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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


10.5 リソースの使用状況の監視(監視対象メッセージの一覧)

ここでは,HADBサーバが使用するリソースの状態を監視する場合に,監視する必要があるメッセージについて説明します。

HADBサーバは,各種リソースを使用して稼働します。そのため,次に示す事象が発生すると,HADBサーバの稼働状況に影響が出るおそれがあります。

このような事象が発生した場合には,発生した事象に対して速やかに対処する必要があります。そのため,HADB管理者は,HADBサーバが出力するメッセージを確認して,リソースの使用状況を監視してください。

HADBサーバが使用するリソースと監視対象メッセージの一覧を,次の表に示します。各メッセージが出力されたときの対処方法については,マニュアルHADB メッセージを参照してください。

表10‒9 HADBサーバが使用するリソースと監視対象メッセージの一覧

項番

リソースの種類

監視対象のメッセージ

説明

1

排他資源

  • KFAA31371-E

  • KFAA31663-E

  • KFAA40005-E

  • KFAA50290-E

左記のメッセージが出力された場合は,排他資源の確保待ちが発生しています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

なお,排他資源の確保待ちの発生状況を確認する方法については,「10.8.3 排他資源の確保待ちの発生状況を確認する方法」を参照してください。

また,排他資源の確保待ちが繰り返し発生する場合は,排他資源を確保したAPやコマンドが長時間実行されている可能性があります。「10.8.1 APおよびコマンドの処理状況を確認する方法」も参照してください。

2

メモリ

HADBサーバが管理するメモリ

  • KFAA40021-W

  • KFAA40024-I

KFAA40021-Wメッセージは,HADBサーバのメモリ使用量が,サーバ定義のadb_sys_memory_limit_wrn_pntオペランド(HADBサーバのメモリ使用量に関する警告メッセージの出力契機)に指定した比率以上になったときに出力される警告メッセージです。KFAA40021-Wメッセージが出力された場合は,HADBサーバのメモリ使用状況を確認してください。確認方法については,「10.6.3 リアルスレッドごとのメモリの使用状況を確認したい場合」を参照してください。

KFAA40024-Iメッセージは,HADBサーバのメモリ使用量が,サーバ定義のadb_sys_memory_limit_wrn_pntオペランド(警告メッセージの出力済み状態のリセット契機)に指定した比率以下になったときに出力されるインフォメーションメッセージです。

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用している場合,左記のメッセージは全ノードで出力される可能性があります。

3

  • KFAA30930-E

  • KFAA40007-E

  • KFAA40203-E

  • KFAA40212-E

  • KFAA51011-W

  • KFAA96605-E

左記のメッセージが出力された場合は,HADBサーバが管理するメモリが不足しています。

SQL文またはコマンドを実行した場合に,メモリ不足が発生すると,次に示すメッセージが出力されます。

SQL文を実行した場合

  • KFAA30930-E

  • KFAA40007-E

  • KFAA51011-W

コマンドを実行した場合

  • KFAA40007-E

  • KFAA40203-E

  • KFAA40212-E

  • KFAA96605-E

上記のメッセージが出力されたときの対処方法については,KFAA40007-Eメッセージの対策欄を参照してください。

また,adbstatコマンドを定期的に実行して,HADBサーバが使用するメモリの使用状況を確認してください(メモリの使用量が上限値に近づいていないかを確認してください)。詳細については,「10.6.1 全メモリの使用状況を確認したい場合」を参照してください。

4

HADBサーバが使用するライブラリで使用するメモリ

  • KFAA40207-E

  • KFAA40208-E

  • KFAA40293-E

  • KFAA91000-E

  • KFAA92000-E

  • KFAA96211-E

  • KFAA96457-E

左記のメッセージが出力された場合は,HADBサーバが使用するライブラリで使用するメモリが不足しています。

コマンドを実行した場合に,メモリが不足していると,左記のメッセージが出力されます。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

