Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


7.2.1 システム構成に関するオペランド(set形式)

[1] adb_db_path = DBディレクトリ名

〜〈パス名〉((2〜510バイト))

DBディレクトリ名を絶対パス名で指定します。このオペランドは必ず指定してください。ここで指定したDBディレクトリ名と,adbinitコマンドで指定するDBディレクトリ名は必ず一致させてください。

このオペランドに指定するパス名の規則を次に示します。

  • ルートディレクトリは指定できません。

  • サーバディレクトリ(サブディレクトリも含む)とは異なるディレクトリを指定してください。

  • 半角の英数字,アンダスコア(_),ハイフン(-),シャープ(#),アットマーク(@),スラッシュ(/)だけで構成されるパス名を指定してください。

[2] adb_rpc_port = HADBサーバのポート番号

〜〈整数〉((5,001〜65,535))《23,650》

HADBサーバとHADBクライアント間の通信で使用する,HADBサーバのポート番号を指定します。

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用する場合は,プライマリノードおよびセカンダリノードのHADBサーバでこのオペランドの指定値を同じにしてください。ワーカーノードのHADBサーバでは,このオペランドの指定値を同じにする必要はありません。

[3] adb_sys_max_users = 最大同時接続数

〜〈整数〉((1〜1,024))《10》

HADBサーバに接続するHADBクライアントの最大同時接続数を指定します。

クライアントグループ機能を適用する場合は,各グループの接続保証数の合計値よりも,このオペランドの指定値を大きくしてください。各グループの接続保証数の合計値の方が大きい場合は,HADBサーバの開始時にエラーとなります。

各グループの接続保証数については,「7.2.12 クライアントグループ機能に関するオペランドおよびオプション(コマンド形式)」のadbcltgrpオペランドの-uオプションの次の説明を参照してください。

[マルチノード機能]
  • マルチノード機能を使用する場合は,全ノードのHADBサーバでこのオペランドの指定値を同じにしてください。

  • このオペランドに指定された値が,マルチノード構成のHADBサーバに対する最大同時接続数になります。

[4] adb_core_path = 障害情報(コアファイル)の出力先ディレクトリ名

〜〈パス名〉((2〜510バイト))

障害情報(コアファイル)の出力先ディレクトリ名を絶対パスで指定します。このオペランドで指定したディレクトリ下に,障害情報(コアファイル)が出力されます。

通常,このオペランドは指定不要です。このオペランドを省略した場合,障害情報(コアファイル)の出力先ディレクトリは$DBDIR/SPOOLになります。

$DBDIR/SPOOLディレクトリ下以外に,障害情報(コアファイル)を出力したい場合,このオペランドを指定してください。ただし,サーバディレクトリ下のconfディレクトリ($ADBDIR/conf),およびそのサブディレクトリは指定しないでください。

重要
  • このオペランドを指定する場合,HADB管理者にアクセス権限(読み取り権限,書き込み権限,および実行権限)が付与されたディレクトリを指定するようにしてください。

  • コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合,コアファイルは/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下に出力されます(デフォルトの設定ではLZ4形式で圧縮されて出力されます)。この場合,adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリは,トラブルシュート情報の収集時にコアファイル展開用の一時ディレクトリとして使用されます。adb_core_pathオペランドを省略したときは,$DBDIR/SPOOLディレクトリがコアファイル展開用の一時ディレクトリになります。

    コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されているかどうかを確認する方法については,「8.2.1 インストール前に実施する作業」の「(9) 設定ファイルの変更および作成(コアファイルの出力がsystemd-coredumpで制御されている場合)」を参照してください。

なお,コアファイルの出力がsystemd-coredumpによって制御されている場合であっても,adbinfoget -gコマンドの実行によって出力されたコアファイルは,このオペランドに指定したディレクトリ下または$DBDIR/SPOOLディレクトリ下に出力されます。このオペランドの指定とコアファイルの出力先の関係を次の表に示します。

