Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)
システムリカバリに使用したリカバリアーカイブが,「4.2.2 リカバリアーカイブの作成手順」の「(1) HP-UX 11i V2.0でリカバリアーカイブを作成する(make_net_recoveryコマンド)」または「(2) HP-UX 11i V2.0でリカバリアーカイブを作成する(make_tape_recoveryコマンド)」の内容に従って作成された場合,特別な手順は必要なく,Ignite-UXのマニュアルに従って,システムリカバリを実行することができます。
しかし,その他の手順でバックアップアーカイブを作成した場合は,システムリカバリを実行したあとでHDLMデバイスの構成を復元する処理が必要です。
ここではHDLMデバイスの構成を復元する手順について次に示します。これらの手順は,システムリカバリの終了後,システムが再起動されてから実行してください。
- <この項の構成>
- (1) HDLMデバイスの復元処理
- (2) LVMの復元処理
(1) HDLMデバイスの復元処理
次に示す手順を実行し,HDLMデバイスを復元してください。
- HDLMパス情報設定ユティリティ(dlmdefpath)を実行し,HDLMデバイスをSCSIデバイスに変更します。
dlmdefpathユティリティを実行すると,次に示すメッセージが出力されます。
#/opt/DynamicLinkManager/bin/dlmdefpath -u
KAPL10407-I A kernel will be built. Is this OK? [y/n] : y KAPL10411-I The current kernel will be replaced. Is this OK? [y/n] : y Kernel update request is scheduled. Default kernel /stand/vmunix will be updated by newly built kernel /stand/build/vmunix_test at next system shutdown or startup time. KAPL10414-I The computer must be restarted to make the path configuration effective. Would you like to restart the computer now? [y/n] :- KAPL10414-Iのメッセージに対し,「y」を入力します。
ホストが再起動されます。
- ホストの再起動後にOSのinsfコマンドを実行し,SCSIデバイスのデバイスファイルを再作成します。
# insf -e- HDLMデバイスを再構成するため,dlmdefpathユティリティを実行します。
手順1から手順2と同様のメッセージが出力されるので,それぞれ「y」で応答してください。その後ホストが再起動されます。
#/opt/DynamicLinkManager/bin/dlmdefpath -a
ホストの再起動後,HDLMデバイスを物理ボリュームとして割り当てているボリュームグループも復元するには,次に示す「4.2.3 システムリカバリの手順」の「(2) LVMの復元処理」を実行してください。
(2) LVMの復元処理
次に示す手順を実行し,ボリュームグループを復元してください。
- LVMのボリュームグループ名を確認します。
/etc/lvmconfディレクトリに格納されている「ボリュームグループ名.conf」ファイルの名称を参照して,リカバリアーカイブの作成時に構築していたLVMのボリュームグループ名を確認します。「ボリュームグループ名.conf」を参照する,lsコマンドの実行例を次に示します。
$ ls -l /etc/lvmconf/*.conf -rw------- 1 root sys 305152 Feb 19 20:11 /etc/lvmconf/vg00.conf -rw------- 1 root sys 83968 Feb 18 11:06 /etc/lvmconf/vgdlm1.conf- OSのstringsコマンドを使用し,目的のボリュームグループがインポートされているか確認します。
目的のボリュームグループがすでにインポートされていれば,以降の手順は不要です。stringsコマンドの実行例を次に示します。
手順1の実行結果から,/etc/lvmconfディレクトリに,vg00.confファイルとvgdlm1.confファイルがあります。また手順2の実行結果から,vg00ボリュームグループはインポート済みであることがわかるため,まだインポートされていないvgdlm1ボリュームグループに対して手順3以降を実行します。
# strings /etc/lvmtab /dev/vg00 /dev/dsk/c1t0d0s2
- OSのvgcfgrestoreコマンドを実行して,ボリュームグループを構成している物理ボリューム名を確認します。
手順1で確認したボリュームグループ名と対応する,物理ボリューム名をvgcfgrestoreコマンドで確認します。複数の物理ボリュームから構成されているボリュームグループの場合,物理ボリューム名は複数出力されます。
vgcfgrestoreコマンドを実行して,/dev/vgdlm1ボリュームグループと対応する物理ボリューム名(下線部分)の確認例を次に示します。
#vgcfgrestore -n vgdlm1 -l Volume Group Configuration information in "/etc/lvmconf/vgdlm1.conf" VG Name /dev/vgdlm1 ---- Physical volumes : 2 ---- /dev/rdsk/ch64t0d1 (Non-bootable) /dev/rdsk/ch64t0d2 (Non-bootable)- OSのvgimportコマンドを実行し,ボリュームグループをインポートします。
vgimportコマンドを実行するとき,-mオプションには次のファイルを指定します。
また,手順3で確認した結果を元に,物理ボリュームのブロックデバイスのパス名を指定してください。このとき,vgcfgrestoreコマンドによって確認できる物理ボリューム名はキャラクタデバイスです。vgimportコマンドに指定する物理ボリューム名はブロックデバイスとなるため,注意してください。
/etc/lvmconf/ボリュームグループ名.mapfile
vgdlm1ボリュームグループをインポートするvgimportコマンドの実行例を次に示します。
手順3で確認できたキャラクタデバイス名に対応するブロックデバイス名は,キャラクタデバイス名中の「rdsk」を「dsk」と置き換えたものになります(上記,vgimportコマンドを指定した行の下線部分)。
#vgimport -v -m /etc/lvmconf/vgdlm1.mapfile /dev/vgdlm1 /dev/dsk/ch64t0d1 /dev/dsk/ch64t0d2 Beginning the import process on Volume Group "/dev/vgdlm1". vgimport: Volume group "/dev/vgdlm1" already exists in the "/etc/lvmtab" file. # vgchange -a r vgdlm1 Volume group "vgdlm1" is activated for read/write, not changed to read-only.
- OSのvgdisplayコマンドを実行して,LVM情報(ボリュームグループ環境)が復元されたことを確認します。
vgdisplayコマンドに,-vオプションを指定して,HDLMデバイスを使用したボリュームグループが復元されたことを確認してください。
vgdisplayコマンドの実行例を次に示します。
# vgdisplay -v : : VG Name /dev/vgdlm : : --- Logical volumes --- LV Name /dev/vgdlm1/lvol1 : : --- Physical volumes --- PV Name /dev/dsk/ch64t0d1 PV Status available Total PE 586 Free PE 561 Autoswitch On PV Name /dev/dsk/ch64t0d2 PV Status available Total PE 586 Free PE 561 Autoswitch On- 必要に応じて,ボリュームグループを活性化または非活性化します。
手順4までは,ボリュームグループの活性化が読み込み専用(read only)で実行されています。必要に応じて,ボリュームグループを活性化または非活性化してください。
- ボリュームグループの活性化(クラスタ構成でない場合)
# vgchange -a y ボリュームグループ名
- ボリュームグループの活性化(クラスタ構成の場合)
# vgchange -a e ボリュームグループ名
- ボリュームグループの非活性化
# vgchange -a n ボリュームグループ名
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