分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSAS-NIF編
EXECAP要求によってアプリケーションを起動する場合,自システム内の次のプロセス間で定義する内容を関連づける必要があります。
ここでは,次に示す三つのパターンで,それぞれの定義をどのように関連づけるのか説明します。
SPPからEXECAP要求で相手システムのアプリケーションを起動する場合は,次の図に示すように定義を関連づけます。
図5-9 SPPからのシステム間通信によってアプリケーションを起動する場合の定義例
この定義例の場合,各SPPからアプリケーション起動を要求すると,次の表に示すような結果になります。
SPP | 起動するアプリケーション | アプリケーション起動の可否 | アプリケーション起動の結果 |
---|---|---|---|
SPP1 | APL01 | ○ | SPP1のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF1通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(NFLE01)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム1で起動されます。 |
APL02 | ○ | SPP1のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF1通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | ○ | SPP1のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF1通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。 | |
SPP2 | APL01 | × | SPP2のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF2通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef02)にAPL01の定義がないため,起動要求がエラーになります。 |
APL02 | ○ | SPP2のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF2通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef02)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | × | SPP2のユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するOSASNF2通信プロセスの,アプリケーション定義(apldef02)にAPL03の定義がないため,起動要求がエラーになります。 |
MHPからEXECAP要求で相手システムのアプリケーションを起動する場合は,次の図に示すように定義を関連づけます。
図5-10 MHPからのシステム間通信によってアプリケーションを起動する場合の定義例
この定義例の場合,各MHPからアプリケーション起動を要求すると,次の表に示すような結果になります。
MHP | 起動するアプリケーション | アプリケーション起動の可否 | アプリケーション起動の結果 |
---|---|---|---|
MHP1 (OSASNF1のMHP) |
APL01 | ○ | MHP1を起動したOSASNF1通信プロセスのアプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(NFLE01)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム1で起動されます。 |
APL02 | ○ | MHP1を起動したOSASNF1通信プロセスのアプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | ○ | MHP1を起動したOSASNF1通信プロセスのアプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。 | |
MHP2 (OSASNF2のMHP) |
APL01 | × | MHP2を起動したOSASNF2通信プロセスのアプリケーション定義(apldef02)にAPL01の定義がないため,起動要求がエラーになります。 |
APL02 | ○ | MHP2を起動したOSASNF2通信プロセスのアプリケーション定義(apldef02)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF2の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | × | MHP2を起動したOSASNF2通信プロセスのアプリケーション定義(apldef02)にAPL03の定義がないため,起動要求がエラーになります。 |
自システム内でのアプリケーション起動によってUAPを起動したあと,そのUAPでシステム間通信を行ってアプリケーション起動要求を行う場合は,次の図に示すように定義を関連づけます。
図5-11 システム間通信と自システム内アプリケーション起動の併用する場合の定義例
この定義例の場合,各UAPからアプリケーション起動を要求すると,次の表に示すような結果になります。
UAP | 起動するアプリケーション | アプリケーション起動の可否 | アプリケーション起動の結果 |
---|---|---|---|
SPP1 | APL01 | ○ | SPP1ユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するアプリケーション起動プロセス(PSV1)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(PSV01)に要求を出すため,自システムで起動されます。 |
APL02 | ○ | SPP1ユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するアプリケーション起動プロセス(PSV1)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | ○ | SPP1ユーザサービス定義に指定したアプリケーション起動プロセス識別子と一致するアプリケーション起動プロセス(PSV1)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。 | |
APL01(PSV1のMHP) | APL01 | ○ | APL01を起動したアプリケーション起動プロセス(PSV01)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL01の論理端末(PSV01)に要求を出すため,自システムで起動されます。 |
APL02 | ○ | APL01を起動したアプリケーション起動プロセス(PSV01)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | ○ | APL01を起動したアプリケーション起動プロセス(PSV01)の,アプリケーション定義(apldef01)のAPL03の論理端末(NFLE03)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。 | |
MHP1(OSASNF1のMHP) | APL01 | × | MHP1を起動した通信プロセス(OSASNF1)のアプリケーション定義(apldef02)にAPL01の定義がないため,起動要求がエラーになります。 |
APL02 | ○ | MHP1を起動した通信プロセス(OSASNF1)のアプリケーション定義(apldef02)の,APL02の論理端末(NFLE02)に要求を出すため,OSASNF1の相手システム2で起動されます。 | |
APL03 | × | MHP1を起動した通信プロセス(OSASNF1)のアプリケーション定義(apldef02)にAPL03の定義がないため,起動要求がエラーになります。 |
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