5

共有メモリ

KFAA40002-E

左記のメッセージが出力された場合は,共有メモリにアクセスしたときにエラーが発生しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

6

CPU

なし

HADBサーバは,CPU利用率に関するメッセージを出力しません。

HADBサーバのCPU利用率を監視したい場合は,次に示すOSのコマンドを実行してください。

  • sarコマンド

  • mpstatコマンド

  • topコマンド

7

プロセス間通信

  • KFAA30722-E

  • KFAA30723-E

  • KFAA50300-E

  • KFAA50301-E

  • KFAA50303-E

  • KFAA50304-E

  • KFAA50305-E

  • KFAA50306-E

  • KFAA50307-E

  • KFAA50308-E

  • KFAA50309-E

  • KFAA50310-E

  • KFAA50311-E

左記のメッセージが出力された場合は,HADBサーバのプロセス間通信でエラーが発生しています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

8

ディレクトリ

DBディレクトリ

KFAA30959-E

左記のメッセージが出力された場合は,DBディレクトリにアクセスしたときにエラーが発生しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

9

アーカイブディレクトリ

KFAA31666-E

左記のメッセージが出力された場合は,アーカイブディレクトリにアクセスしたときにエラーが発生しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

10

KFAA61212-W

左記のメッセージが出力された場合は,アーカイブディレクトリに対する削除処理でエラーが発生しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

11

ファイル

メッセージログファイル

KFAA40025-W

左記のメッセージが出力された場合は,次に示すどちらかのメッセージログファイルが縮退状態になっています。

  • サーバメッセージログファイル

  • クライアントメッセージログファイル

左記のメッセージが出力された場合は,メッセージログファイルの縮退状態を解除してください。縮退状態の解除方法については,「15.16.1 メッセージログファイルの縮退状態を解除する方法」を参照してください。

なお,左記のメッセージは,メッセージログファイルに出力できない場合でもsyslogには出力されます。そのため,メッセージログファイルとともにsyslogも監視してください。

12

KFAA50057-W

[マルチノード機能]

左記のメッセージが出力された場合は,どこかのノードでメッセージログファイルが縮退状態になっています。この場合,メッセージログファイルの縮退状態を解除してください。縮退状態の解除方法については,「15.16.1 メッセージログファイルの縮退状態を解除する方法」を参照してください。

13

KFAA80099-I

左記のメッセージが出力された場合は,次に示すどちらかのメッセージログファイルの切り替えが発生しています。

  • サーバメッセージログファイル

  • クライアントメッセージログファイル

切り替え前のメッセージログファイル中のメッセージログを保存しておきたい場合は,メッセージログファイルのバックアップを取得してください。

14

DBエリアファイル

  • KFAA30959-E

  • KFAA60014-W

左記のメッセージが出力された場合は,各ファイルに対する操作に失敗しています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

15

アーカイブファイル

16

システムファイル

17

ADB_CSVREAD関数の入力情報となるCSVファイル

18

コマンドの操作対象ファイル

  • KFAA40204-E

  • KFAA40205-E

19

HADBダンプファイル

  • KFAA40015-E

  • KFAA40016-E

20

メッセージカタログファイル

  • KFAA50018-E

  • KFAA50019-E

21

共有メモリID格納ファイル

KFAA50028-E

22

共有メモリダンプファイル

KFAA50029-E

23

セマフォ集合ID格納ファイル

KFAA50037-E

24

コマンドステータスファイル

KFAA50243-E

25

作業用一時ファイル

KFAA50245-E

26

インデクスレコードファイル

KFAA50246-E

27

SQLトレースファイル

KFAA51010-W

28

同義語辞書ファイル

  • KFAA30959-E

  • KFAA34008-E

29

KFAA51537-W

[マルチノード機能]

左記のメッセージが出力された場合は,サーバ定義のadb_syndict_node_storage_pathオペランドに指定したディレクトリに,最新の同義語辞書ファイルが格納されていません。この場合,同義語検索の性能が低下するおそれがあります。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

