スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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26.13.8 スタンバイレス型系切り替え機能使用時の注意事項

<この項の構成>
(1) 代替BESユニット又は代替部を再度開始する必要がある操作(1:1スタンバイレス型系切り替え機能限定)
(2) RDエリアのオープン契機について

(1) 代替BESユニット又は代替部を再度開始する必要がある操作(1:1スタンバイレス型系切り替え機能限定)

次の表に示す操作内容によっては,代替部を再度開始する必要があります。代替部を再度開始しないと,系切り替えが発生したときに代替部が異常終了します。

表26-48 代替BESユニット又は代替部を再度開始する必要がある操作

分類 操作 代替BESユニット(代替部)を再度開始する必要の有無
操作内容 実行系サーバを単独で正常停止した後の再起動の有無※1
SQLの実行 定義系SQLの実行 なし
あり
HiRDBシステム構築後最初の抽象データ型の定義(CREATE TYPE文の実行) なし
あり
運用コマンド又はユティリティの実行 構成変更ユティリティ(pdmod)の実行 HiRDBファイルシステム領域の世代登録 なし
あり
HiRDBファイルシステム領域の世代削除 なし
あり
監査人の登録 なし
あり
監査証跡表の作成 なし
あり
上記以外の操作 なし ※2
あり ※2
次のどれかのコマンドを実行
  • pddbchgコマンド
  • pdorbeginコマンド
  • pdorendコマンド
なし
あり
HiRDBシステム構築後最初のpdplgrgstコマンドの実行(CREATE TYPE文の実行) なし
あり
システム共通定義の変更 次のどれかの定義の変更
  • グローバルバッファの定義(pdbuffer)
  • RDエリアの最大数(pd_max_rdarea_no)
  • RDエリアを構成するHiRDBファイルの最大数(pd_max_file_no)
  • インナレプリカグループの最大数(pd_inner_replica_control)
  • 表予約数の最低保証値(pd_assurance_table_no)
  • インデクス予約数の最低保証値(pd_assurance_index_no)
なし
あり

(凡例)
○:代替部を再度開始する必要があります。
−:代替部を再度開始する必要はありません。

注※1
クラスタソフトウェアにHAモニタを使用している場合は該当しません(HAモニタの場合は,pdstopコマンドで実行系サーバを配置しているユニットを停止すると,代替BESユニット又は代替部も連動して停止するため,”なし”を参照してください)。

注※2
DSを配置しているユニットに高速系切り替え機能を適用している場合,その待機系ユニットの再起動も実施する必要があります。実施していない場合,そのユニットで系切り替えが発生すると異常終了します。

代替部が異常終了した場合は,pdstart -q -cコマンドで代替部を開始してください。

なお,代替中に前記の操作をした場合は,正規BESユニットを一度終了してから再度開始してください。正規BESユニットを再度開始しないと,系切り替え(系の切り戻し)が発生したときに正規BESユニットが異常終了します。正規BESユニットが異常終了した場合は,正規BESユニットをpdstart -qコマンド又はpdstart -uコマンドで開始してください。

(2) RDエリアのオープン契機について

(a) 1:1スタンバイレス型系切り替え機能使用時の場合

1:1スタンバイレス型系切り替え機能では系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,正規BES下のRDエリアのオープン契機は次のようになります。

RDエリアのオープン契機については,「15.6 RDエリアのオープン契機を変更する方法(RDエリアの属性変更)」を参照してください。

(b) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能使用時の場合

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能では,系切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,RDエリアのオープン契機は次のようになります。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を使用した場合のRDエリアオープン契機については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」のpd_rdarea_open_attribute_useオペランド,及びpd_rdarea_open_attributeオペランドの説明を参照してください。