インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8
ここでは,次の図に示すように,レプリカRDエリアの差分バックアップを取得し続け,その差分バックアップを使って障害回復を実現する方法について説明します。差分バックアップの取得は,バックアップ取得処理時間を短縮できるため,データベースの規模が大きいが更新したデータ量が少ない場合に適用できます。差分バックアップの取得方法や前提については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。ここでは,差分バックアップの取得コマンドの実行例だけを示します。
図3-10 レプリカRDエリアの差分バックアップの取得と回復
以降,前述の図に示す(1)から(3)の手順について説明します。
レプリカRDエリアの差分バックアップを取得するには,まずは通常のバックアップを取得します。そのあと,差分バックアップを取得できます。手順は,次のとおりです。
以降,各操作の手順について説明します。
次に示す手順でレプリカRDエリアのバックアップを取得します。
これは,手順2,手順4のオリジナルRDエリアの更新業務の停止と再開,手順5のレプリカRDエリアのバックアップ(フルバックアップ)の取得以外は,「3.7.1(1) レプリカRDエリアのバックアップの取得」と同じ操作をします。操作内容については,「3.7.1(1) レプリカRDエリアのバックアップの取得」を参照してください。ここでは,手順7のレプリカRDエリアのバックアップの取得操作について説明します。
pdcopy -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -b /bkdir/dfbk01 -r RD01 -q 1 -g 'GRP01(S)' -K /control/dfmgr -d a
レプリカRDエリアのバックアップ取得後は,差分のバックアップが取得できるようになります。差分のバックアップは,次の手順で取得します。
ここでは,レプリカRDエリアの差分バックアップの取得操作について説明します。
pdcopy -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -b /bkdir/dfbk02 -g GRP01 -K /control/dfmgr -d d
差分バックアップを取得する運用を開始してから,オリジナルRDエリアで障害が発生した場合,取得してある差分バックアップを使って障害を回復します。次の手順で回復します。
以降,各操作の手順について説明します。
ここでは,障害によって,オリジナルRDエリアのハードディスクが破壊されたと考え,新しいハードディスクに取り替えて対応することにします。そのため,取り替え前には,オリジナルRDエリアをクローズしておく必要があります。レプリカRDエリアは,「(1)(a) レプリカRDエリアのバックアップ(フルバックアップ)の取得」の手順1で設定した閉塞かつクローズ状態のままであるとします。RDエリアのクローズには,pdcloseコマンドを使用します。このとき,-qオプションにオリジナルRDエリアの世代番号0を指定します。次に,pdcloseコマンドの実行例を示します。
pdclose -r RD01 -q 0
ハードディスクを新しいものに取り替えます。取り替えたあと,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」の「ディスク障害が発生したときの対処方法」で示すRDエリアの回復の直前までの手順を実施しておく必要があります。ハードディスクそのものの取り替え方法については,ハードディスクなどのマニュアルを参照してください。
ハードディスクの取り替えが完了したら,オリジナルとレプリカのRDエリアを障害発生前の状態まで回復します。回復には,システムログのアンロードファイルが必要です。アンロードファイルは,pdlogunldコマンドを使って取得します。次に,pdlogunldコマンドの実行例を示します。
pdlogunld -d sys -s bes1 -g logfg03 -o /uldir/ulog03
オリジナルとレプリカ両方のRDエリアの回復が必要ですが,ハードウェアのミラーリング機能が有効である場合,オリジナルを回復することで,ミラーリングのコピー機能でレプリカRDエリアへも反映されます。
RDエリアの回復にはpdrstrコマンドを使用します。差分バックアップを使用するため,-gオプション,-Kオプションを指定します。これらのオプションには,「(1)(a) レプリカRDエリアのバックアップ(フルバックアップ)の取得」で指定した値を指定します。-lオプションには「(c) ログのアンロード」で取得したアンロードファイルを指定します。次に,pdrstrコマンドの実行例を示します。
pdrstr -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -g GRP01 -K /control/dfmgr -l /uldir/ulog03 -r RD01 -q 0
障害の回復後,レプリカRDエリアのバックアップを取得します。バックアップ取得中には,オリジナルRDエリアの業務は再開しておきます。
これは,手順4のレプリカRDエリアのバックアップ(フルバックアップ)の取得以外(手順1〜手順3,手順5)は,「3.7.1(3) 回復後のレプリカRDエリアのバックアップの取得」と同じ操作をします。操作内容については,「3.7.1(3) 回復後のレプリカRDエリアのバックアップの取得」を参照してください。ここでは,手順4のレプリカRDエリアのバックアップ(フルバックアップ)の取得操作について説明します。
pdcopy -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -b /bkdir/dfbk03 -r RD01 -q 1 -g GRP01 -K /control/dfmgr -d a
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