スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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23.6.1 監査証跡ファイルの作成

<この項の構成>
(1) 監査証跡ファイルの作成規則
(2) 監査証跡ファイルの名称
(3) 監査証跡ファイルへの出力

(1) 監査証跡ファイルの作成規則

監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域内にHiRDBが自動的に監査証跡ファイルを作成します。最初に作成した監査証跡ファイルを1世代目として,順に2世代目,3世代目,…というように作成します。監査証跡ファイルの作成規則を次の図に示します。

図23-5 監査証跡ファイルの作成規則

[図データ]

HiRDBファイルシステム領域内に作成される監査証跡ファイル数の上限はpd_aud_max_generation_numオペランドの値になります。ただし,pdfmkfsコマンドの-lオプションの値がpd_aud_max_generation_numオペランドの値より小さい場合は,-lオプションの値が上限になります。また,HiRDBファイルシステム領域の領域不足が発生した場合は,pd_aud_max_generation_numオペランドの値まで監査証跡ファイルを作成できません。

(2) 監査証跡ファイルの名称

監査証跡ファイルの名称は次に示す規則で決まります。

 pdaudユニット識別子001〜200.aud

(例)ユニット識別子がUNT1で,pd_aud_max_generation_num=100の場合
1世代目のファイル名:pdaudUNT1001.aud
2世代目のファイル名:pdaudUNT1002.aud
     :        :
99世代目のファイル名:pdaudUNT1099.aud
100世代目のファイル名:pdaudUNT1100.aud

監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域内に監査証跡ファイル以外のファイルを作成する場合は,上記の名称規則に該当するファイルを作成しないでください。

(3) 監査証跡ファイルへの出力

監査証跡の出力方式
監査証跡の出力方式はpd_aud_async_buff_sizeオペランドで同期出力又は非同期出力のどちらかを選択できます。

非同期出力用バッファフラッシュ契機
非同期出力を選択した場合は監査証跡の出力契機が発生すると,監査証跡を一時的に非同期出力用のバッファに格納します。非同期出力用のバッファに格納した監査証跡は次に示す契機に監査証跡ファイルに出力されます。これを非同期出力用バッファフラッシュ契機といいます。
  • 非同期出力用バッファが満杯になった場合
  • pdaudswapコマンドを実行した場合
  • pdaudendコマンドを実行した場合
  • pdstopコマンドでHiRDB(ユニット)を正常終了又は計画停止した場合
非同期出力用バッファのフラッシュ契機が多発すると,すべての面のバッファがバッファから監査証跡ファイルへの出力待ちとなり障害が発生することがあります。詳細については,「23.18 監査証跡の非同期出力時に使用するバッファのすべての面が,バッファから監査証跡ファイルへの出力待ちとなった場合」に示します。

監査証跡の出力処理
監査証跡ファイルへの監査証跡の出力処理は出力方式によって次のようになります。
  • 同期出力の場合
    監査証跡ファイルが一つもない場合は,最初の監査証跡の取得契機時に監査証跡ファイルを作成して監査証跡を出力します。監査証跡ファイルが一つ以上ある場合は,監査証跡の取得契機ごとに監査証跡を現用ファイルに出力します。
  • 非同期出力の場合
    監査証跡ファイルが一つもない場合は,最初の非同期出力用バッファフラッシュ契機に監査証跡ファイルを作成して監査証跡を出力します。監査証跡ファイルが一つ以上ある場合は,非同期出力用バッファフラッシュ契機ごとに監査証跡を現用ファイルに出力します。