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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引


eetrnrbk

〈このページの構成〉

名称

トランザクションのロールバック

形式

eetrnrbk -g サービスグループ名 {-t 〔-f〕
       |-T トランザクション識別子 〔-f〕}

機能

eetrnrbkコマンドは,グローバルトランザクションを構成している各トランザクションブランチが何らかの要因(通信障害など)でトランザクションを決着できないときに実行します。eetrnlstrコマンドを実行して表示された情報中のステータスがREADY(p),READY(d),またはREADY(i)状態のときに,トランザクションブランチを強制的にロールバックし,ほかのトランザクションブランチに連絡完了後,トランザクションを終了します。ルートトランザクションブランチがロールバックされた場合に実行してください。

eetrnrbkコマンドを実行してトランザクションをロールバックする場合,ほかのトランザクションとの不整合を発生させないために,グローバルトランザクション内のほかのトランザクションブランチもロールバックしてください。通信障害が発生している場合,トランザクションブランチ間の連絡が完了するまでトランザクションを終了できません。このとき,-fオプションを指定すると,トランザクションを強制的に終了できます。通信障害が一時的な場合,-fオプションは指定しないでeetrnrbkコマンドを実行してください。

オプション

●-g サービスグループ名  〜〈1〜31文字の識別子〉

TP1/EEプロセスのサービスグループ名を指定します。

●-t

トランザクションのステータスがREADY(p),READY(d),またはREADY(i)状態のすべてのトランザクションのロールバックを受け付けます。さらに,ロールバックするトランザクションに関する情報を標準出力に出力します。

●-f

トランザクションを強制終了します。

-fオプションの指定を省略すると,トランザクションは強制終了されません。

●-T トランザクション識別子  〜〈144文字の16進数〉

指定されたトランザクション識別子(XID)を持つトランザクションのステータスがREADY(p),READY(d),またはREADY(i)状態であれば,トランザクションのロールバックを受け付けます。さらに,ロールバックするトランザクションに関する情報を標準出力に出力します。

トランザクション識別子は,eetrnlstrコマンドで知ることができます。

出力形式

日本語の出力形式を次に示します。

[図データ]

英語の出力形式を次に示します。

[図データ]

出力形式中の,右端の数字の意味を次に示します。

出力形式中の,各変数の意味を次に示します。

変数

意味

aa....aa

トランザクション識別子(16進数)

bb....bb

トランザクション記述子(10進数)

トランザクションブランチを区別するためのインデクス番号を表示します。

cc....cc

トランザクション第1状態(20文字以内)

トランザクションブランチの処理状態を表示します。

  • BEGINNING…トランザクションブランチ開始処理中

  • ACTIVE…実行中

  • SUSPENDED…中断中

  • IDLE…同期点処理へ移行

  • PREPARE…コミット(1相目)処理中

  • READY…コミット(2相目)処理待ち

  • HEURISTIC_COMMIT…ヒューリスティック決着コミット処理中

  • HEURISTIC_ROLLBACK…ヒューリスティック決着ロールバック処理中

  • COMMIT…コミット処理中

  • ROLLBACK_ACTIVE…ロールバック処理待ち

  • ROLLBACK…ロールバック処理中

  • HEURISTIC_FORGETTING…ヒューリスティック決着後のトランザクションブランチ終了処理中

  • FORGETTING…トランザクションブランチ終了処理中

d

トランザクション第2状態(1文字)

トランザクションブランチのTP1/EEプロセスに関する状態を表示します。

  • d…リソースマネジャ障害監視依頼中

  • i…通信障害監視依頼中

  • p…通信障害監視スレッド,またはリソースマネジャ障害監視スレッドでのトランザクションブランチ監視

  • r…回復スレッドでのトランザクションブランチ回復処理実行中

  • u…トランザクション処理実行中

ee....ee

サービス名(31文字以内)

トランザクションブランチを起動しているサービスの名称を表示します。

サービス名がないトランザクションの場合は,「*」を表示します。

ff....ff

スレッドID(10進数)

トランザクションブランチが動作しているスレッドのIFA番号を表示します。

gg....gg

ブランチ記述子(10進数)

一つのトランザクションブランチから分岐したトランザクションブランチを区別するためのインデクス番号を表示します。ルートトランザクションブランチの場合は,「**********」を表示します。

hh....hh

親トランザクション記述子(10進数)

該当するトランザクションブランチを生成したトランザクションのトランザクション記述子を表示します。ルートトランザクションブランチの場合は,「**********」を表示します。

ii....ii

トランザクションブランチ数(10進数)

処理中のトランザクションブランチ数を表示します。

jjjjjjjj

中央処理通番(16進数)

出力メッセージ

メッセージID

内容

出力先

KFSB90901-E

コマンドの形式が不正です。

標準エラー出力

KFSB90902-E

フラグ引数が不正です。

標準エラー出力

KFSB90904-E

コマンドが失敗しました。

標準エラー出力

KFSB90905-E

領域の確保に失敗しました。

標準エラー出力

KFSB90906-E

内部矛盾が発生しました。

標準エラー出力

KFSB90920-I

ヘルプメッセージ

標準出力

注意事項

トランザクションのロールバックは,eetrnrbkコマンドの実行とは非同期で実行します。