メッセージキューイングアクセス機能 TP1/Message Queue - Access 使用の手引

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2.2.5 接続先情報定義ファイルの設定項目

接続先情報定義ファイルには,MQCクライアント機能を使用するための環境を定義します。

<この項の構成>
(1) 環境変数のオペランド(接続先情報定義ファイル)
(2) 接続先情報定義ファイルの記述形式
(3) 接続先情報定義ファイルの作成規則
(4) 接続先情報定義ファイルの記述例

(1) 環境変数のオペランド(接続先情報定義ファイル)

接続先情報定義ファイル独自のオペランドを次に示します。そのほかのオペランドについては,「2.2.2 MQCクライアント機能の環境変数のオペランド」を参照してください。有効になる環境変数の設定場所については,「表2-6 接続先情報定義ファイルの読み込みの有無による環境変数の設定場所の有効性」を参照してください。

(2) 接続先情報定義ファイルの記述形式

 
MGR
DCMQCMGRNAME=キューマネジャ名※1
DCMQCSRVHOSTIP=窓口となるMQCリスナサーバのIPアドレス※2
DCMQCSRVHOSTNAME=窓口となるMQCリスナサーバのホスト名※2
DCMQCSRVPORT=窓口となるMQCリスナサーバのポート番号※3
DCMQCSRVSERVNAME=窓口となるMQCリスナサーバのサービス名※3
DCMQCCLTHOSTIP=自システムのIPアドレス
DCMQCCLTPORT=自システムのポート番号
DCMQCTIMEREQ=MQCリスナサーバまたはMQCゲートウェイサーバからの結果応答
             受信監視タイマ値
DCMQCTIMEGET=MQCゲートウェイサーバでのMQGET命令の待ち合わせ最大時間
DCMQCTIMESEG=MQCリスナサーバまたはMQCゲートウェイサーバからの継続
             セグメント受信監視タイマ値
DCMQCTIMECON=MQCリスナサーバまたはMQCゲートウェイサーバへの最大接続試行
             時間
DCMQCSEGSIZE=転送時のセグメントサイズ
MGREND
 

注※1
必須環境変数です。定義値に空白を指定しないでください。

注※2
必須環境変数です。どちらか一つを指定してください。両方指定した場合はDCMQCSRVHOSTIPが有効になります。

注※3
必須環境変数です。どちらか一つを指定してください。両方指定した場合はDCMQCSRVPORTが有効になります。

(3) 接続先情報定義ファイルの作成規則

  1. 「MGR」から「MGREND」まで(以降,キューマネジャ構成定義と呼びます)が一つの接続先の情報となるため,この間に各環境変数を設定してください。それ以外の場所に環境変数を設定した場合,その行は無効になります。また,「MGR」を設定したあと,「MGREND」を設定しないで,再び「MGR」を設定した場合は,その「MGR」行は無効になります。
  2. 接続先情報定義ファイルに設定しているキューマネジャ構成定義は,最大16個まで読み込まれます。
  3. 1行に301バイト以上の文字列を指定したとき,301バイト以降は無効になります(改行は文字としてカウントされません)。
  4. コメントを入れる場合は,コメントの先頭に「#」を指定してください。
  5. 接続先情報定義ファイルに指定する文字は,半角で記述してください。全角で記述した場合,次のどれかになります。
    • 無効な行になります。
    • 変数名が指定されていないと判断されます。
    • 定義値に不正な値が設定されていると判断されます。
    ただし,ホスト名,サービス名の定義値,または「#」以降のコメント文字は,全角で記述できます。
  6. キューマネジャ構成定義内で,同じ環境変数を指定した場合,あとから指定した値が有効となります。
  7. 複数のキューマネジャ構成定義が設定されているとき,環境変数DCMQCMGRNAMEに同一キューマネジャ名を指定し,ほかの環境変数(DCMQCSRVHOSTIPなど)が異なる場合は,最初に設定されているキューマネジャ構成定義だけが有効になります。
  8. 環境変数は1行に一つだけ指定できます。複数指定した場合,二つ目以降の環境変数は無効となります。
  9. 接続先情報定義ファイルのオペランドにない環境変数を指定した場合は,その行は無効になります。
  10. 「=」より前を環境変数,「=」より後ろを定義値として扱います。「=」を同じ行に二つ以上指定しても二つ目以降の「=」は無効となります。
  11. 環境変数の後ろに,空白文字,またはタブを指定した場合は,そこから「=」または改行の前までが無効となります。また,定義値の後ろに空白文字,タブ,「=」,または「#」を指定した場合,該当する行の,空白文字,タブ,「=」,または「#」以降が無効になります。
  12. 「MGR」,および「MGREND」の前に設定できるのは,空白文字とタブだけです。後ろに設定できるのは空白文字とタブ,またはコメントです。それ以外の文字を指定した場合,その行は無効になります。
  13. キューマネジャ構成定義内で必須環境変数を省略した場合,または,環境変数の定義値に何も指定していない場合は,該当するキューマネジャ構成定義は無効になります。
  14. 接続先情報定義ファイルに設定できる最大行数は720です。それ以上は設定しても無効になります。
  15. 接続先情報定義ファイルで,次のような設定をした場合,フォーマット不正として,MQCONNでMQRC_UNEXPECTED_ERROR(2195)のエラーとなります。
    • キューマネジャ構成定義を一つも定義していない場合
    • 接続先情報定義ファイルに設定している,すべてのキューマネジャ構成定義が無効な場合

(4) 接続先情報定義ファイルの記述例

接続先情報定義ファイルの設定と解析結果を次の図に示します。

図2-1 接続先情報定義ファイルの設定と解析結果

[図データ]

注※1
デフォルト値であることを示します。

注※2
環境変数はすべて正しく設定されているため,すべて有効な定義値として読み込まれます。ただし,環境変数DCMQCSRVHOSTNAMEおよびDCMQCSRVSERVNAMEは,それぞれDCMQCSRVHOSTIPおよびDCMQCSRVPORTが設定されて有効になっているため,無効な値となります。

注※3
20行目で環境変数DCMQCMGRNAMEを設定していますが,25行目でもDCMQCMGRNAMEを設定しているため,作成規則6.によって25行目のDCMQCMGRNAMEで設定した値が有効になります。
22行目は作成規則12.によって無効な行となります。そのため,作成規則1.によって24行目も無効な行となり,19行目から31行目までが一つのキューマネジャ構成定義となります。
29行目は作成規則8.によって,先に設定されている環境変数DCMQCTIMEGET=60が有効になり,あとに設定した環境変数DCMQCTIMECON=120は無効となります。
30行目は作成規則11.によって,環境変数DCMQCSEGSIZEの後ろに空白文字が指定されているため,環境変数DCMQCTIMEREQが無効になります。同様に定義値の「2048」の後ろに空白文字が指定されているため,「20」は無効となります。

注※4
33行目から37行目のキューマネジャ構成定義は,34〜36行目の必須環境変数は正しく設定されており,ほかの環境変数にデフォルトの値が設定されています。しかし,19行目からのキューマネジャ構成定義と同じキューマネジャ名を設定しているため,作成規則7.によって,このキューマネジャ構成定義は無効となります。

注※5
43行目の「DCMQCMGRNAME=TESTMGR」で「=」は全角であるため,作成規則5.および10.によって,この1行が環境変数として解析されます。そのため,必須環境変数である,「DCMQCMGRNAME」は設定されていないと判断されます。また,44行目で定義値を設定していないため,作成規則13.によって,このキューマネジャ構成定義は無効になります。

注※6
39行目は,作成規則1.によって,キューマネジャ構成定義外に設定しているため,この行は無効となります。