Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)

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2.7.2 ロードバランスのアルゴリズム

ロードバランスのアルゴリズムには,次の六つがあります。

上記のアルゴリズムは,処理方式によって二つに分類されます。それぞれのアルゴリズムについて説明します。

ラウンドロビン,最少I/O数,最少ブロック数
これらのアルゴリズムは,発行するI/Oごとに,使用するパスが選択されます。使用するパスはそれぞれ次のように決定されます。
  • ラウンドロビン:
    接続しているすべてのパスが順番に選択されます。
  • 最少I/O数:
    接続しているすべてのパスのうち,処理中となっているI/O数が最も少ないパスが選択されます。
  • 最少ブロック数:
    接続しているすべてのパスのうち,処理中となっているI/Oのブロック数が最も少ないパスが選択されます。

拡張ラウンドロビン,拡張最少I//O数,拡張最少ブロック数
これらのアルゴリズムは,発行するI/Oが一つ前に発行したI/Oと連続性があるかどうか(シーケンシャルなI/Oかどうか)を判別して,割り振るパスが決定されます。
一つ前に発行したI/Oと連続性がある場合,一つ前のI/Oを割り振ったパスが使用されます。ただし,発行したI/O数が一定数に達したときは,次のパスに切り替わります。
一つ前に発行したI/Oと連続性がない場合,I/Oごとに使用するパスが選択されます。
  • 拡張ラウンドロビン:
    接続しているすべてのパスが順番に選択されます。
  • 拡張最少I/O数:
    接続しているすべてのパスのうち,処理中となっているI/O数が最も少ないパスが選択されます。
  • 拡張最少ブロック数:
    接続しているすべてのパスのうち,処理中となっているI/Oのブロック数が最も少ないパスが選択されます。

ロードバランスのアルゴリズムの特長を,「表2-4 ロードバランスのアルゴリズムの特長」に示します。

表2-4 ロードバランスのアルゴリズムの特長

アルゴリズムの種別 アルゴリズムの特長

  • ラウンドロビン
  • 最少I/O数
  • 最少ブロック数
連続性がないI/Oを多く発行する(シーケンシャルなI/Oが少ない)場合に有効です。

  • 拡張ラウンドロビン
  • 拡張最少I/O数
  • 拡張最少ブロック数
一つ前のI/Oと連続性があるI/OでそのI/OがRead要求の場合,ストレージサブシステムのキャッシュ機能によって読み込み速度の向上が期待できます。連続性があるI/Oを多く発行する(シーケンシャルなI/Oが多い)場合に有効です。

注※
HDLMの管理するI/Oには,パスごとに分配ができるものとできないものがあります。したがって,ラウンドロビンを設定しても,パスごとにI/Oが均等に割り振られない場合がありますのでご注意ください。
なお,ロードバランスの種別にかかわらず,VxFSからの連続したI/Oについては,パスの切り替えが行われません。

HDLMを新規にインストールしたときには,拡張最少I/O数がデフォルト値として設定されます。アップグレードインストールしたときには従来の設定が引き継がれます。

使用しているシステム環境で,データアクセスの傾向に適したロードバランスのアルゴリズムを選択してください。データアクセスの傾向に特徴が見られない場合は,拡張最少I/O数の適用を推奨します。

ロードバランス機能は,HDLMコマンドのsetオペレーションで指定します。setオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。

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