4.4.2 バッチジョブの実行環境
バッチジョブが実行されるシステムの実行環境はJP1/AJSのエージェントを設定することで,バッチジョブの多重度,実行リソース環境を変更する。JP1/AJSのエージェントホスト,デフォルトキュー,バッチジョブ実行時に必要な環境を考えてエージェントの設定をすること。バッチジョブ実行システムを使ってバッチジョブを実行する環境を作成する場合,次に示す内容を考慮する必要がある。
(1) 文字コード
JP1/AJSの文字コードはバッチジョブ実行システムと同じ文字コードに使用すること。バッチジョブ実行システムで使用できる文字コードについては,「2.3.1(1)(a) 言語種別の設定」を参照のこと。
(2) JP1/AJSのジョブの種類
バッチジョブ実行システムのジョブを実行するために使用できるJP1/AJSのジョブの種類を次に示す。
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UNIXジョブ(ただし,キューレスジョブは対象外)
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サブミットジョブ
上記以外の種類のジョブで,バッチジョブ実行システムのジョブを実行した場合,動作は保証されない。
(3) バッチジョブの実行多重度の設定
JP1/AJSで管理するエージェントは,エージェントごとにバッチジョブの実行多重度を設定できる。バッチジョブの利用するリソースが大きく異なる場合,同一マシン(1つのIPアドレス)に対して複数のエージェントホストをエイリアスとして定義し,特性の異なるバッチジョブごとにエージェントホストに登録することで,1つのマシン上で多重度を制御できる。例えば,実ホスト(hostA)に対してhostB,hostCというエイリアスを定義し,1つのマシン上で次の図のように業務を振り分けることができる。
バッチジョブ業務の振り分け例を次の図に示す。
- 注意事項
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長時間掛かるバッチジョブが複数実行されている場合などに,エージェントのジョブ実行多重度に達してしまう場合がある。
実行中のジョブ数がジョブ実行多重度に達している間,後続のジョブはエージェントで実行中のジョブが終了するまでキューイングの状態で待機する。このような場合,予想以上にジョブの実行時間が長く掛かることになるため,ジョブの実行時間,および単位時間当たりのジョブ実行数を考慮したジョブ実行多重度を設定する必要がある。