30

アンロードファイル

KFAA61400-W

左記のメッセージが出力された場合は,adbreorgsystemdataコマンドを実行したときに一時的に作成されるアンロードファイルの削除に失敗しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

31

監査証跡ファイル

KFAA51404-E

左記のメッセージが出力された場合は,監査証跡ファイルに対する操作が失敗しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

32

KFAA51411-W

監査証跡ファイルの切り替え時に,現用の監査証跡ファイルが見つからない場合に,左記のメッセージが出力されます。現用の監査証跡ファイルに出力された監査証跡が失われたおそれがあります。

33

KFAA81401-I

左記のメッセージが出力された場合は,監査証跡ファイルの切り替えが行われました。

監査証跡ファイルに対する次の操作を実行する場合に,左記のメッセージを監視してください。

  • 監査証跡ファイルを,監査証跡の出力先ディレクトリから監査証跡の保存先ディレクトリに移動する

  • 監査証跡ファイルを,統一フォーマット用監査証跡ファイルに変換する

34

KFAA81402-I

左記のメッセージが出力された場合は,監査証跡ファイルのリネームが行われました。

監査証跡ファイルに対する次の操作を実行する場合に,左記のメッセージを監視してください。

  • 監査証跡ファイルを,監査証跡の出力先ディレクトリから監査証跡の保存先ディレクトリに移動する

  • 監査証跡ファイルを,統一フォーマット用監査証跡ファイルに変換する

35

更新行のカラム化機能で使用するファイル

KFAA41220-W

左記のメッセージが出力された場合は,更新行のカラム化機能で使用するファイルにエラーが発生しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

36

ノード

マルチノード機能

  • KFAA50053-E

  • KFAA50153-E

  • KFAA50154-W

  • KFAA60008-W

  • KFAA60009-E

  • KFAA60010-W

左記のメッセージが出力された場合は,メッセージが出力されたノードで異常が発生しています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください

37

DBエリア

  • KFAA30756-E

  • KFAA41206-I

  • KFAA61210-E

左記のメッセージが出力された場合は,ディスクの空き容量が不足しており,対象のDBエリアにデータを格納できません。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

38

KFAA41230-W

データ用DBエリアの使用率が,サーバ定義のadb_dbarea_wrn_pnt_use_rateオペランドに指定した使用率に達したときに左記のメッセージが出力されます。必要に応じてデータ用DBエリアを拡張してください。

マルチノード機能を使用していない場合のデータ用DBエリアの拡張方法については,「11.10.3 データ用DBエリアを拡張する方法(データ用DBエリアファイルの追加)」を,マルチノード機能を使用している場合のデータ用DBエリアの拡張方法については,「16.10.3 データ用DBエリアの追加・削除・拡張(マルチノード機能の使用時)」の「(3) データ用DBエリアを拡張する方法(データ用DBエリアファイルの追加)」を参照してください。

adb_dbarea_wrn_pnt_use_rateオペランドについては「7.2.4 状態監視に関するオペランド(set形式)」のadb_dbarea_wrn_pnt_use_rateオペランドを参照してください。

39

ログファイル

  • KFAA31711-E

  • KFAA41210-E

左記のメッセージが出力された場合は,ユーザログファイル数が不足しています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

なお,サーバ定義adb_log_usrfile_numオペランドの指定を省略すると,ユーザログファイル数の不足によるエラーは発生しません。サーバ定義adb_log_usrfile_numオペランドについては,「7.2.3 システムログに関するオペランド(set形式)」のadb_log_usrfile_numオペランドを参照してください。

40

KFAA61211-E

左記のメッセージが出力された場合は,システムログファイルが格納されているディスクの空き容量が不足しています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

41

KFAA81215-I

左記のメッセージが出力された場合は,データベースの回復処理が行われています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

