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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引


1.1.2 TP1/EEの特長

TP1/EEをSPPとして動作させたときの,TP1/EE独自の特長について説明します。

〈この項の構成〉

(1) マルチスレッドによる大規模・大量データ処理のコストパフォーマンス向上

TP1/EEでは,サービスのスケジュールや処理がマルチスレッドで動作します。このため,サービス単位の受け付け処理,サービス間で独立した処理,および複数サービスの均等処理が実現できます。さらに,一つのサービスに負荷が集中した場合は,業務処理を実行するスレッド数を動的に変更できます。その結果,大規模で大量なデータ処理のコストパフォーマンスを向上できます。

マルチスレッドでの処理を次の図に示します。

図1‒2 マルチスレッド処理

[図データ]

(2) サーバアプリケーションで使用するメモリの確保・管理

TP1/EEがSPPで使用するメモリを確保・管理します。これによって,次のような,アプリケーション処理実行中のメモリ確保・解放に伴う性能への影響を防げます。

(3) OpenTP1システム以外の端末とのメッセージ通信

uCosminexus TP1/EE/Message Control Extension(MCP)を使用することで,OpenTP1が導入されていない端末とメッセージの送受信ができます。MCPでは,TCP/IPプロトコルまたはUDPプロトコルを使用したメッセージ通信ができます。

MCPの詳細については,マニュアル「TP1/EE/Message Control Extension 使用の手引」を参照してください。

(4) インメモリデータ処理技術による高速トランザクション処理

インメモリデータ処理技術によるトランザクション処理の高速化と,高信頼性,高可用性を同時に実現するオンライントランザクション処理システムを構築できます(TP1キャッシュ機能)。TP1キャッシュ機能を使用するには,TP1/EEに加えて,uCosminexus TP1/EE/Extended Transaction Controller(XTC)およびuCosminexus TP1/EE/Extended Data Cache(XDB)が必要です。

XTCの詳細については,マニュアル「TP1/EE/Extended Transaction Controller 使用の手引」を,XDBの詳細については,マニュアル「TP1/EE/Extended Data Cache 使用の手引」を参照してください。

(5) 銀行勘定系サービス処理

uCosminexus TP1/Financial Service Platform(TP1/FSP)を使用することで,大規模な銀行勘定系サービス処理基盤を構築できます。

構造型データベースへのアクセス,オンラインバッチ(センタカット),オフラインバッチ,「全国銀行データ通信システム接続プロトコル」などに準拠した接続ができます。

TP1/FSPで使用する機能に応じて,MCPやTP1/Client/Wが必要です。

TP1/FSPの詳細については,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。また,MCPの詳細については,マニュアル「TP1/EE/Message Control Extension 使用の手引」を,TP1/Client/Wの詳細については,マニュアル「OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/W,TP1/Client/P編」を参照してください。