Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)
HDLMのアップグレードインストールについて説明します。なお,次に示すアップグレードインストールの手順中,実行するコマンドにパラメタを追加することでHDLMの再インストールとなります。
HDLM 04-00がインストールされているホストにHDLM 6.1をアップグレードインストールした場合,HDLM 04-00と一緒にインストールされたHNTRLibは残ります。HNTRLibをほかのプログラムで使用していない場合,「3.19 Hitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib)のアンインストール」を参照して,HNTRLibをアンインストールしてください。
アップグレードインストールおよび再インストールした場合,HDLM管理対象外のデバイス定義についての情報は引き継がれます。再作成する必要はありません。
HDLMをクラスタ構成で使用する場合,クラスタを構成するすべてのホストに同一バージョンのHDLMをインストールしてください。
JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,HDLMをインストールするすべてのホストに対して手順1から手順2までを実行してから,手順3に進んでください。
05-40より前のバージョンのHDLMをHDLM 6.1にアップグレードインストールする場合,またはライセンスの有効期限が切れている場合は,ライセンスキーファイル,またはライセンスキーの入力が必要です。
インストールを実施しているとき,キー入力などによってインストール処理を強制的に終了しないでください。
- 注意事項
- アップグレードインストール中はHDLMマネージャが停止するため,障害ログは出力されません。また,HDLMの機能の設定もできなくなります。アップグレードインストール後は,すぐにホストを再起動してください。
- OSのバージョンアップを行う場合,事前にHDLMのアンインストールを行なってください。その後OSのバージョンアップを実施し,HDLMの新規インストールを行ってください(インストール時には,バージョンアップするOSに対応したバージョンのHDLMをご使用ください)。
HDLMのアンインストールがOSのバージョンアップ後になった場合,改めてHDLMをインストールしてもLUの追加などを認識できなくなり,OSの新規インストールが必要になる場合があります。
- 手順5で実行するコマンドによって,HDLMのアップグレードインストールではなく,HDLMの再インストールが実行できます。
- /var/tmp/直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
ライセンスキーの更新が必要な状態で,/var/tmp/hdlm_licenseファイルがない場合,手順6でライセンスキーの入力が要求されます。
/var/tmp/hdlm_license
注意事項
- ユーザ任意のディレクトリ,ファイル名でライセンスキーファイルを格納できます。ただし,そのライセンスキーファイルはインストールが終了しても削除されないため,不要な場合はインストール終了後に手動で削除してください。
- ライセンスキーファイルの絶対パスとして入力可能な文字列(半角)は次のとおりです。
大小英字,数字,一部の特殊文字( / ! # + - . = @ _ ~ )
- ユーザ任意のライセンスキーファイルを指定する場合に/var/tmp/hdlm_licenseと入力したときは,そのライセンスキーファイルはインストール終了後に削除されます。
- HP-UXに,root権限を持つユーザでログインします。
- JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
# rdsdmind -x
インストールが完了したら手順7に進んでください。手順7以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
- HDLMをリモートインストールしない場合は,まず,CD-ROMをマウントします。CD-ROMをセットして,次に示すコマンドを実行してください。
# mount /dev/dsk/CD-ROMのデバイス名 CD-ROMのマウントポイント- swinstallコマンドを実行して,HDLMをアップグレードインストール,または再インストールします。
- HDLMをアップグレードインストールする場合
# swinstall -x ask=true -s CD-ROMのマウントポイント/DLManager DLManager
- HDLMを再インストールする場合
swinstallコマンド使用時の注意事項については,HP-UXのマニュアルを参照してください。
# swinstall -x ask=true -x reinstall=true -s CD-ROMのマウントポイント/DLManager DLManager
- ライセンスキーファイルがない場合は,インストール実行中にライセンスキーについてのメッセージが表示されるので,メッセージに従って操作してください。
ライセンスの更新が必要な状態で,あらかじめ/var/tmp/hdlm_licenseという名称でライセンスキーファイルを格納していない場合は,ユーザ任意のライセンスキーファイルを格納しているかどうかのメッセージが出力されます。格納している場合は「1」を,直接ライセンスキーを入力する場合は「2」を入力してください。
「1」を入力した場合はユーザ任意のライセンスキーファイルを絶対パスで指定します。
- 「1」または「2」以外を3回入力するとインストールが中止されるので,注意してください。
「2」を入力した場合,ライセンスキーの入力を促すメッセージが表示されるので,ライセンスキーを入力してください。
