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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Server Base Enterprise Option 使用の手引


1.1.1 TP1/Server Baseの特長

TP1/Server Baseの特長について説明します。TP1/EEはTP1/Server Baseとあわせて使用するため,TP1/Server Baseの特長は,TP1/EEを使用するときの特長でもあります。

〈この項の構成〉

(1) トランザクション処理ができる分散コンピューティング環境の実現

TP1/Server Baseを使うと,資源・機能を適切に分散配置した,分散コンピューティング環境でのOLTPを実現できます。そのため,システム規模や業務量など,それぞれのシステム固有の状況に適した構成を柔軟に選択できます。

(2) 柔軟なシステム構成

TP1/Server Baseでは,分散コンピューティング環境でのOLTPを実現するために,UAPを含めたシステム構成が,クライアント/サーバ構造をしています。このため,プログラムやデータベースなどのソフトウェア資源を,ハードウェアの構成から独立させることができます。さらに,業務量の増加などでハードウェア構成を変更しても,ソフトウェア資源にはほとんど影響がありません。

(3) 基幹システムと連携した大規模システムの実現

TP1/Server Baseを使用したシステムは,VOS3システムなどの基幹システムと接続できます。このため,基幹システムの大容量データベース管理やネットワーク管理の業務に,TP1/Server Baseの分散コンピューティング環境を統合できます。その結果,基幹システムからワークステーションまでの広範囲にわたる大規模システムを実現できます。

(4) オープンシステム化推進の支援

TP1/Server Baseの構造は,オープンシステムの標準化団体であるX/Openで規定しているDTPモデルに準拠しています。そのため,TP1/Server Baseで構築したOLTPシステムを使用すると,オープンシステムの利点を生かしたデータ通信システムを構築できます。

(5) システム構築の高生産性と高信頼性の実現

分散コンピューティング環境でのビジネスアプリケーションのトランザクション処理には,高い生産性と信頼性が必要です。TP1/Server Baseでは,高い信頼性を要求される24時間運転業務に対応するため,システムの二重化を支援する機能(系切り替え機能)を備えています。系切り替え機能を使用すると,システムの障害による停止時間を最小限に抑えて,システム全体の稼働率を高め,生産性も向上できます。