スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
(1) 運用コマンド実行時の制限
- HiRDBの停止中に運用コマンドを実行する場合は,実行系と待機系の両方のHiRDBが終了している必要があります。ただし,pdstartコマンドを除きます。
- HiRDBの稼働中に待機系HiRDBで実行できる運用コマンドはありません。
(2) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能での運用コマンド実行時の制限
OTHER用グローバルバッファを定義している環境で次に示す運用を行った場合,システムマネジャのあるユニットからpdstop -uコマンドでのユニットの単独正常終了をしないでください。システムマネジャのあるユニットからpdstopコマンドでHiRDBシステムを終了させるか,システム構成変更コマンド(pdchgconfコマンド)で追加用RDエリアにグローバルバッファを割り当てた後,ユニットを終了させてください。OTHER用グローバルバッファについては,「26.5.8 グローバルバッファの定義(影響分散スタンバイレス型系切り替え機能限定)」を参照してください。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の適用ユニットで,データベース構成変更ユティリティ(pdmod)のcreate rdarea文でglobalbufferオペランドを省略し,OTHER用グローバルバッファのバッファ長より大きなページ長のRDエリアを追加します。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え対象のバックエンドサーバを-sオプションで特定した運用コマンドを実行する場合は,pdls -d svrコマンドでバックエンドサーバの状態が"ACTIVE"になったことを確認後,運用コマンドを実行してください。系切り替え中に運用コマンドを実行した時は,運用コマンドがエラー終了したり,結果を正しく表示できないことがあります。
(3) HiRDBシステム定義の変更及びHiRDBの構成変更時の注意事項
HiRDBのシステム定義の変更及びHiRDBの構成変更をする場合,クラスタソフトウェアのコマンドでHiRDBを終了しないでください。pdstopコマンドでHiRDBだけを正常終了して,HiRDBシステム定義の変更又はHiRDBの構成変更をしてください。その後,pdstartコマンドでHiRDBだけを正常開始してください。
(4) 共有ディスク上に作成したHiRDBファイルにアクセスできないときの対処方法
クラスタソフトウェアの制御によってHiRDB停止中は,両方の系から共有ディスク上に作成したHiRDBファイルを操作できなくなることがあります。この場合,OSのコマンドでディスクを活性化する必要があります。
(5) pdsetupコマンド実行時の注意事項(サーバモード限定)
HiRDBの強制終了中,及び異常終了中にpdsetup -dコマンドを実行するときは注意が必要です。このコマンドの応答にYを指定しないでください。Yを応答すると,その後HiRDBを開始できなくなることがあります。
(6) Hitachi HA Toolkit Extension使用時の注意事項
Hitachi HA Toolkit Extensionでは待機系ユニットは実行系ユニットの開始を待ち合わせません。このため,待機系ユニットが開始していない実行系ユニットにコマンドを発行した場合,エラーとなって待機系ユニットがアボート(Phi1012)することがあります。したがって,待機系ユニットは実行系ユニットの開始完了を待ってから開始してください。実行系ユニットの開始完了を待たないで,待機系ユニットを開始すると待機系ユニットがアボート(Phi1012)することがあります。
(7) HAモニタ使用時の注意事項
HAモニタ使用時の注意事項を次に示します。
- サーバ※1の起動時,現用系(HAモニタのservers定義のinitオペランドにonlineを指定した系)を含むすべての系で実行系サーバ起動待ち状態※2になった場合,HAモニタのmonactコマンドを実行し,現用系を※3実行系として起動してください。
- 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用しているユニットで,起動処理中のサーバがある場合,そのユニットを強制停止しないでください。強制停止した場合,次回の現用系でサーバを起動したときに実行系サーバ起動待ち状態※2になることがあります。この場合,HAモニタのmonactコマンドを実行し,現用系を※3実行系として起動してください。
- 注※1
- スタンバイ型系切り替え機能及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能を適用したユニットの場合は,サーバをユニットと読み替えてください。
- 注※2
- HAモニタのmonshowコマンドを実行したとき,*SBY*と表示される状態のことです。
- 注※3
- 予備系(HAモニタのservers定義のinitオペランドにstandbyを指定した系)のサーバをmonactコマンドで実行系として起動した場合,実行系の起動が完了するまで,次に示すメッセージが現用系で繰り返し出力されることがあります。実行系の起動が完了するとこれらのメッセージは出力されなくなります。
- KFPS05608-I
- KAMN305-E
- KAMN222-I
- KAMN305-E及びKAMN222-IはHAモニタが出力するメッセージです。
(8) 予備系で運用コマンドを実行する場合の注意事項
スタンバイ型系切り替え構成において,通常は現用系で運用コマンドを実行してください。しかし,現用系が異常終了し回復できない場合,予備系で以下の運用コマンドを実行しなければならない場合があります。
- 共有ディスク上のHiRDBファイルシステムを対象とする運用コマンド
- システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,ステータスファイルを対象とする運用コマンド
HiRDBが停止状態の時に,予備系で上記の運用コマンドを実行する場合は,以下に示す運用が必要になります。
- 現用系と予備系の両方のHiRDBが停止状態であることを,pdls -d ustコマンドで確認してください。
- OSまたはクラスタソフトウェアのコマンドで,運用コマンドの対象とする共有ディスクを予備系で活性化してから,運用コマンドを実行してください。
- IPアドレス引き継ぎありの系切り替え構成の場合,OSまたはクラスタソフトウェアのコマンドで,運用コマンドを実行するユニットのIPアドレスを予備系で活性化してから,運用コマンドを実行してください。
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