分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSAS-NIF編

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2.1.6 論理端末の閉塞と閉塞解除

TP1/NET/OSAS-NIFは,相手システムとのコネクションを確立するとき,論理端末の閉塞を解除してメッセージを送受信します。

<この項の構成>
(1) 論理端末の閉塞
(2) 論理端末の閉塞解除

(1) 論理端末の閉塞

TP1/NET/OSAS-NIFは,次に示すような障害要因を検知すると,該当する論理端末を閉塞します。論理端末を閉塞すると,障害通知イベント(CERREVT)を通知し,対応するMHPを起動します。

(a) 運用コマンド(mcftdctle)による閉塞

TP1/NET/OSAS-NIFは,運用コマンド(mcftdctle)を入力したとき,次に示す処理をします。

メッセージ送信中の場合
request型論理端末およびsend型論理端末は,メッセージ送信を中断し,相手システムへ処理中断連絡(送信中断)を送信したあと,論理端末を閉塞します。
request型論理端末(同期型)は,送信メッセージを破棄し,相手システムへ送信中断連絡(送信中断)を送信したあと,論理端末を閉塞します。
reply型論理端末は,メッセージの送信が完了した時点で,論理端末を閉塞します。相手システムには,次にメッセージを受信したとき,処理中断連絡(受信拒否)を送信します。
メッセージ受信中の場合
request型論理端末およびrequest型論理端末(同期型)はメッセージの受信が完了した時点で,論理端末を閉塞します。
reply型論理端末およびreceive型論理端末は受信メッセージを破棄し,相手システムへ処理中断連絡(受信拒否)を送信したあと,論理端末を閉塞します。
ただし,送受信処理中のメッセージがない場合は,処理中断連絡を送信しません。また,閉塞している論理端末に対して,新たにメッセージを受信したときは処理中断連絡(受信拒否)を送信します。
(b) 相手システムからの強制閉塞

TP1/NET/OSAS-NIFは,相手システムから処理中断連絡(送信中断または受信拒否)を受信すると,次に示す処理をします。

メッセージ送信中の場合
request型論理端末およびsend型論理端末は,メッセージ送信を中断し,論理端末を閉塞します。
request型論理端末(同期型)およびreply型論理端末は,送信中のメッセージを破棄し,論理端末を閉塞します。
メッセージ受信中の場合
request型論理端末,request型論理端末(同期型),reply型論理端末およびreceive型論理端末は受信メッセージを破棄し,論理端末を閉塞します。
(c) コネクション解放による閉塞

TP1/NET/OSAS-NIFは,コネクションを解放すると,論理端末を閉塞します。コネクション解放時は論理端末の障害通知イベント(CERREVT)は起動しません。

このときの送受信メッセージの扱いについては,「2.1.5(3) コネクション解放時のメッセージの処理」を参照してください。

(d) NIF-REJECT送信または受信による強制閉塞

TP1/NET/OSAS-NIFは,相手システムへNIF-REJECTを送信するか,または相手システムからNIF-REJECTを受信すると,次に示す処理をします。

メッセージ送信中の場合
request型論理端末,reply型論理端末およびsend型論理端末は,メッセージ送信を中断し,論理端末を閉塞します。
request型論理端末(同期型)は,送信メッセージを破棄し,論理端末を閉塞します。
メッセージ受信中の場合
request型論理端末,request型論理端末(同期型),reply型論理端末およびreceive型論理端末は,受信メッセージを破棄し,論理端末を閉塞します。
(e) メッセージ送受信処理障害による閉塞

TP1/NET/OSAS-NIFは,メッセージ入力障害などによる障害が発生した場合,論理端末を閉塞します。詳細については,「8.1 障害の種類と対応処理」を参照してください。

(2) 論理端末の閉塞解除

TP1/NET/OSAS-NIFは,コネクション確立中に,論理端末を閉塞した場合,運用コマンド(mcftactle)を入力するか,相手システムの障害復旧を認識するか,またはコネクションの再確立をすると,閉塞していた論理端末の閉塞を解除します。

なお,コネクション確立時に,論理端末の突き合わせで使用できなくなった論理端末の閉塞は解除できません。

(a) 運用コマンド(mcftactle)による閉塞解除

TP1/NET/OSAS-NIFは,運用コマンド(mcftactle)を入力したとき,次に示す処理をします。

相手システムから処理中断連絡(受信拒否)を受信して閉塞した場合
request型論理端末,request型論理端末(同期型),reply型論理端末およびsend型論理端末は,運用コマンド(mcftactle)を受け付けません。
相手システムから処理中断連絡(送信中断)を受信して閉塞した場合
request型論理端末およびrequest型論理端末(同期型)は論理端末を閉塞解除します。
reply型論理端末およびreceive型論理端末は運用コマンド(mcftactle)を受け付けません。
相手システムへ処理中断連絡(受信拒否)を送信して閉塞した場合
reply型論理端末およびreceive型論理端末は,相手システムへ受信拒否解除を送信して,論理端末を閉塞解除します。
相手システムへ処理中断連絡(送信中断)を送信して閉塞した場合
request型論理端末およびsend型論理端末は,論理端末を閉塞解除します。中断していたメッセージ送信を再処理します。
request型論理端末(同期型)およびreply型論理端末は,論理端末を閉塞解除します。
NIF-REJECT送信または受信によって閉塞した場合
request型論理端末,request型論理端末(同期型)およびsend型論理端末は,論理端末を閉塞解除します。
reply型論理端末およびreceive型論理端末は,運用コマンド(mcftactle)を受け付けません。
上記以外の場合
論理端末を閉塞解除します。
(b) 相手システムの障害復旧による閉塞解除

TP1/NET/OSAS-NIFは,相手システムから処理中断連絡(受信拒否/送信中断)を受信して閉塞した場合,またはNIF-REJECTを送受信して閉塞した場合,相手システムの障害復旧によって,自動的に論理端末の閉塞を解除します。

相手システムから処理中断連絡(受信拒否)を受信して閉塞した場合
request型論理端末およびsend型論理端末は,相手システムから受信拒否解除を受信することによって,相手システムの障害復旧を認識し,論理端末を閉塞解除します。中断していたメッセージ送信を再処理します。
request型論理端末(同期型)およびreply型論理端末は,論理端末を閉塞解除します。
相手システムから処理中断連絡(送信中断)を受信して閉塞した場合
reply型論理端末およびreceive型論理端末は,相手システムからメッセージを受信することによって,相手システムの障害復旧を認識し,論理端末を閉塞解除します。
NIF-REJECT送信または受信によって閉塞した場合
reply型論理端末およびreceive型論理端末は,相手システムからメッセージを受信することによって,相手システムの障害復旧を認識し,論理端末を閉塞解除します。