- 絶対パスの入力を3回失敗するとインストールが中止されるので,注意してください。
- ライセンスキーを入力すると,ライセンスがインストールされた旨のメッセージが表示されます。
- ライセンスキーの入力に3回失敗するとインストールが中止されるので,注意してください。
- HDLMのインストール終了後,次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされているかどうかを確認します。
次のような実行結果が表示されれば,問題ありません。「host1」の部分は,使用している環境によって異なります。
# swlist -l product DLManager
# Initializing... # Contacting target "host1"... # # Target: host1:/ # DLManager xx.x.x.xx.xx Dynamic Link Manager- HDLMドライバのロード,およびHDLMデバイスの認識のため,次に示すコマンドを実行してホストを再起動します。
# cd / # shutdown -r- 再起動後,HP-UXにroot権限を持つユーザーでログインします。
- アップグレード前のHDLMのバージョンが04-00の場合は,次のコマンドを実行して,HDLMが管理するパスのS/W StateがCLAIMEDと表示されることを確認します。
アップグレード前のバージョンが05-02以降の場合は,この手順は不要です。手順12に進んでください。
# ioscan -fnC disk- アップグレード前のHDLMのバージョンが04-00の場合は,HDLMパス情報設定ユティリティ(dlmdefpath)を実行します。
ユティリティの問い合わせに対し,「y」を入力します。ホストが再起動され,現在のパスの構成定義が有効になります。
アップグレード前のバージョンが05-02以降の場合は,この手順は不要です。手順12に進んでください。
- /var/opt/DynamicLinkManager/log/dlmcfgmgr.logファイルをテキストエディタなどで参照し,再起動した時間にKAPL10317-Eのメッセージが出力されていないことを確認します。
KAPL10317-Eのメッセージが出力されている場合,「3.5.3 HDLMの新規インストール」の手順13および手順14を実行してください。
- HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
コマンドの実行例を,次に示します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys HDLM Version : x.x.x-xx Service Pack Version : Load Balance : on(rr) Support Cluster : Elog Level : 3 Elog File Size (KB) : 9900 Number Of Elog Files : 2 Trace Level : 0 Trace File Size(KB) : 1000 Number Of Trace Files : 4 Path Health Checking : on(30) Auto Failback : off Intermittent Error Monitor : off HDLM Manager Ver WakeupTime Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss HDLM Alert Driver Ver WakeupTime ElogMem Size Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4096 HDLM Driver Ver WakeupTime Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss License Type Expiration Permanent - KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd hh:mm:ss #
- 各機能の設定値は,アップグレード前のものが引き継がれます。
HDLM 04-00をHDLM 6.1にアップグレードした場合,HDLM 04-00のロードバランスの設定値が「on」のときは,HDLM 6.1での設定値は「on」,アルゴリズムは「rr」(ラウンドロビン)になります。HDLM 05-02以降をHDLM 6.1にアップグレードした場合,アップグレード前のロードバランスの設定値が「on」のときは,ロードバランスの設定値とアルゴリズムを引き継ぎます。ロードバランスのアルゴリズムには,ラウンドロビンのほかに拡張ラウンドロビンがあります。「3.7 HDLMの機能の設定」を参照して,必要に応じてロードバランスのアルゴリズムを選択してください。
- クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」には表示されません。しかし,クラスタ対応機能は問題なく動作します。
- viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
「HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
- viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
「HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。
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