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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引


6.5.3 リモートAPIのメッセージ送受信用コネクション

rapクライアントとrapサーバは,論理的な通信路である常設コネクションを使用して,リモートAPIのメッセージを送受信します。TP1/EEでは,常設コネクションをOpenTP1が管理します(オートコネクトモード)。

リモートAPIのメッセージ送受信用コネクションの確立方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) TP1/EEがrapクライアントとしてコネクションを確立する場合

リモートAPIを使用するサービスグループに対してee_rpc_call関数を呼び出した場合,該当するサービスグループのrapサーバに対してTP1/EEがTCPコネクション確立要求メッセージを送信してTCPコネクションを確立します。確立したTCPコネクションは,TCPコネクション確立要求メッセージを送信したあとも解放されないで保持されます。

TP1/EEがrapサーバに常設コネクション確立要求メッセージを送信すると,常設コネクションが確立されます。確立した常設コネクションは,TP1/EEがリモートAPI要求メッセージを送信したあとも解放されないで保持されます。確立した常設コネクションは,TP1/EEのオンライン終了時に切断されます。

常設コネクションの数が常設コネクション最大数(RPC関連定義のrpc_rap_connection_countオペランドで指定)を超える場合は,最も古く,かつ使用されていない常設コネクションを解放したあとで,新しく常設コネクションを確立します。

(2) TP1/EEがrapサーバとしてコネクションを確立する場合

rapクライアントは,RPC関連定義のrap_listen_portオペランドで指定したTP1/EEの受信スレッドポートに対して常設コネクション確立要求をします。TP1/EE(rapサーバ)は,ポートをパッシブオープンして常設コネクション確立を受け付けます。確立した常設コネクションは,TP1/EEがリモートAPI要求メッセージを受信したあとも解放されないで保持されます。確立した常設コネクションは,常設コネクション解放応答メッセージ送信後,またはメッセージの送受信で障害が発生した場合に切断されます。

(3) rapクライアントマネジャ機能を使用してコネクションを確立する場合

TP1/EE(rapクライアント)は,rapの受信用ポート(RPC関連定義のrap_client_manager_portオペランドで指定)をパッシブオープンしてTCPコネクション確立要求を受け付けます。確立したTCPコネクションは,rapクライアントがrapサーバから起動通知を受信したあとに解放されます。