Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)
HDLMは次の方法でインストールできます。
- HP-UX標準のswinstallコマンドを使用する方法
- JP1/NETM/DMを使用してリモートインストールする方法
ここでは,swinstallコマンドによるインストールの手順,およびJP1/NETM/DMを使用したインストール手順の両方を説明します。
JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,HDLMをインストールするすべてのホストに対して手順1から手順3を実行してから,手順4に進んでください。
HDLMをクラスタ構成で使用する場合,クラスタを構成するすべてのホストに同一バージョンのHDLMをインストールしてください。
インストールを実施しているとき,キー入力などによってインストール処理を強制的に終了しないでください。
- /var/tmp/直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
/var/tmp/hdlm_licenseファイルがない場合,手順7でライセンスキーの入力が要求されます。
/var/tmp/hdlm_license
注意事項
- ユーザ任意のディレクトリ,ファイル名でライセンスキーファイルを格納できます。ただし,そのライセンスキーファイルはインストールが終了しても削除されないため,不要な場合はインストール終了後に手動で削除してください。
- ライセンスキーファイルの絶対パスとして入力可能な文字列(半角)は次のとおりです。
大小英字,数字,一部の特殊文字( / ! # + - . = @ _ ~ )
- ユーザ任意のライセンスキーファイルを指定する場合に/var/tmp/hdlm_licenseと入力したときは,そのライセンスキーファイルはインストール終了後に削除されます。
- HP-UXに,root権限を持つユーザでログインします。
- 次のコマンドを実行して,HDLM管理対象予定のデバイスが表示されることを確認します。
# ioscan -fnC disk- JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
# rdsdmind -x
インストールが完了したら手順8に進んでください。手順8以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
- HDLMをリモートインストールしない場合は,まず,CD-ROMをマウントします。
CD-ROMをセットして,次に示すコマンドを実行してください。
# mount /dev/dsk/CD-ROMのデバイス名 CD-ROMのマウントポイント- swinstallコマンドを実行して,HDLMをインストールします。
swinstallコマンド使用時の注意事項については,HP-UXのマニュアルを参照してください。
# swinstall -x ask=true -s CD-ROMのマウントポイント/DLManager DLManager
- 画面に表示されるメッセージに従って操作を進めます。
/var/tmp/hdlm_licenseという名称でライセンスキーファイルを格納していない場合は,ユーザ任意のライセンスキーファイルを格納しているかどうかのメッセージが出力されます。格納している場合は「1」を,直接ライセンスキーを入力する場合は「2」を入力してください。
「1」を入力した場合はユーザ任意のライセンスキーファイルを絶対パスで指定します。
- 「1」または「2」以外を3回入力するとインストールが中止されるので,注意してください。
「2」を入力した場合,ライセンスキーの入力を促すメッセージが表示されるので,ライセンスキーを入力してください。
- 絶対パスの入力を3回失敗するとインストールが中止されるので,注意してください。
インストールが中止された場合は,/var/opt/DynamicLinkManagerディレクトリが存在しているか確認してください。/var/opt/DynamicLinkManagerディレクトリが存在している場合は,次のコマンドを実行して,ディレクトリを削除してください。
- ライセンスキーを入力すると,ライセンスがインストールされた旨のメッセージが表示されます。
- ライセンスキーの入力に3回失敗するとインストールが中止されるので,注意してください。
# rm -rf /var/opt/DynamicLinkManager
- HDLMのインストール終了後,次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされているかどうかを確認します。
次のような実行結果が表示されれば,問題ありません。「host1」の部分は,使用している環境によって異なります。
# swlist -l product DLManager
# Initializing... # Contacting target "host1"... # # Target: host1:/ # DLManager xx.x.x.xx.xx Dynamic Link Manager- 除外ディスク定義ファイルを作成します。
次に示すコマンドラインでHDLM構成定義ユティリティ(dlmcfgmgr)を実行してください。HDLM管理対象外のデバイスが自動的に判定され,除外ディスク定義ファイルが作成されます。判定条件については,「7.3 dlmcfgmgr HDLM構成定義ユティリティ」を参照してください。
除外ディスク定義ファイルの内容は,次回ホストを起動した時に反映されます。
# /sbin/dlmcfgmgr -e > /etc/opt/DynamicLinkManager/dlmfdrv.unconf
CD-ROMなど,自動判定に時間が掛かるデバイスを,引数-eのあとに指定すると,処理時間を短縮できます。引数の指定方法については,「7.3 dlmcfgmgr HDLM構成定義ユティリティ」を参照してください。
- 次に示すデバイスが在る場合は,除外ディスク定義ファイルに定義を手動で追加します。
