Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Solaris®用)
HDLM運用環境の構成を変更する場合の注意事項を次に示します。
- この項の構成
- (1) HDLMを使用するシステムの構成を変更した場合について
- (2) パスの構成を変更した場合について
- (3) カーネルモードの切り替えについて
- (4) ブートディスク環境でパスの構成を変更する場合について
- (5) Solarisの動的再構成(DR)機能について
(1) HDLMを使用するシステムの構成を変更した場合について
HDLMを使用しているシステムの構成を変更した場合,次に示す手順を実行してください。
- /dev/dskディレクトリ,および/dev/rdskディレクトリ内の不要な論理デバイスファイルを削除します。
- HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)をバックアップします。
- HDLMドライバ構成定義ファイル作成ユティリティ(dlmsetconf)を実行します。
必要に応じてHDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)を編集し,dlmsetconfユティリティを実行してください。
HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)の編集の方法については,「3.5.6 HDLMの新規インストール時のHDLMデバイスの非構成機能」を参照してください。- 構成変更の内容によって,再構成オプションを指定してホストを再起動するか,または,HDLM構成管理ユティリティ(dlmcfgmgr)を実行します。
LUのパス構成を変更した場合,次のどちらかの操作を行ったとき,HDLMデバイスの論理デバイスファイルが異なる名称で再作成されることがあります。
- HDLMドライバ構成定義ファイル作成ユティリティ(dlmsetconf)の実行時に,-rパラメタを指定した
- HDLMがHDLMデバイスの論理デバイスファイル名を決定するために使用するパスに対して,LUNの構成変更を行った
HDLMの論理デバイスファイルが異なる名称で再作成された場合,次の対処を行ってください。
- アプリケーションプログラムの使用ディスクの設定を変更してください。
- VxVMを使用している場合は,次のコマンドを実行し,HDLMが管理しているLUのDEVICE欄がcWtXdYsZ形式(例えば,c6t0d10s2)で表示されているか確認してください。
# vxdisk listcWtXdYsZ形式で表示されている場合は,次の手順を行ってください。
- /etc/vx/disk.infoファイルを削除する
- ホストを再起動するか,または次のコマンドでVxVM構成デーモンを再起動する
# vxconfigd -k- 再作成前の論理デバイスファイルが,/dev/dskディレクトリおよび/dev/rdskディレクトリに残っている場合は,再作成前の論理デバイスファイルを削除してください。再作成前の論理デバイスファイルを削除したあと,「(1) HDLMを使用するシステムの構成を変更した場合について」に記述されている操作を行ってください。
なお,次の方法で求められるパス(sdまたはssdデバイスに対応する物理デバイスファイル名)を使用して,各LUのHDLMの論理デバイスファイル名が決まります。
LUのパスを求める手順を次に示します。
- LUに対応するHDLMドライバのインスタンス番号を求めます。
次のコマンドを実行して,目的とするLUのHDLMデバイス(スライス0のHDLMデバイス)のマイナー番号を表示します。表示されたマイナー番号を8で割った値がHDLMのインスタンス番号です。# /usr/bin/ls -lL スライス0のHDLM論理デバイスファイル名実行例を次に示します。
この例では,HDLMの論理デバイスファイル名が/dev/dsk/c4t21d0s0であるLUのHDLMドライバのインスタンス番号を求めるとします。この場合,マイナー番号が8であるため,インスタンス番号は1となります。- HDLMのインスタンス番号からパス情報を求めます。
次のコマンドを実行して,ドライバの構成情報を表示し,手順1で求めたHDLMドライバ(HDLMドライバのドライバ名はdlmfdrv)のインスタンスの個所を参照します。FilterPathプロパティからそのLUのHDLM論理デバイスファイル名を決定するため使用されているパスを確認します。# /usr/sbin/prtconf -vP実行例を次に示します。
prtconfコマンドの表示結果から,HDLMドライバ(HDLMドライバのドライバ名はdlmfdrv)のインスタンス1の情報を抜粋した例を示します。
網掛けの部分がHDLMの論理デバイスファイル名を決定するために使用されているパスのsdまたはssdドライバの物理デバイスファイル名です。
32ビット版のHDLMだけがインストールされている場合に,カーネルモードを32ビットから64ビットに切り替えたとき,カーネルモードの切り替え後にHDLMを再度インストールする必要があります。
現在使用しているカーネルモードを切り替える方法については,「3.5.1 HDLMを新規インストールする前の準備」の「(5) カーネルモードの切り替え」を参照してください。
(4) ブートディスク環境でパスの構成を変更する場合について
HDLMがHDLMデバイスの論理デバイスファイル名を決定するために使用するパスを変更する場合は,次に示す手順を実行してください。この手順を実行しないと,HDLMの論理デバイスファイルと対応する物理デバイスファイル名が変化するので,ブートできなくなるおそれがあります。HDLMがHDLMデバイスの論理デバイスファイル名を決定するために使用するパスは,「(2) パスの構成を変更した場合について」に示す手順を実行すると取得できます。
- 「3.8 ブートディスク環境からローカルブートディスク環境への移行」に示す手順に従って,いったんローカルブートディスク環境に移行します。
- パスの構成を変更します。
- 「3.6 ブートディスク環境の構築」に示す手順に従って,ブートディスク環境に戻します。
Solaris 8またはSolaris 9では,HDLMが管理しているパス経路上のHBAに対して,Solarisの動的再構成(DR)機能は使用できません。HBAを追加,削除,および交換する場合は,動的再構成したあと,ホストの再起動が必要です。
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