Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Solaris®用)
構成変更の内容によって,構成変更後にホストの再起動が不要なときと必要なときがあります。ここでは,どのような構成変更のときにホストの再起動が不要(または必要)かを説明します。また,構成変更時の注意事項を説明します。
- この項の構成
- (1) HDLMデバイスの構成変更の方法
- (2) HDLMデバイスの構成変更についての注意事項
HDLMデバイスの構成を変更するには,次の2つの方法があります。
- 再構成オプションを指定してホストを再起動する
HDLMドライバ構成定義ファイル作成ユティリティ(dlmsetconf)を実行してHDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)を更新し,そのあと再構成オプションを指定してホストを再起動します。- ホストを再起動しないで,HDLM構成管理ユティリティ(dlmcfgmgr)を使用する
dlmsetconfユティリティを実行してHDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)を更新し,そのあとdlmcfgmgrユティリティを実行します。HDLMの運用中にホストを再起動しないで,HDLMデバイスの構成を変更することをHDLMデバイスの動的再構成と呼びます。
HDLMデバイスの動的再構成で実行できる操作は,次のとおりです。
- 新規LUの追加
新規LUとは,ホストに新規に追加し,HDLMドライバに初めて認識されたLUを指します。新規LUを追加した場合,そのLUに接続されているパスもLUと同時に追加されます。- 既存LUの削除
Solaris 10またはSolaris 11では,HDLMの管理対象となっているLUが削除された場合,HDLM管理対象からも削除します。- HDLM管理対象外にしていたLUの管理対象化
すでにホストには追加されていて,HDLM管理対象外としていたLUをHDLMの管理対象とします。- パスの追加
既存のLUに対してパスを追加します。次の操作は,HDLMデバイスの動的再構成ではサポートしていません。次の操作を有効にするには,再構成オプションを指定してホストを再起動してください。
- 既存LUの削除および再追加(Solaris 8またはSolaris 9の場合)
- 既存LUに対する設定の変更
- 既存LUに対するパスの削除
- 既存LU(HDLM管理対象のデバイス)をHDLM管理対象外にする
- ハードウェア(HBA,スイッチなど)の追加および交換
- HDLMで使用していないHBAポートを経由してホストに認識されたLUやパスをHDLMの管理対象にする
- ストレージシステムのLUのデフォルトコントローラを変更する※
- 注※
- 再構成オプションの指定は不要です。
dlmsetconfユティリティの詳細については,「7.7 dlmsetconf HDLMドライバ構成定義ファイル作成ユティリティ」を参照してください。
dlmcfgmgrユティリティの詳細については,「7.3 dlmcfgmgr HDLM構成管理ユティリティ」を参照してください。
HDLMデバイスの構成を変更する場合の注意事項を次に示します。
- HDLMデバイスの動的再構成は,Solaris 8 1/01以降,Solaris 9,Solaris 10,またはSolaris 11の場合に行えます。
- 新規にLUを追加する場合,HBAドライバ,sdまたはssdドライバがLUの構成変更を認識するために,次の条件によっては,ホストの再起動が必要になるときがあります。
詳細は,使用しているHBAのマニュアルや取扱説明書を参照してください。
- 使用するHBAやHBAドライバ
- 新規追加するLUの構成
- HDLM管理対象のLUにアクセスする場合に経由するHBAを取り外したり交換したりした場合,ホストを再起動するまでHBAドライバ,sdまたはssdドライバの非構成処理や再構成処理が完了しないことがあります。
- ディスク装置の構成変更(Solaris 8またはSolaris 9でのLUの削減など),およびサーバ側のハードウェアの構成変更を行ったときは,必ずdlmsetconfユティリティを実行し,再構成オプションを指定してホストを再起動してください。また,ハードウェアがディスクの動的再構成に対応していて,新規LUを動的に追加する場合には,dlmsetconfユティリティを実行したあと,HDLM構成管理ユティリティ(dlmcfgmgr)を実行してください。
- システムの再起動をしないでHDLMが管理しているLUに新しくパスを追加した場合,そのパスに対応するsdまたはssdデバイスの論理デバイスファイルは作成されません。新しく追加したパスをHDLMで利用するためには,dlmsetconfユティリティを実行し再構成オプションを指定してホストを再起動してください。
- Solaris 10またはSolaris 11の場合,ホストを再起動しないで,HDLMデバイスを削除することができます。ただし,HDLMデバイスを使用しているプログラムを停止できない場合や,ストレージシステム側の操作で,内部LUとストレージポートのLUNとのマッピングが解除できない場合は,ホストを再起動しないで,該当のHDLMデバイスを削除することはできません。
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