上記のデバイスは,手順9に示したdlmcfgmgrユティリティの実行では自動的に追加されません。したがって,手動で除外対象として定義する必要があります。
- 2次スワップデバイス
- 管理対象から外したいデバイス(HDLMで管理できるすべてのデバイスを管理対象にする場合,HDLM管理対象外デバイスの設定は不要)
次に/dev/dsk/c4t0d0,/dev/dsk/c6t0d0を除外する場合の例を示します。
# /sbin/dlmcfgmgr -l /dev/dsk/c4t0d0 /dev/dsk/c6t0d0 >> /etc/opt/DynamicLinkManager/dlmfdrv.unconf #- HDLMドライバのロード,およびHDLMデバイスの認識のため,次に示すコマンドを実行してホストを再起動します。
# cd / # shutdown -r- 再起動後,HP-UXにroot権限を持つユーザーでログインします。
- 次のコマンドを実行して,HDLMが管理するパスのS/W StateがCLAIMEDと表示されることを確認します。
# ioscan -fnC disk- HDLMパス情報設定ユティリティ(dlmdefpath)を実行します。
ユティリティの問い合わせに対し,「y」を入力します。ホストが再起動され,現在のパスの構成定義が有効になります。
HP-UX 11i v1.0でのユティリティの実行例を,次に示します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmdefpath -a KAPL10407-I A kernel will be built. Is this OK? [y/n] : y KAPL10411-I The current kernel will be replaced. Is this OK? [y/n] : y KAPL10414-I The computer must be restarted to make the path configuration effective. Would you like to restart the computer now? [y/n] :y- ホストが再起動したあと,/var/opt/DynamicLinkManager/log/dlmcfgmgr.logファイルを参照します。KAPL10301-Iメッセージに表示されたdlmcfgmgrユティリティの起動時刻以降に次のメッセージが出力されていないことを確認します。
このメッセージが出力されている場合,ハードウェア構成,ドライバ構成,または除外ディスク定義ファイルが変更されています。その場合は手順14を参照してdlmdefpathユティリティを再度実行してください。
KAPL10317-E The path configuration definition has not been set.
それでもKAPL10317-Eメッセージが出力された場合は,HDLMの購入元会社,またはHDLMの保守契約があれば保守会社に連絡してください。
- HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
コマンドの実行例を,次に示します。
クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」には表示されません。しかし,クラスタ対応機能は問題なく動作します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys HDLM Version : x.x.x-xx Service Pack Version : Load Balance : on(extended lio) Support Cluster : Elog Level : 3 Elog File Size (KB) : 9900 Number Of Elog Files : 2 Trace Level : 0 Trace File Size(KB) : 1000 Number Of Trace Files : 4 Path Health Checking : on(30) Auto Failback : off Intermittent Error Monitor : off HDLM Manager Ver WakeupTime Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss HDLM Alert Driver Ver WakeupTime ElogMem Size Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4096 HDLM Driver Ver WakeupTime Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss License Type Expiration Permanent - KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd hh:mm:ss #
- viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
「HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
- viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
「HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。
- コマンドパスの環境変数を設定します。
bourneシェル,ksh,またはposix-shを使用している場合
cshを使用している場合
# PATH=$PATH:/opt/DynamicLinkManager/bin # export PATH
# setenv PATH ${PATH}:/opt/DynamicLinkManager/binインストールが終了したら,「3.6 パス構成の確認」に記述されている手順に従ってパス構成を確認してください。
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