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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


1.1 定義の体系

OpenTP1の定義には,次の四つがあります。

  1. システムサービス定義

    TP1/Server Baseに関する情報を定義します。

    システムで動作するサービス群の構成や,システム共通の実行環境の定義です。

  2. ネットワークコミュニケーション定義

    TP1/Message Controlに関する情報を定義します。

    TP1/Message Controlのメッセージ制御機能を使って他システムと通信する場合の,システム論理構成や,使用する業務プログラム,サービスなどの実行環境の定義です。

    プロトコル部分の詳細については,マニュアル「OpenTP1 プロトコル」の該当するプロトコル編を参照してください。

    なお,このマニュアルでは,以後メッセージ制御機能をMCFMessage Control Facility)と呼びます。

  3. メッセージキュー定義

    TP1/Message Queueに関する情報を定義します。

    TP1/Message Queueのメッセージキューイング機能を使って,他システムと通信する場合の実行環境の定義です。

    なお,このマニュアルでは,メッセージキュー定義の詳細(MQT通信構成定義)は説明しません。MQT通信構成定義については,マニュアル「TP1/Message Queue 使用の手引」を参照してください。

  4. ネットワークライブラリ定義

    TP1/NET/Libraryに関する情報を定義します。

    TP1/NET/OSI-TP-Extendedを使ってXATMIインタフェースでOSI TP通信をする場合の実行環境の定義です。

    なお,このマニュアルでは,ネットワークライブラリ定義の詳細(TP1/NET/OSI-TP-Extendedの定義)は説明しません。TP1/NET/OSI-TP-Extendedの定義については,マニュアル「OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSI-TP-Extended編」を参照してください。

OpenTP1のシステム定義の体系を,次の図に示します。また,各定義の概要を以降の表に示します。

図1‒1 OpenTP1システム定義の体系

[図データ]

[図データ]

表1‒1 システムサービス定義の概要

項番

定義名

内容

1

システム環境定義

OpenTP1システムの実行環境を定義します。

2

システムサービス構成定義

同一マシンで一つのOpenTP1システムとしてシステム起動時に一緒に開始するサービス群の構成を定義します。

3

ユーザサービス構成定義

同一マシンで一つのOpenTP1システムとしてシステム起動時に一緒に開始するユーザサーバ群の構成を定義します。

4

システム共通定義

OpenTP1システム共通の実行環境を定義します。

5

ロックサービス定義

OpenTP1で排他制御機能を使用するための実行環境を定義します。

6

タイマサービス定義

時間監視サービスを行うための実行環境を定義します。

7

ネームサービス定義

RPCを可能にするサービス名とアドレスの対を管理するための実行環境を定義します。

8

プロセスサービス定義

OpenTP1環境下で実行するサーバプロセスを管理するための実行環境を定義します。

9

スケジュールサービス定義

OpenTP1環境下で動作するサーバへのサービス要求のスケジューリングをするための実行環境を定義します。

10

トランザクションサービス定義

トランザクション管理をするための実行環境を定義します。

11

XAリソースサービス定義

XAリソースサービスを使用してトランザクション管理をするための実行環境を定義します。

12

インタバルサービス定義

各システムサーバへ提供するインタバルタイマ機能の実行環境を定義します。

13

ステータスサービス定義

OpenTP1環境下で動作する各システムサービスの状態を管理するための実行環境を定義します。

14

ジャーナルサービス定義

システムジャーナルサービスとチェックポイントダンプサービスを使用するための実行環境を定義します。

15

システムジャーナルサービス定義

システムジャーナルファイルにジャーナルを取得するための実行環境を定義します。

16

チェックポイントダンプサービス定義

チェックポイントダンプファイルにチェックポイントダンプを取得するための実行環境を定義します。

17

ログサービス定義

メッセージログの出力環境を定義します。

18

マルチノード構成定義

マルチノードエリアまたはマルチノードサブエリアの構成を定義します。

19

マルチノード物理定義

OpenTP1ノードがあるホスト名とプロセスサーバデーモン(prcd)のポート番号を定義します。

20

グローバルアーカイブジャーナルサービス定義

グローバルアーカイブジャーナルサービスを使用するための実行環境を定義します。

21

アーカイブジャーナルサービス定義

アーカイブジャーナルファイルのファイルグループ名と属性を定義します。

22

DAMサービス定義

ファイル回復機能付き直接アクセスファイルを管理するための実行環境を定義します。

23

TAMサービス定義

TAMテーブルを管理するための実行環境を定義します。

24

クライアントサービス定義

OpenTP1のクライアント機能を支援するためのサーバの実行環境を定義します。

25

ISTサービス定義

ISTサービスを使用するための実行環境を定義します。

26

RMMサービス定義

RMMサービスを使用するリソースマネジャを定義します。

27

監視対象RM定義

RMMサービスのコマンドを定義します。

28

拡張RM登録定義

OpenTP1提供以外のリソースマネジャを登録するための実行環境を定義します。

29

XATMI通信サービス定義

TP1/NET/OSI-TP-Extendedを使ったXATMIインタフェースでのOSI TP通信の実行環境を定義します。

30

メッセージキューサービス定義

入出力メッセージのキューイングを管理するための実行環境を定義します。

31

ユーザサービスネットワーク定義

通信相手のサービス情報を定義します。

32

rapリスナーサービス定義

リモートAPI機能を使用する場合のrapリスナーを定義します。

33

rapクライアントマネジャサービス定義

リモートAPIクライアントマネジャ機能を使用するための実行環境を定義します。

34

性能検証用トレース定義

性能検証用トレース情報を取得する場合のファイルを定義します。

35

XAR性能検証用トレース定義

XAR性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。

36

JNL性能検証用トレース定義

JNL性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。

37

LCK性能検証用トレース定義

LCK性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。

38

TRNイベントトレース定義

TRNイベントトレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。

39

リアルタイム統計情報サービス定義

リアルタイム統計情報サービスの実行環境を定義します。

40

リアルタイム取得項目定義

リアルタイム統計情報を取得する項目を定義します。

41

MQAサービス定義

TP1/Message Queueのキューを管理するMQAサーバを定義します。

42

MQTサービス定義

TP1/Message Queueの通信を制御するMQTサーバを定義します。

43

テスタサービス定義

オンライン上でUAPをテストするための実行環境を定義します。

44

ユーザサービスデフォルト定義

ユーザサービス定義の省略時解釈値を定義します。

45

ユーザサービス定義

ユーザサーバの実行環境を定義します。

表1‒2 ネットワークコミュニケーション定義の概要

項番

定義名

内容

1

MCFマネジャ定義

各MCF間で共用するリソースの実行環境を定義します。

2

MCF通信構成定義

個々のMCFの接続端末と,送受信メッセージの入出力キューなどの実行環境を定義します。

3

MCFアプリケーション定義

ユーザアプリケーション名およびMCFイベント名に対応するサービス名などの実行環境を定義します。

4

MCF性能検証用トレース定義

MCF性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。

5

システムサービス情報定義

MCF通信サービスを起動するための環境を定義します。

6

システムサービス共通情報定義

複数のMCF通信サービスに共通する情報を定義します。

表1‒3 メッセージキュー定義の概要

項番

定義名

内容

1

MQT通信構成定義

TP1/Message Queueのメッセージキューイング形態で通信するMQTサーバを定義します。

表1‒4 ネットワークライブラリ定義の概要

項番

定義名

内容

1

TP1/NET/OSI-TP-Extendedの定義

TP1/NET/OSI-TP-Extendedの実行環境を定義します。