スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
スタンバイ型系切り替え機能使用時のHiRDBの終了方法を次の表に示します。
表26-32 スタンバイ型系切り替え機能使用時のHiRDBの終了方法
条件 | 終了方法 | |
---|---|---|
クラスタソフトウェアがHAモニタの場合 | 実行系及び待機系の両方を終了する場合 | pdstopコマンドで実行系HiRDBを終了します。待機系HiRDBも連動して終了します。計画停止又は強制終了のときも同様です。 ユニット単位に終了する場合は,pdstop -uコマンドで実行系ユニットを終了します。待機系ユニットも連動して終了します。pdstop -zコマンドを実行するときも同様です。 |
待機系だけを終了する場合 | HAモニタのmonsbystpコマンドで待機系だけを終了します。 | |
クラスタソフトウェアがHAモニタ以外の場合 | 実行系及び待機系の両方を終了する場合※ | pdstopコマンドで実行系HiRDBを終了した後に,Hitachi HA Toolkit Extensionのhatesbystpコマンドで待機系HiRDBを終了します。pdstopコマンドを実行しても待機系HiRDBは終了しません。計画停止又は強制終了のときも同様です。 ユニット単位に終了する場合は,pdstop -uコマンドで実行系ユニットを終了した後に,Hitachi HA Toolkit Extensionのhatesbystpコマンドで待機系ユニットを終了します。pdstop -uコマンドを実行しても待機系ユニットは終了しません。pdstop -zコマンドを実行するときも同様です。 |
待機系だけを終了する場合 | Hitachi HA Toolkit Extensionのhatesbystpコマンドで待機系HiRDBを終了します。 |
1:1スタンバイレス型系切り替え機能使用時のHiRDBの終了方法を次の表に示します。
表26-33 1:1スタンバイレス型系切り替え機能使用時のHiRDBの終了方法
目的 | 実行するコマンド | 備考(ほかのユニット又は代替部への影響) | |
---|---|---|---|
HiRDBの終了 | pdstop | 代替BESを意識した操作は必要ありません。代替中でも操作は変わりません。 | |
正規BESユニットの終了 | pdstop -u | 代替部の待機状態※1が解除されます。 | |
代替BESユニットの終了 | 正常時 | pdstop -u | 代替BESユニット内の代替部の待機状態※1が解除されます。 |
代替中 | 代替BESユニット内の代替部も停止します。 また,正規BESユニットが待機状態※2の場合は,待機状態を解除します。 |
||
代替中の代替部の終了 | pdstop -u | ユニット識別子には正規BESユニットのユニット識別子を指定します。 | |
代替部の待機状態の解除 | hatesbystp※3 | なし。 | |
正規BESユニットの待機状態の解除 | hatesbystp※4 |
代替BESユニット又は正規BESユニットの終了方法を例で説明します。
実行系,及び待機系の両方を終了する場合の停止方法について説明します。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのシステム全体の停止運用を次の表に示します。
表26-34 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのシステム全体の停止運用
入力場所 | コマンド | オプション | 条件 | 動作 |
---|---|---|---|---|
-f | 強制/異常停止サーバ | |||
システムマネジャのあるユニット | pdstop | なし | あり※1 | エラー(新規メッセージ(KFPS05063-E相当)出力) |
なし | なし※2 | システム停止 | ||
あり | あり | システム強制停止(一部ユニットは既に停止中) | ||
あり | なし | システム強制停止 |
システム停止時の処理を次の表に示します。
表26-35 システム停止時の処理
対象 | 処理内容 |
---|---|
ユニット | システムが停止する場合は,システムマネジャから全ユニットに対してユニット停止(pdstop -u UID (-f) 相当)を実行します。 |
サーバ | システム停止に伴って各ユニットが停止する場合は,該当ユニットの全ホストBES,及び全ゲストBESに対してサーバ停止(pdstop -q -s サーバ名 (-f) 相当)を実行します。 |
システム停止時は,正常終了の場合も強制停止の場合も,自動的に受け入れユニットのゲストBESの受け入れ可能状態を解除します。あるゲストBESが稼働中であっても,停止操作は変わりません。ゲストBESの稼働状態を意識した操作は不要です。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのシステム停止時の各種バックエンドサーバに対する処理を次の表に示します。
表26-36 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのシステム停止時の各種バックエンドサーバに対する処理
バックエンドサーバの種別 | 処理 | |
---|---|---|
ホストBES | 実行中 | 停止 |
受け入れ可能状態 | 受け入れ可能状態の自動解除 | |
ゲストBES | 実行中 | 自動停止 |
受け入れ可能状態 | 受け入れ可能状態の自動解除 |
システム停止の例を次の図に示します。この例では,システムを停止すると,次のサーバを停止します。
また,次のサーバについて受け入れ可能状態を解除します。
図26-66 システム停止の例
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのユニットの停止運用を次の表に示します。
表26-37 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのユニットの停止運用
入力場所 | コマンド | オプション | 動作 | ||
---|---|---|---|---|---|
-z | -u | -f | |||
システムマネジャのあるユニット | pdstop | なし | あり | なし | 対象ユニットの正常停止 |
あり | 対象ユニットの強制停止 | ||||
対象ユニット | pdstop | あり | なし | なし | 対象ユニットの強制停止 |
