スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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20.6.3 例題3(全RDエリアを最新の同期点に回復する場合

システム用RDエリアを含む全RDエリアを障害発生直前の最新の同期点に回復します。バックアップは,システム単位で取得したバックアップ(全RDエリアを対象としたバックアップ)があります。システムログファイルの運用方法は,システムログをアンロードする運用をしています。

<この項の構成>
(1) pdloglsコマンドで現用のシステムログファイルを調べます
(2) pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします
(3) 現用だったファイルの内容をpdlogunldコマンドでアンロードします
(4) pdstop又はpdstop -PコマンドでHiRDBを正常終了又は計画停止します
(5) マスタディレクトリ用RDエリアをバックアップ取得時点に回復します
(6) pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します
(7) pdrstrコマンドでマスタディレクトリ用RDエリアを最新の同期点に回復します
(8) データディレクトリ用RDエリアなどをバックアップ取得時点に回復します
(9) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します
(10) pdstartコマンドでHiRDBを開始します
(11) pdholdコマンドでRDエリアを閉塞,クローズ状態にします
(12) pdholdコマンドでデータディクショナリ用RDエリアを閉塞,クローズ状態にします
(13) pdrstrコマンドでマスタディレクトリ用RDエリア以外のRDエリアを最新の同期点に回復します
(14) pdrelsコマンドでデータディクショナリ用RDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします
(15) pdrelsコマンドでそのほかのRDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします
(16) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します
(17) 全RDエリアのバックアップを取得します
(18) pdstartコマンドでHiRDBを開始します
(19) データディクショナリLOB用RDエリア(オブジェクト格納用)を回復します

(1) pdloglsコマンドで現用のシステムログファイルを調べます

HiRDB/パラレルサーバの場合は,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバのシステムログファイルを調べてください。

 
pdlogls -d sys
 

(2) pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします

現用ファイルの内容をアンロードするため,システムログファイルをスワップします。HiRDB/パラレルサーバの場合は,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバのシステムログファイルをスワップしてください。

 
pdlogswap -d sys
 

(3) 現用だったファイルの内容をpdlogunldコマンドでアンロードします

(1)で調べた現用ファイルの内容をアンロードしてください。HiRDB/パラレルサーバの場合は,ディクショナリサーバ及びバックエンドサーバの現用ファイルの内容をアンロードしてください。

 
pdlogunld -d sys -g log01 -o /unld/unldlog02
 

(4) pdstop又はpdstop -PコマンドでHiRDBを正常終了又は計画停止します

HiRDBを正常終了又は計画停止できない場合は,ステータスファイルを初期化してください。いったんpdstsrmコマンドでステータスファイルを削除した後に,pdstsinitコマンドでステータスファイルを再作成してください。

 
pdstop
 

(5) マスタディレクトリ用RDエリアをバックアップ取得時点に回復します

ほかの製品のリストア機能で,マスタディレクトリ用RDエリアをバックアップ取得時点に回復します。

(6) pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します

 
pdstart -r
 

(7) pdrstrコマンドでマスタディレクトリ用RDエリアを最新の同期点に回復します

 
pdrstr -m /rdarea/mast/mast01 -l /unld/unldlog01,/unld/unldlog02 
-w /tmp/sortwork -r rdmast
 

〔説明〕
-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-l:アンロードログファイルの名称を指定します。
-w:ソート用ワークディレクトリの名称を指定します。
-r:マスタディレクトリ用RDエリア(rdmast)の名称を指定します。

(8) データディレクトリ用RDエリアなどをバックアップ取得時点に回復します

ほかの製品のリストア機能で,次に示すRDエリアをバックアップ取得時点に回復します。

(9) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

 
pdstop
 

(10) pdstartコマンドでHiRDBを開始します

 
pdstart
 

(11) pdholdコマンドでRDエリアを閉塞,クローズ状態にします

マスタディレクトリ用RDエリア及びデータディクショナリ用RDエリアを除いた全RDエリアを閉塞,クローズ状態にします。

 
pdhold -r rddir,diclob,regrd,reglob,rdarea01,rdarea02,… -c
 

(12) pdholdコマンドでデータディクショナリ用RDエリアを閉塞,クローズ状態にします

データディクショナリ用RDエリアの閉塞,クローズは最後に行う必要があります。

 
pdhold -r rddic -c
 

(13) pdrstrコマンドでマスタディレクトリ用RDエリア以外のRDエリアを最新の同期点に回復します

 
pdrstr -m /rdarea/mast/mast01 -l /unld/unldlog01,/unld/unldlog02 
-w /tmp/sortwork -r rddir,rddic,diclob,regrd,reglob,rdarea01,rdarea02,…
 

〔説明〕
-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-l:アンロードログファイルの名称を指定します。
-w:ソート用ワークディレクトリの名称を指定します。
-r:回復するRDエリアの名称を指定します。

(14) pdrelsコマンドでデータディクショナリ用RDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします

データディクショナリ用RDエリアの閉塞解除,オープンは最初に行う必要があります。

 
pdrels -r rddic -o
 

(15) pdrelsコマンドでそのほかのRDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします

マスタディレクトリ用RDエリア及びデータディクショナリ用RDエリアを除いた全RDエリアの閉塞を解除し,オープン状態にします。

 
pdrels -r rddir,diclob,regrd,reglob,rdarea01,rdarea02,… -o
 

(16) pdstopコマンドでHiRDBを正常終了します

 
pdstop
 

(17) 全RDエリアのバックアップを取得します

ほかの製品のバックアップ機能で全RDエリアのバックアップを取得します。

(18) pdstartコマンドでHiRDBを開始します

 
pdstart
 

(19) データディクショナリLOB用RDエリア(オブジェクト格納用)を回復します

データディクショナリLOB用RDエリア(オブジェクト格納用)の回復手順を次に示します。

〈手順〉
  1. pdmodコマンドで,オブジェクト格納用のデータディクショナリLOB用RDエリアを再初期化します。
    pdmod -a /pdmod/mod01
  2. ALTER ROUTINEで,全ストアドルーチン及び全トリガのSQLオブジェクトを再作成します。
    ALTER ROUTINE ALL

 

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。