スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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13.12.1 分割格納条件の変更の目的

横分割表に格納されたデータは,時間経過とともに増加していきます。この結果,過去の古いデータを削除する必要が出てきます。しかし,データの登録日時などを分割キーに指定している場合,古いデータを削除するだけでは,古いデータを格納していたRDエリアを再利用できません。古いデータを格納していたRDエリアを再利用するためには,次の運用が必要となります。

  1. 変更する表のデータをすべてアンロードします。
  2. 変更する表を削除します。
  3. 新たな分割格納条件を指定して表を再作成します。
  4. 再作成した表に対してデータをリロードします。

この変更作業をする間,変更する表に対する業務は一時停止しなくてはなりません。変更する表の全データをアンロード後,リロードする必要があるため,作業時間が長くなり,その間停止している業務への影響は大きくなります。

横分割した表の分割格納条件をALTER TABLEで変更することで,RDエリアを再利用するための作業時間を短くできます。

<この項の構成>
(1) 分割格納条件の変更の概要(境界値指定の場合)
(2) 分割格納条件の変更の概要(格納条件指定の場合)
(3) 分割格納条件の変更の概要(マトリクス分割の場合)

(1) 分割格納条件の変更の概要(境界値指定の場合)

分割格納条件の変更の概要(境界値指定の場合)を次の図に示します。

図13-12 分割格納条件の変更の概要(境界値指定の場合)

[図データ]

〔説明〕
  1. 分割格納条件の統合によって,RDエリア(R01,R02)に格納していた,1999年以前と2000年の格納条件(定義情報)を一つに統合して,RDエリアR02に格納できます。同時にRDエリアR01中のデータを削除します。
  2. 分割格納条件の分割によって,2002年の格納条件を2002年の格納条件と2003年の格納条件に分割します。この結果,2002年のデータをRDエリアR04に,2003年以降のデータを1999年のデータを格納していたRDエリアR01を再利用して格納できます。

この結果,1.のときはR01とR02のデータだけをアンロードし,分割格納条件の変更後,R02へロードするだけでよくなります。また,2.のときはR04だけをアンロードし,分割格納条件の変更後,R04とR01にロードすればよいことになります。また,1.でR01の内容を削除してもよく,2.で2003年以降のデータがR04になければ,アンロードとリロードの必要がないため,短い時間でRDエリアの構成を変更できます。このため,上昇していくキーの値とともに増加するデータを格納するRDエリアを循環して再利用する運用ができるようになります。

(2) 分割格納条件の変更の概要(格納条件指定の場合)

分割格納条件の変更の概要(格納条件指定の場合)を次の図に示します。

図13-13 分割格納条件の変更の概要(格納条件指定の場合)

[図データ]

〔説明〕
支店名をキーにして表を格納条件指定で横分割しています。支店の統廃合によって,支店の削除又は追加がある場合,支店のデータを複数の支店に分割したり,複数の支店のデータを一つの支店に統合したりできます。
  1. 横浜支店と関内支店が統合されるため,両支店のデータをRDエリア(R02)に統合し,RDエリア(R01)中のデータを削除します。
  2. 品川支店が東京支店から分離して追加されるため,RDエリア(R04)中のデータを分割します。品川支店のデータをRDエリア(R04)に格納し,東京支店のデータをRDエリア(R05)に格納します。
 
ポイント
  • 「1.表の分割格納条件の統合」のときは,アンロードする必要があるデータはR01とR02のデータだけです。R03とR04のデータはアンロードする必要はありません。
  • 「2.表の分割格納条件の分割」のときは,アンロードする必要があるデータはR04のデータだけです。R02とR03のデータはアンロードする必要はありません。

(3) 分割格納条件の変更の概要(マトリクス分割の場合)

分割格納条件の変更の概要(マトリクス分割の場合)を次の図に示します。

図13-14 分割格納条件の変更の概要(マトリクス分割の場合)

[図データ]

〔説明〕
  1. 第2次元の分割格納条件の統合によって,RDエリア(RD11,RD12,RD21,RD22,RD31,及びRD32)に格納していた,2004年以前と2005年の格納条件(定義情報)を一つに統合して,RDエリアRD12,RD22,及びRD32に格納します。同時にRDエリアRD11,RD21,及びRD31のデータを削除します。
  2. 分割格納条件の分割によって,2007年の格納条件を2007年の格納条件と2008年の格納条件に分割します。2007年のデータをRDエリアRD14,RD24,及びRD34に,2008年以降のデータをRDエリアRD15,RD25,及びRD35に格納します。