ユニットを停止する場合は,該当ユニットの全ホストBES,及び全ゲストBESに対してサーバ停止(pdstop -q -s サーバ名 (-f) 相当)を実行します。
ユニット内のサーバ状態ごとのユニット正常停止の可否を次の表に示します。影響分散スタンバイレス型系切り替え機能では,ホストBES,ゲストBESの種別に関係なくサーバの単独異常停止,強制停止中サーバがあっても,ユニットとしては正常停止できます。
表26-38 ユニット内のサーバ状態ごとのユニット正常停止の可否
サーバ状態(ホストBES,ゲストBESを含む) | ユニット正常停止の可否 | ||
---|---|---|---|
起動途中/停止途中※1 | 待機中※2 | 停止中※3 | 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能 |
なし | なし | なし | ○ |
あり | ○ | ||
あり | なし | ○ | |
あり | ○ | ||
あり | なし | なし | × |
あり | × | ||
あり | なし | × | |
あり | × |
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのユニット停止時の各種バックエンドサーバの処理を次の表に示します。
表26-39 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのユニット停止時の各種バックエンドサーバの処理
稼働場所 | バックエンドサーバの状態 | 処理 |
---|---|---|
該当ユニット | 実行中 | 停止 |
受け入れ可能状態 | 受け入れ可能状態の解除 | |
他ユニット | 実行中 | 変化なし |
受け入れ可能状態 | 受け入れ可能状態の自動解除 |
図26-67 通常時のユニットの停止の例
図26-68 受け入れ中のユニットの停止の例
図26-69 ゲストBESだけのユニットの停止の例
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのサーバの停止運用を次の表に示します。
表26-40 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのサーバの停止運用
入力場所 | コマンド | オプション | 動作 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
-z | -u | -s | -f | |||
システムマネジャのあるユニット | pdstop | なし | なし | あり | なし | 対象サーバの停止※2 |
あり | 全稼働中HAグループ内ユニットで対象サーバの強制停止※1 | |||||
あり | あり | なし | 対象サーバの停止※2※3 | |||
あり | 対象サーバの強制停止※2 | |||||
対象ユニット | pdstop | あり | なし | あり | なし | 対象サーバの強制停止(ホストBES)※4 |
表26-41 サーバ状態ごとのサーバの停止結果
サーバの状態 | 開始結果 |
---|---|
実行系起動待ち | 実行系起動待ちの解除 |
受け入れ可能状態 | 受け入れ可能状態の解除 |
稼働中 | サーバ停止 |
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのサーバ停止時の各種バックエンドサーバに対する処理を次の表に示します。
表26-42 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能でのサーバ停止時の各種バックエンドサーバに対する処理
稼働場所 | バックエンドサーバの状態 | 処理 |
---|---|---|
稼働ユニット | 操作対象 | 停止 |
他ユニット | 受け入れ可能状態 | 受け入れ可能状態の解除 |
図26-70 ホストBESの停止の例
図26-71 ゲストBESの停止の例
待機系だけを終了する場合の停止方法について説明します。
スタンバイ型系切り替え機能,及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能と同じく,HAモニタのmonsbystpコマンドによって待機系を終了できます。影響分散スタンバイレス型系切り替え機能では,システムマネジャがあるユニットからの操作もできます。
影響分散スタンバイレス型系切り替え機能での待機系の終了方法を次の表に示します。
表26-43 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能での待機系の終了方法
入力場所 | コマンド | 操作対象 | 動作 |
---|---|---|---|
操作対象サーバを配置したホスト | monsbystp※ | 受け入れ可能状態のバックエンドサーバ | ゲストBESの受け入れ可能状態の解除 |
システムマネジャのあるユニット | pdstop -u -s |
ゲストBESの受け入れ可能状態の解除の例を次の図に示します。
図26-72 ゲストBESの受け入れ可能状態の解除の例
ゲストBESの受け入れ可能状態を解除するには,HAモニタのmonsbystpコマンドを入力します。なお,Hitachi HA Toolkit Extension使用時は,hatesbystpコマンドを入力します。
待機系のホストBESの停止の例を次の図に示します。
図26-73 待機系のホストBESの停止の例
待機系のホストBESを停止するには,HAモニタのmonsbystpコマンドを入力します。なお,Hitachi HA Toolkit Extension使用時は,hatesbystpコマンドを入力します。
サーバモードで系切り替え機能を運用するシステムで,pdstop -fコマンド又はpdstop -zコマンドで実行系HiRDBを強制終了した場合,その処理が途中で異常終了すると,待機系のHAモニタが実行系HiRDBの異常を検知し,系切り替えを実行してしまうことがあります。
この系切り替えを抑止したい場合は,pd_deter_restart_on_stop_failオペランドにYを指定します。詳細については,「表26-14 系切り替え機能に関するHiRDBシステム定義のオペランド」及びマニュアル「HiRDB Version 8 システム定義」を参照してください。
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