スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
システムログファイルの容量不足などで,現用として割り当てられるファイルがなくなると,HiRDBはKFPS01220-Eメッセージを出力してHiRDB(ユニット)を異常終了します。このとき,アボートコード Psjnf07又は Psjn381が出力されます。このとき,HiRDB管理者は次に示す手順に従って業務を再開してください。
以降で説明する手順の中で,メッセージを調べる操作があります。このとき,HiRDBのメッセージログファイル($PDDIR/spool/pdlog1及びpdlog2)中のメッセージは上書きされている可能性があるため,syslogfile中のメッセージを参照するようにしてください。
異常終了の原因となったサーバは,KFPS01220-Eメッセージから分かります。
syslogfileの内容
KFPS01220-E PRDT untF Request to swap sys(bes1) log file unable to be executed because there is no standby log file group available.(13830) |
この例では,異常終了の原因となったサーバは bes1です。このサーバのシステムログファイルの構成は次のようだとします。
再開始時の入力情報になるシステムログファイルの個数は,KFPS01229-Iメッセージとpdloglsコマンドから分かります。
syslogfileの内容
KFPS01220-E PRDT untF Request to swap sys(bes1) log file unable to be executed because there is no standby log file group available.(13830) KFPO00105-E PRDT untF Server _log1s(process ID=13830) killed by code=Psjnf07(13830) KFPS01821-E PRDT untF Unable to continue HiRDB unit processing because serious error occurred; stops HiRDB unit untF (13776) KFPS01229-I PRDT untF Next bes1 log file restart point,generation number=4, block number=d. restart end point, generation number=6, blocknumber=11. last acquired syncpoint dump 1998/11/15 15:54:41 (13776) |
pdloglsコマンドの実行結果
pdlogls -d sys -s bes1 HOSTNAME : dcm3500(163541) ***** Off-line Information ***** Group Type Server Gen No. Status Run ID Block No. logfg01 sys bes1 1 cna---u 364a4ac2 1 6 logfg02 sys bes1 2 cna---u 364a4ac2 7 9 logfg03 sys bes1 3 cna---u 364a4ac2 a c logfg04 sys bes1 4 cna---u 364a4ac2 d e logfg05 sys bes1 5 cna---u 364a4ac2 f 10 logfg06 sys bes1 6 cn---cu 364a4ac2 11 0 logfg07 sys bes1 0 cn----- 00000000 0 0 logfg08 sys bes1 0 cn----- 00000000 0 0 |
システムログファイルを追加するHiRDBファイルシステム領域に,(2)で求めた4個分のシステムログファイルを追加するだけの空き領域があるかどうかをpdfstatfsコマンドで確認してください。
pdfstatfs /bes1/sysfile_a pdfstatfs /bes1/sysfile_b |
なお,一つ当たりのシステムログファイルの大きさが分からない場合は,次に示す手順で調べてください。
pdlogadfg -d sys -g logfg09 ONL pdlogadpf -d sys -g logfg09 -a /bes1/sysfile_a/log09a\ -b /bes1/sysfile_b/log09b pdlogadfg -d sys -g logfg10 ONL pdlogadpf -d sys -g logfg10 -a /bes1/sysfile_a/log10a\ -b /bes1/sysfile_b/log10b pdlogadfg -d sys -g logfg11 ONL pdlogadpf -d sys -g logfg11 -a /bes1/sysfile_a/log11a\ -b /bes1/sysfile_b/log11b pdlogadfg -d sys -g logfg12 ONL pdlogadpf -d sys -g logfg12 -a /bes1/sysfile_a/log12a\ -b /bes1/sysfile_b/log12b |
追加するシステムログファイルに対応するpdlogadfg及びpdlogadpfオペランドを追加指定します。この例では,A系とB系それぞれ4個追加しています。
pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_a/log09a -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_b/log09b -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_a/log10a -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_b/log10b -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_a/log11a -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_b/log11b -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_a/log12a -n 5000 pdloginit -d sys -s bes1 -f /bes1/sysfile_b/log12b -n 5000 |
この例では,A系とB系それぞれ4個追加しています。
●HiRDB/シングルサーバの場合
pdstart |
●HiRDB/パラレルサーバの場合
HiRDB/パラレルサーバの場合は該当するユニットを再開始してください。
pdstart -u untF |
HiRDB(ユニット)を再開始するとすぐに業務を受付られますが,まだ業務を再開しないでください。HiRDB(ユニット)の再開始直後は,HiRDBはまだデータベースの回復処理中です。このとき大量のデータベース更新業務をしてしまうと,再度システムログファイル不足になることがあります。そうなると,そのHiRDB(ユニット)が再度異常終了してしまいます。したがって,(9)までの手順が完了するまでは業務の再開を控えてください。
HiRDBを再開始すると,シンクポイントダンプが有効化されます。シンクポイントダンプが有効化されると,KFPS02183-Iメッセージが出力されます。シンクポイントダンプが有効化されたのを確認してから,次の操作をしてください。
なお,KFPS02183-Iメッセージは,pd_spd_assurance_msgオペランドにYを指定しているか,又はこのオペランドを省略していないと出力されません。この条件を満たしていない場合は,「19.17.6 シンクポイントダンプの有効化の確認方法」で説明している方法で,シンクポイントダンプが有効化されたのを確認してください。
pdcopy -m dcm3500:/dbarea/area1/rdmt1 -M x -p /usr/ofile -f /usr/seifile/cfl -z /usr/bes1/logpoint02 |
アンロードレスシステムログ運用をしていた場合は業務を再開する前に,データベース複写ユティリティ(pdcopyコマンド)でサーバ内の全RDエリアのバックアップを取得します。このとき,-zオプションを指定してログポイント情報ファイルを取得してください。バックアップの取得については,「6. バックアップの取得方法」を参照してください。
そして,バックアップを取得した後に,pdlogchg -zコマンドでシステムログファイルを解放して,ファイルの状態をアンロード済み状態にしてください。
pdlogchg -z /usr/bes1/logpoint02 [-x host_name] |
pdlogls -d sys -s bes1 |
スワップ先にできる状態のファイルがないと,再度HiRDBが異常終了する可能性があります。早急にスワップ先にできる状態のファイルを作成してください。例えば,アンロード待ち状態を解除すればスワップ先にできる状態にできる場合は,pdlogunldコマンドでシステムログをアンロードしてください。
業務を再開してください。
システムログファイルの容量を見直してください。システムログファイルの容量の求め方については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。その結果,追加したシステムログファイルが不要な場合は削除してください。システムログファイルの削除手順を次に示します。
ただし,アンロードレスシステムログ運用をしている場合には,削除対象のシステムログファイルを現用として使用している間は,システムログファイルを削除できません。削除対象でないシステムログファイルを現用として使用していることを確認して,再度前記(8)の処置をした後にシステムログファイルを削除してください。
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