スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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8.1.4 syslogfileへのメッセージ出力抑止

HiRDBはシステムの稼働状況を知らせるメッセージとして,障害情報やトランザクション情報,システムファイルの情報などをsyslogfileに出力します。これらのメッセージは,HiRDBの稼働状況を知るための重要な情報ですが,稼働環境によっては大量のメッセージが出力されるため,必要なメッセージを見付けるのに時間が掛かります。この場合,syslogfileに出力されるメッセージのうち,必要のないメッセージの出力を抑止して,メッセージ検索時の運用性向上を図ることができます。

<この項の構成>
(1) 環境設定
(2) メッセージの出力抑止時の処理
(3) メッセージの出力抑止の例外について
(4) 使用例
(5) 注意事項
(6) ほかの機能との関連(HiRDB/パラレルサーバ限定)

(1) 環境設定

出力抑止するメッセージをpdmlgputオペランドで指定します。このオペランドでは次に示すような指定もできます。

(2) メッセージの出力抑止時の処理

メッセージの出力抑止を行った場合,syslogfileに出力されるメッセージが出力抑止されます。出力抑止されたメッセージは,メッセージログファイルに出力されます。メッセージの出力抑止の使用有無によるメッセージ出力処理の違いを次の表に示します。

表8-3 メッセージの出力抑止の使用有無によるメッセージ出力処理の違い

出力抑止の指定 システムマネジャが
あるサーバマシン
システムマネジャが
ないサーバマシン
syslogfile メッセージ
ログファイル
syslogfile メッセージ
ログファイル
出力抑止を指定しない場合 ×※1 ×
出力抑止を指定する場合 × ※2 × ※1※3

(凡例)
○:メッセージを出力します。
×:メッセージを出力しません。

HiRDB/シングルサーバの場合はシステムマネジャがあるサーバマシンの欄が該当します。

注※1
HiRDB/パラレルサーバの場合,システムマネジャがあるサーバマシンのsyslogfile及びメッセージログファイルにメッセージが出力されます。ただし,次に示す場合は,メッセージは出力されないか,又はメッセージ出力元サーバマシンのsyslogfileに出力されることがあります。
  • システムマネジャユニットの開始完了前,又は障害が発生している場合
  • メッセージログサーバの異常終了後,又は再起動前
  • 待機系システム

注※2
syslogfile及びメッセージログファイルの両方に出力されているメッセージについては,メッセージログファイルにだけ出力されます。

注※3
HiRDB/パラレルサーバの場合,システムマネジャがないサーバマシンの$PDDIR/spool下にpdlog1及びpdlog2ファイル(メッセージログファイル)を作成し,そこにsyslogfileに出力していたメッセージが出力されます。

(3) メッセージの出力抑止の例外について

次に示す場合はメッセージの出力を抑止しません。syslogfileに出力します。

(a) メッセージログファイルに障害が発生した場合

メッセージログファイルに障害が発生した場合,障害発生を示すメッセージをsyslogfileに出力します。また,障害発生のため,メッセージログファイルに出力できなかったメッセージもsyslogfileに出力します。

(b) HiRDBシステム定義の定義エラーがある場合

HiRDBシステム定義ファイルの内容に誤りがあるときに出力されるメッセージは出力抑止されません。この場合,syslogfileにエラーメッセージが出力されます。

(c) コマンド実行時に出力されるメッセージ

次に示すコマンドの実行時に出力されるメッセージは出力抑止の対象になりません。

(4) 使用例

(a) 例1

すべてのメッセージをsyslogfileに出力しないで,メッセージログファイルに出力します。この場合のpdmlgputオペランドの指定例を次に示します。

 
pdmlgput -s N -c ALL
 
(b) 例2

KFPS01820及びKFPS00105メッセージをsyslogfileに出力しないで,メッセージログファイルに出力します。この場合のpdmlgputオペランドの指定例を次に示します。

 
pdmlgput -s N -m KFPS01820,KFPS00105
 
(c) 例3

KFPH00211及びKFPH00212メッセージだけをsyslogfileに出力し,そのほかのメッセージはメッセージログファイルに出力します。この場合のpdmlgputオペランドの指定例を次に示します。

 
pdmlgput -s N -c ALL                          ...1
pdmlgput -s Y -m KFPH00211,KFPH00212         ...2
 

〔説明〕
  1. すべてのメッセージをsyslogfileに出力しないで,メッセージログファイルに出力します。
  2. KFPH00211及びKFPH00212メッセージは,syslogfile及びメッセージログファイルに出力します。

(5) 注意事項

(a) メッセージログファイルの容量が一杯になったときの処理について

メッセージログファイルの容量(pd_mlg_file_sizeオペランドの値)が一杯になった場合,メッセージログの出力先をもう一方のメッセージログファイルに切り替えます。切り替えを行う場合,KFPS01910-Iメッセージがsyslogfileに出力されます。KFPS01910-Iメッセージの出力を抑止している場合,KFPS01910-Iメッセージは切り替え前のメッセージログファイルに出力されます。メッセージログファイルを監視している場合,KFPS01910-Iメッセージが出力された後に,監視対象のメッセージログファイルをもう一方のメッセージログファイルに変えてください。

(b) メッセージログファイルの容量について

メッセージの出力抑止を適用する場合,メッセージログファイルの容量を十分に確保してください。メッセージログファイルの容量は,pd_mlg_file_sizeオペランド(省略値は1024キロバイト)で指定します。

メッセージの出力抑止を適用すると,稼働環境によってはメッセージログファイルに大量のメッセージが出力されることがあります。このため,メッセージログファイルの容量を十分に確保しないと,メッセージログファイルが短い間隔で上書きされて,メッセージログファイルだけに出力されているシステムの稼働状況や,トラブルシュート情報などの重要なメッセージが消去されてしまう可能性があります。

(6) ほかの機能との関連(HiRDB/パラレルサーバ限定)

メッセージの出力抑止とメッセージログの出力分散化を組み合わせて使用するときのHiRDBの処理を次の表に示します。

表8-4 メッセージの出力抑止とメッセージログの出力分散化を組み合わせて使用するときのHiRDBの処理

条件 メッセージの出力先
メッセージの出力抑止
を適用しない場合
メッセージの出力抑止
を適用する場合
メッセージログの出力分散化 適用しない場合
  • システムマネジャがあるサーバマシンのメッセージログファイル
  • システムマネジャがあるサーバマシンのsyslogfile

  • システムマネジャがあるサーバマシンのメッセージログファイル
適用する場合
  • 各サーバマシンのメッセージログファイル
  • 各サーバマシンのsyslogfile

  • 各サーバマシンのメッセージログファイル