分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説
クラスタ/並列システム形態でOpenTP1を使う場合でも,システムジャーナルファイルをOpenTP1ノードごとにアンロードする必要があります。この負担を軽減するために,マルチノード機能のオプションとして,専用のOpenTP1ノードに各OpenTP1ノードのシステムジャーナルをアーカイブできます。この機能をグローバルアーカイブジャーナル機能といいます。グローバルアーカイブジャーナル機能でアーカイブしたジャーナルをアンロードすると,ノードごとにジャーナルをアンロードする必要がなくなるため,OpenTP1ノードの運用の負担を軽減できます。
グローバルアーカイブジャーナルでは,アーカイブするジャーナルの種類を選択できます。選択するジャーナルの種類は,システムジャーナル定義のjnl_arc_rec_kindオペランドに選択するジャーナルレコード種別を指定します。ジャーナルの種類については,「4.2.2 システムジャーナルファイル」を参照してください。
グローバルアーカイブジャーナル機能でアーカイブしたジャーナルファイルをアーカイブジャーナルファイルといいます。アーカイブジャーナルファイルについては,「4.2.6 アーカイブジャーナルファイル」を参照してください。
グローバルアーカイブジャーナル機能を使用した場合でも,各OpenTP1ノードの回復時はシステムジャーナルファイルを使用します。そのため,回復の性能に影響はありません。
ファイルの運用方法や障害時の対策については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。
マルチノードエリアの任意のOpenTP1ノードを,アーカイブジャーナルファイル専用のノードとします。このノードをアーカイブジャーナルノードといいます。このノードのアーカイブジャーナルファイルへ,各OpenTP1ノードからシステムジャーナルファイルをアーカイブします。アーカイブジャーナルノードへシステムジャーナルファイルをアーカイブするOpenTP1ノードを被アーカイブジャーナルノードといいます。
アーカイブジャーナルノードと,ほかのOpenTP1ノード(被アーカイブジャーナルノード,またはグローバルアーカイブジャーナル機能を使用しないノード)と異なる点を次に示します。
グローバルアーカイブジャーナルサービスの概要を次の図に示します。
図6-6 グローバルアーカイブジャーナルサービスの概要
アーカイブジャーナルノードには,1から16種類までのアーカイブジャーナルファイルを作成できます。それぞれのファイルは使用目的で分けられるので,マルチノードのあるエリアをAアーカイブジャーナルとして取得,あるエリアをBアーカイブジャーナルとして取得,などの運用ができます。
使う目的別に分けたアーカイブジャーナルファイルのまとまりをリソースグループといいます。グローバルアーカイブジャーナルサービスは,リソースグループ名を使ってアーカイブジャーナルファイルを管理します。
一つのリソースグループに属せる被アーカイブジャーナルノードは,20ノードまでです。
リソースグループは,アーカイブジャーナルサービス定義のファイル名を示します。アーカイブジャーナルノードでリソースグループを幾つ使用するかは,グローバルアーカイブジャーナルサービス定義で指定します。
グローバルアーカイブジャーナル機能を使用するノードには,次に示すシステム定義を指定しておきます。このことで,グローバルアーカイブジャーナルサービスと各ノードのジャーナルサービスを関連づけられます。
システムジャーナルファイルをアーカイブしないOpenTP1ノードでは,個別にジャーナルをアンロードしてください。
グローバルアーカイブジャーナルサービスとリソースグループの関係を次の図に示します。
図6-7 グローバルアーカイブジャーナルサービスとリソースグループの関係
アンロード待ちのファイルグループは,OpenTP1のコマンドで,通常ファイルに複写(アンロード)する必要があります。アーカイブジャーナルファイルをアンロードしたファイルを,グローバルアーカイブアンロードジャーナルファイルといいます。
すべてのファイルグループがアンロードされていない状態でスワップ先がなくなった場合,グローバルアーカイブジャーナルサービスは異常終了します。
アンロードした通常ファイルは,システムジャーナルファイルの場合と同様に,DAMファイルの回復や稼働統計情報ファイルの編集ができます。また,ユーザジャーナルをオフラインのプログラムへ引き継げます。
グローバルアーカイブアンロードジャーナルファイルには,複数のOpenTP1ノードのシステムジャーナル情報が入っています。このジャーナルをマージした稼働統計情報の編集,および複数のOpenTP1ノードのジャーナルを時系列にソートするなど,各種のジャーナル編集ができます。
被アーカイブジャーナルノードのOpenTP1ノードでは,次に示すシステムジャーナルファイルの状態が追加となります。
該当する被アーカイブジャーナルノードでアンロードが済んでいなくても,アーカイブ済みで上書きできる状態のファイルグループであれば,次回のスワップ先にできるファイルグループとなります。
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