ(単位:バイト)
「5.8.4 B-treeインデクスのキー長(KEYSZ)の求め方」を参照してください。
-
row_num
B-treeインデクスを定義した表のデータ件数
-
ENT_NUM
次に示す計算式から求めてください。
計算式
-
- 注※5
-
テキストインデクスの定義時に「テキストインデクス表記ゆれ補正指定」,または,「テキストインデクスワード検索指定」を指定した場合は,次に示す計算式で求めてください。
計算式(単位:ギガバイト)
-
「テキストインデクス表記ゆれ補正指定」を指定した場合
-
「テキストインデクスワード検索指定」を指定した場合
-
「テキストインデクス表記ゆれ補正指定」,および「テキストインデクスワード検索指定」の両方を指定した場合
-
- 注※6
-
対象のレンジインデクスがマルチチャンク表に定義されている場合は,次に示す計算式で求めてください。
計算式(単位:ギガバイト)
- 変数の説明
-
-
chunk_num
総チャンク数
-
chunk_data(i)
i番目のチャンクのデータ量(単位:ギガバイト)
-
- 注※7
-
次に示すSQL文およびコマンドで扱うデータ量に大きく依存するため,データ量によってはこの値以上の容量が必要になります。
-
更新系SQL
-
adbimportコマンド
-
adbidxrebuildコマンド
-
adbmergechunkコマンド
-
- 注※8
-
項番10〜項番12を合わせて,1ギガバイトとして見積もってください。
- 注※9
-
次に示すコマンドに-wオプションを指定しない場合に,このディレクトリが使用されます。
-
adbimportコマンド
-
adbidxrebuildコマンド
-
adbmergechunkコマンド
-
adbunarchivechunkコマンド
-
adbreorgsystemdataコマンド
上記のコマンドに-wオプションを指定した場合,指定したディレクトリが作業用ディレクトリとして使用されます。
-
- 注※10
-
次に示すコマンドを実行するときだけ使用されます。
-
adbimportコマンド
-
adbidxrebuildコマンド
-
adbmergechunkコマンド
-
adbunarchivechunkコマンド
-
adbreorgsystemdataコマンド
B-treeインデクスを定義した列のデータ型およびB-treeインデクスを定義した数に大きく依存するため,データ量によっては計算式で求めた値以上の容量が必要になります。
また,テキストインデクスを定義した場合は,次に示す計算式で求めてください。
計算式(単位:ギガバイト)
-
- 注※11
-
サーバ定義のadb_core_pathオペランドを指定した場合は,$DBDIR/SPOOLディレクトリ下ではなく,adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリ下にコアファイルが出力されます。
なお,コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合,コアファイルは/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下に出力されます。デフォルトの設定では,RHEL 7またはRHEL 8の場合はLZ4形式で,RHEL 9の場合はZstandard形式で圧縮されて出力されます。この場合,$DBDIR/SPOOLディレクトリは,トラブルシュート情報の収集時にコアファイル展開用の一時ディレクトリとして使用されます。adb_core_pathオペランドを指定したときは,adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリがコアファイル展開用の一時ディレクトリとして使用されます。
- 注※12
-
マルチノード機能を使用する場合は,全ノードで見積もりが必要となるディレクトリおよびファイルです。
- 注※13
-
クラウドストレージ機能を使用する場合は,$DBDIR下にDBエリアファイルは作成されません。AWS環境の場合は,S3バケット内のS3オブジェクトにこれらのDBエリアのデータが格納されます。Azure環境の場合は,コンテナー内のBLOBにこれらのDBエリアのデータが格納されます。
- 注※14
-
サーバ定義のadb_cmd_ixrec_file_useオペランドにREUSABLEを指定する場合は,「×2」を「×3」としてください。