表7‒1 adb_core_pathオペランドの指定とコアファイルの出力先の関係

コアファイルの出力制御

コアファイルの出力契機

adb_core_pathオペランドの指定

コアファイルの出力先

カーネル単体

プロセスダウンなど

指定あり

adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリ下

指定なし

$DBDIR/SPOOLディレクトリ下

adbinfoget -gコマンドの実行

指定あり

adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリ下

指定なし

$DBDIR/SPOOLディレクトリ下

systemd-coredump

プロセスダウンなど

指定あり

/var/lib/systemd/coredumpディレクトリ下

指定なし

adbinfoget -gコマンドの実行

指定あり

adb_core_pathオペランドに指定したディレクトリ下

指定なし

$DBDIR/SPOOLディレクトリ下

[5] adb_blk_path_wrk = 作業表用DBエリアファイルのブロックスペシャルファイルのパス名

〜〈パス名〉((2〜255バイト))

HADBサーバの開始時に,作業表用DBエリアファイルに割り当てるブロックスペシャルファイルのパス名を指定します。

このオペランドの指定値,および既存の作業表用DBエリアファイル(ADBWRK)の状態に従って,作業表用DBエリアファイルを変更します。

既存の作業表用DBエリアファイルを変更する場合は,変更後にファイルを初期化します。既存の作業表用DBエリアファイルを変更しない場合は,ファイルの内容を参照して初期化していなければ初期化します。詳細を次の表に示します。

表7‒2 adb_blk_path_wrkオペランドと作業表用DBエリアファイルの関係

サーバ定義adb_blk_path_wrkオペランドの指定

既存の作業表用DBエリアファイル

なし

レギュラーファイル

ブロックスペシャルファイル

指定を省略

レギュラーファイルを作成します。

変更しません(既存のレギュラーファイルのままとなります)。

変更しません(既存のブロックスペシャルファイルのままとなります)。

パス名を指定

adb_blk_path_wrkオペランドに指定したブロックスペシャルファイルを使用します。

adb_blk_path_wrkオペランドに指定したブロックスペシャルファイルを使用します。ただし,既存と同じブロックスペシャルファイル名を指定した場合は変更しません。

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用する場合で,作業表用DBエリアファイルがノード固有となっていないときは,次のどちらかを実施してください。

  • このオペランドに,ほかのノードと共有しないブロックスペシャルファイルを指定する

  • 既存の作業表用DBエリアファイルを削除して,このオペランドを省略する

[6] adb_dbarea_wrk_page_size = 作業表用DBエリアのページサイズ

〜〈整数〉((32〜32,768))(単位:キロバイト)

作業表用DBエリアのページサイズを,adbinitコマンド実行時に指定したページサイズから,任意のページサイズに切り替えたい場合に,切り替え後のページサイズを指定します。このオペランドに32で割り切れない値を指定した場合,自動的に32キロバイト単位に切り上げられます。

通常,このオペランドは指定不要です。このオペランドを省略した場合は,adbinitコマンド実行時に指定したページサイズが適用されます。

ページサイズを大きくすると,メモリ不足の原因となる可能性があります。そのため,このオペランドでページサイズを大きくする場合は,メモリ所要量を見直してください。メモリ所要量の見積もりについては,「6.3.3 HADBサーバ開始時のメモリ所要量の求め方」および「6.3.4 通常運用時のメモリ所要量の求め方」を参照してください。

稼働中のHADBサーバで適用されているページサイズは,次のコマンドで調べることができます。

  • adbls -d gbufコマンド

    コマンドの詳細については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbls -d gbuf(グローバルバッファの情報表示)を参照してください。

  • adbls -d lbufコマンド

    コマンドの詳細については,マニュアルHADB コマンドリファレンスadbls -d lbuf(ローカル作業表用バッファの情報表示)を参照してください。

また,adbinitコマンド実行時に指定した作業表用DBエリアのページサイズは,ディクショナリ表の検索で調べることができます。ディクショナリ表の検索については,「付録B.22 ディクショナリ表の検索」の「(37) adbinitコマンド実行時に指定した作業表用DBエリアのページサイズを調べる方法」を参照してください。

[マルチノード機能]

マルチノード機能を使用する場合は,全ノードのHADBサーバでこのオペランドの指定値を同じにしてください。