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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


グローバルアーカイブジャーナルサービス定義

〈このページの構成〉

形式

set形式

〔set jnl_arc_terminate_timeout=待ち合わせ最大時間〕
〔set max_socket_descriptors=ソケット用ファイル記述子の最大数〕
〔set jnl_arc_ipc_buff_size=TCP/IPの送受信バッファサイズ〕
〔set jnl_watch_time=グローバルアーカイブジャーナルサービスの通信応答待ち時間〕
〔set jnl_message_id_change_level=メッセージIDの変更レベル〕

コマンド形式

jnldfsv -a  グローバルアーカイブジャーナルサービスのリソースグループ名
       〔〔,グローバルアーカイブジャーナルサービスの
             リソースグループ名〕…〕

機能

グローバルアーカイブジャーナルサービスを使用するための実行環境を定義します。この機能を使用するには,TP1/Multiが必要です。

set形式のオペランド

jnl_arc_terminate_timeout=待ち合わせ最大時間

 〜〈符号なし整数〉((0〜3600))《0》(単位:秒)

アーカイブノードを終了させてから,接続しているすべての被アーカイブノードの接続を解除するまでの最大待ち時間を秒単位で指定します。指定時間内に接続が解除された場合は,アーカイブノードは終了します。指定時間を過ぎても接続している被アーカイブノードがある場合は,アーカイブノードは終了しません。

0を指定した場合は,すべての被アーカイブノードの接続が解除されるまでアーカイブノードの終了処理が続行されます。

max_socket_descriptors=ソケット用ファイル記述子の最大数

 〜〈符号なし整数〉((32〜2032))

OpenTP1制御下のプロセスでのソケット用に使用するファイル記述子の最大数を指定します。

指定値の範囲は,適用OSがAIX,HP-UXまたはWindowsの場合は32〜2032,適用OSがSolarisまたはLinuxの場合は32〜1008です。

OpenTP1制御下のプロセスは,システムサーバやユーザサーバとの間で,ソケットを使用したTCP/IP通信でプロセス間の情報交換をしています。そのため,同時に稼働するUAPプロセスの数,および通信する他ノードの数によって,このオペランドを変更する必要があります。

注※

MCFサービス(MCFマネジャサービス,MCF通信サービス,およびアプリケーション起動サービス)以外のOpenTP1プロセスが対象です。MCFサービスの場合は,「システムサービス情報定義」および「システムサービス共通情報定義」を参照してください。

ソケット用ファイル記述子の最大数の算出式を,次に示します。

↑(グローバルアーカイブジャーナルサービスに対してサービスを要求してくるノード数※1+システムサービスプロセス数※2)/0.8↑

↑↑:小数点以下を切り上げます。

注※1

グローバルアーカイブジャーナルサービスに対してサービスを要求してくるノード数とは,次に示す値の合計です。

  • 自OpenTP1のall_nodeオペランドに指定したノード名の数

  • 自ノード名を,OpenTP1のall_nodeオペランドに指定している,他ノードの数

注※2

システムサービスプロセス数とは,自OpenTP1内のシステムサービスプロセスの数です。自OpenTP1内のシステムサービスプロセスは,rpcstatコマンドで表示されるサーバ名をカウントすることで求められます。rpcstatコマンドで表示されるサーバ名のうち,マニュアル「OpenTP1 解説」のOpenTP1のプロセス構造に記載されているシステムサービスプロセスをカウントしてください。

このオペランドの指定が小さいと,OpenTP1制御下の他プロセスとのコネクションが設定できなくなるため,プロセスがKFCA00307-Eメッセージを出力して異常終了します。

指定値の優先順位は次のとおりです(1.>2.)。

  1. グローバルアーカイブジャーナルサービス定義

  2. システム共通定義

ここで指定を省略した場合,システム共通定義の値を仮定します。

jnl_arc_ipc_buff_size=TCP/IPの送受信バッファサイズ

 〜〈符号なし整数〉((8192〜1048576))《61440》(単位:バイト)

被アーカイブノードから転送されるジャーナルを受信するアーカイブジャーナル受信プロセスが使用するTCP/IPの送受信バッファのサイズを指定します。

高速な通信媒体を使用する場合,値を大きくすることで性能を向上できます。このオペランドの値は,各OSで指定できるTCP/IPのバッファサイズの上限値以下の値を指定してください。また,このオペランドの値は,被アーカイブノード側のジャーナルサービス定義のjnl_arc_ipc_buff_sizeオペランドの指定値と合わせてください。

jnl_watch_time=グローバルアーカイブジャーナルサービスの通信応答待ち時間

 〜〈符号なし整数〉((0〜65535))《180》(単位:秒)

グローバルアーカイブジャーナルサービスがRPCによってプロセス間で通信する場合の,サービス要求を送信してからサービスの応答が返るまでの待ち時間の最大値を指定します。指定時間を過ぎても応答がない場合,RPCは送受信タイムアウトとしてエラーリターンします。

0を指定した場合は,応答を受信するまで待ち続けます。この場合,OpenTP1が終了しないことがあります。

特別なチューニングが不要な場合は,このオペランドの内容を変更しないでください。

jnl_watch_timeオペランドが有効になる範囲を次に示します。

  • jnlopnfgコマンド

  • jnlclsfgコマンド

  • jnlchgfgコマンド

  • jnlunlfgコマンド

  • jnlswpfgコマンド

  • jnlardisコマンド

  • ジャーナルファイル障害,満杯時のスワップ要求通信応答待ち時間

注※

jnlswpfgコマンドの通信応答待ち時間は,jnl_watch_timeオペランドに指定した値の2倍になります。

jnl_message_id_change_level=メッセージIDの変更レベル

 〜〈符号なし整数〉((0〜1))《0》

グローバルアーカイブジャーナルサービスが出力するメッセージで,重要な情報となるメッセージの種別を変更します。

メッセージログを監視し,メッセージの種類によって管理方法を区別したい場合にこのオペランドを使用してください。

このオペランドによって変更されるのはメッセージIDだけであり,メッセージの内容は変更されません。

0

メッセージIDを変更しないで,従来どおりのメッセージIDで出力します。

1

メッセージIDを変更し,出力します。

このオペランドの指定値と出力されるメッセージの関係を次に示します。

jnl_message_id_change_level

オペランドの指定値

0

1

出力されるメッセージID

KFCA01224-I

KFCA01230-W

KFCA01250-I

KFCA01231-W

コマンド形式

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