左記のメッセージは,データベースの回復処理が完了するまで,サーバ定義のadb_log_rec_msg_intervalオペランドに指定された間隔で出力されます。サーバ定義のadb_log_rec_msg_intervalオペランドについては,「7.2.3 システムログに関するオペランド(set形式)」のadb_log_rec_msg_intervalオペランドを参照してください。

42

バッファ

  • KFAA30919-E

  • KFAA41201-E

左記のメッセージが出力された場合は,バッファ面数が不足しています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

43

  • KFAA30953-E

  • KFAA41202-E

左記のメッセージが出力された場合は,バッファの負荷が高い状態になっています。

対処方法については,KFAA41202-Eメッセージの対策欄を参照してください。

44

チャンク

KFAA51245-E

左記のメッセージが出力された場合は,チャンク数の最大値を超えるため,新たにチャンクを作成できません。1DBエリア内に作成できるチャンク数の上限を超えようとしています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

45

KFAA51246-E

左記のメッセージが出力された場合は,チャンク数の最大値を超えるため,新たにチャンクを作成できません。1表に作成できるチャンク数の上限を超えようとしています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

46

ハッシュテーブル領域

KFAA51130-W

左記のメッセージが出力された場合は,ハッシュテーブル領域が不足したため,作業表が作成されています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

また,ハッシュテーブル領域が不足しても問題がないかを確認してください(データベースの設計上,ハッシュテーブル領域が不足することについて,想定されているかを確認してください)。

47

コネクション

  • KFAA40020-W

  • KFAA40023-I

KFAA40020-Wメッセージは,HADBサーバへの接続数が,サーバ定義のadb_sys_max_users_wrn_pntオペランド(最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機)に指定した比率以上になったときに出力される警告メッセージです。KFAA40020-Wメッセージが出力された場合は,不当に接続しているAPまたはコマンドがないかを確認してください。確認方法については,「10.8.1 APおよびコマンドの処理状況を確認する方法」を参照してください。

KFAA40023-Iメッセージは,HADBサーバへの接続数が,サーバ定義のadb_sys_max_users_wrn_pntオペランド(警告メッセージの出力済み状態のリセット契機)に指定した比率以下になったときに出力されるインフォメーションメッセージです。

なお,クライアントグループ機能を使用している場合は,adb_sys_max_users_wrn_pntオペランドではなく,adbcltgrpオペランドの-wオプションに指定した次の値が適用されます。

  • 最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機

  • 警告メッセージの出力済み状態のリセット契機

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用している場合,左記のメッセージはプライマリノードに出力されます。

48

KFAA30932-E

左記のメッセージが出力された場合は,APまたはコマンドがHADBサーバに接続できません。HADBサーバへの接続数が,最大同時接続数を超えています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

また,サーバ定義adb_sys_max_usersオペランドの値が適切かどうかについて確認してください。サーバ定義adb_sys_max_usersオペランドについては,「7.2.1 システム構成に関するオペランド(set形式)」のadb_sys_max_usersオペランドを参照してください。

49

文ハンドル

KFAA30931-E

左記のメッセージが出力された場合は,文ハンドルの数が上限を超えています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

50

実表

  • KFAA30811-E

  • KFAA30812-E

左記のメッセージが出力された場合は,システム内で定義できる実表やインデクスの数が上限を超えています。または,対象のDBエリア内に格納できる実表やインデクスの数が上限を超えています。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

51

インデクス

52

ビュー表

KFAA30811-E

左記のメッセージが出力された場合は,システム内で定義できるビュー表の数が上限を超えています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。

53

システム表(実表)

  • KFAA61213-W

  • KFAA61214-W

左記のメッセージが出力された場合は,システム表用DBエリアの未使用セグメントが少なくなっています。そのため,adbreorgsystemdataコマンドでシステム表を再編成する必要があります。

対処方法については,各メッセージの対策欄を参照してください。

54

HADBユーザ

KFAA30811-E

左記のメッセージが出力された場合は,システム内で定義できるHADBユーザの数が上限を超えています。

対処方法については,メッセージの対策欄を参照してください。